【漫画】「仕事で必要とされたことがなかった」耳かき専門店で働き始めた漫画家志望の不安

自身の耳かき専門店で働いていた体験をベースにしたオリジナル漫画「耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出したハナシ。」をX(旧Twitter)で発信する森民つかさ(@uouououoza1)さん。知られざる耳かき専門店の裏側や、店を訪れる個性的なお客さんたちとのエピソードを優しいタッチで描いた作品には、多くの反響が集まっている。この記事では、著者・森民さんにインタビューを行い、先日公開された第2話の見どころや裏話を聞いた。

研修を終え、接客に入るも早くも失敗！無事仕事を続けられるのか…

どんなバイトをしてもミスを連発して長続きしない。漫画活動も落選続きでパッとしない。何をしてもうまくいかず、ガリガリと自己肯定感が削られていき、気づけば自己否定の“沼”にどっぷりとつかってしまっていた主人公。なんとか耳かき専門店で採用され、10数時間の研修を終えるとすぐに接客に入ることに。

隣の部屋からお客さんのいびきが聞こえてくるなか、緊張しながらの初接客。慎重に耳かきをするが、力を入れすぎてお客さんの耳に傷をつけ、流血させてしまう。こっぴどく怒られて落ち込みつつも、次のお客さんの接客に…。なんとか初日を乗り切るが、想像以上に気をつかう仕事に、主人公は続けられるのか早くも不安でいっぱいになっていた。

「仕事で必要とされたことがなかった」不安を抱えながら働いていた新人時代

――第2話では耳かき専門店での初日の様子が描かれています。「研修は10数時間」とありましたが、そこからすぐに実際の接客に入るなかで不安はありましたか？
「もう研修終わるんかい！」という気持ちでいっぱいで、めちゃくちゃ不安でしたし、接客に入ってもかなりオドオドしていたのではないかと思います。今振り返ると、お客さんからよく怒られていました(笑)。もちろん、優しいお客さんも多いのですが、「プロなんだから残さず耳垢きれいにしてよ」などと厳しいご意見をいただくこともしばしば。初心者であることはお客さんには関係ないので、当然のご意見なんですが、当時はその都度ヘコんで、委縮してしまっていたように思います。しばらくはお守りのようにマニュアルを横に置きながら接客をしていましたね。

――作中では隣の部屋からお客さんのいびきが聞こえてきていました。実際に寝入ってしまうお客さんは多いのでしょうか？
体感では7～8割ほどのお客さんは眠ってしまうのではないでしょうか。最初はおしゃべりをしているのですが、会話が途切れると寝落ちしている、というケースが非常に多いですね。実際、私も研修で体験しているときに眠ってしまいました(笑)。それだけリラックスしてもらえているということでもあると思いますので、お店としては睡眠歓迎です。

――漫画では描き切れなかった当時の心境や思い出はありますでしょうか？
今までバイトを長く続けることができなくて、仕事で必要とされることがなかったので、とにかくお店で受け入れてもらえるかが心配でした。自己肯定感の低さが理由なのかもしれませんが、働き始めは先輩スタッフや店長、お客さんの顔色をうかがいながら、仕事をしていました。いつ「お前使えないから帰れ」と言われるか不安でいっぱいでした。あと、女性ばかりの職場なので、うまくなじめなかったらイジメられるんじゃないか、とか悪い想像ばかりをしてしまっていました。そんななかでのスタッフやお客さんとのエピソードを今後描いていきますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
画像提供：森民つかさ(@uouououoza1)
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