女性の性と向き合い続けて…。セルフプレジャーブランド「iroha」の、“性のタブー”に挑戦し続けた10年間

東京ウォーカー(全国版)

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女性向けセルフプレジャーアイテムを中心に、女性の性や体をサポートする製品を展開する「iroha」。株式会社TENGAが手掛けるこのブランドは、セルフケアのひとつとして体が求める「気持ちよさ」に応える商品を企画・開発してきた。

そんなirohaは2023年3月3日、桃の節句に誕生10周年を迎えた。2013年にこのブランドが誕生した当初は、セルフプレジャーという言葉はまだまだ世に浸透しておらず、女性の性の話題に触れることはタブーという風潮があった。irohaはこのような社会を変えるべく、10年もの歳月をかけて女性の性と向き合い続けてきた。

今回は、株式会社TENGA マーケティング本部 国内マーケティング部 irohaチームリーダー兼iroha事業部の真仲潤さんに、10周年を迎えたirohaの誕生秘話や、「セルフプレジャー」認知のための取り組み、そしてモデル・俳優の水原希子さんをアンバサダーに迎えたきっかけなどについて話を聞いた。

株式会社TENGA マーケティング本部 国内マーケティング部 irohaチームリーダー兼iroha事業部の真仲潤さん【撮影=福井求】


目指したのは、女性による女性のためのセルフケアブランド

irohaブランドを手掛ける株式会社TENGAが立ち上がったのは2005年。創業者で代表取締役社長の松本光一さんが「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンを掲げ、「TENGA ORIGINAL VACUUM CUP」をはじめとした男性向けのアイテムを発売している。そんな株式会社TENGAは、創業当初から女性向けのグッズやアイテムの開発を構想していたという。

「弊社の掲げるビジョンの『誰もが』には男性だけでなく女性も入っていて、性別だけでなく年齢や国籍なども問わず、世界中の人々の性を豊かにするという意味が込められています。そのため、女性のためのグッズ展開は社長の松本が起業した当初からありました。ですが、初期のスタッフは全員男性だったので、女性スタッフが整った段階から開発をスタートしようということになりました」

2023年にリニューアルした「iroha」【提供=iroha】


女性社員が集まってから商品開発をすることになったのは、松本さんが「やっぱり女性のアイテムは女性が作ったほうが、よりよいものが作れるんじゃないか」と考えたからだった。実際にirohaブランドの開発が始まったのは2010〜2011年ごろ。松本さん自らスタッフを募集し、メンバーがそろった時点からのスタートとなった。

「開発開始に伴って、当時のスタッフが女性向けグッズの市場調査を行った際、アダルトグッズ店に並ぶのは女性が使用する前提のものではなく、男性が女性に向けて一方的に使うデザインのものばかりでした。果たして女性たちは、それらのようなグッズでのオーガズムを求めているのかという点も疑問でした。そこで、女性が『自分のためにほしい』と思えるような商品を作りたいと思い、商品開発に臨むことになりました」

【写真】水原希子さんと共同開発した「iroha petit CORAL」。プルプル感触がくせになる使い切りアイテムだ【提供=iroha】


男性器の代替品のようなオーガズム至上主義のアイテムではなく、女性自身が楽しく心地よさと向き合えるようなアイテムを作っていきたいという思いが、irohaブランドを開発する出発点となった。女性目線でどのような商品を使いたいかという点を徹底的に考え抜いた結果、「和モダン」をイメージした、日本人の女性の部屋に置いてあっても違和感がない、日常に溶け込むようなデザインが採用されることになった。

「現在の開発担当者はすべて女性で、女性の体にやさしいアイテムの開発を目指しています。そのため、デザイン・質感・機能性など細部にまで女性目線でこだわり抜いています。弊社に入社する女性社員は熱量がすごいんですよ。叶えたい思いや自分の理想を実現したい気持ちを抱いている人が多いです。また、単純にプロダクトに惚れ込んできてくれることも多いですね。なかにはブランドが好きすぎて、スペインやトルコといった海外から乗り込んできてくれたスタッフもいます」

irohaの商品を手に取って説明する真仲さん【撮影=福井求】


立ちはだかる壁の数々と戦い続けた、irohaの10年間

女性のためのセルフプレジャーブランドとして年々知名度を上げているiroha。しかし、ブランドがスタートしたころには商品展開に非常に苦労したそうだ。特に、当時はセルフプレジャーという言葉自体が認知されていなかったこともあり、「女性がセルフプレジャーをすることはおかしいことではない」ということを浸透させるために長い時間がかかった。

irohaが立ち上がった2013年にはさまざまなメディアに取材されたが、その際には女性による女性のためのアイテムというコンセプトに反し、記事では「TENGAの女性版」という書き方で伝えられたという。また、過去には広報担当がメディアに赴くと「それで、いつ脱ぐの?」と言われてしまうこともあったとか。アダルトグッズに関わる女性にはセクハラしてもOKという風潮があり、そのような空気感をどのように変えていくかが一番の課題となった。

「2019年に入社した広報担当者によると、3〜4年ほど前ですら女性の性の話がされることはほとんどなかったといいます。一度、ある出版社に商品を持って行ったことがあったのですが、その際に『そんなもの持ってこないでください』と言われてしまったこともあるようです。ですが、その4年後くらいに同じ会社から取材依頼がくるようになったのです。特に、ここ3〜4年でセルフプレジャーグッズに対しての印象が大きく変わりましたね」

まるで口紅のようなデザインの「iroha stick」【提供=iroha】


苦戦を重ねたirohaに一度目の転機が訪れたのは2018年。大阪の大丸梅田店でirohaのポップアップストアの実現がきっかけだった。当時のスタッフたちは「誰も来ないんじゃないか、クレームが来るんじゃないか」と心配だったそうだが、蓋を開いてみると予想に反しての大盛況。大丸梅田店で行った歴代のポップアップストアのなかで1位の売り上げを記録した。

「ポップアップストアの成功が、大丸梅田店に常設の『iroha STORE 大丸梅田店』を構えるきっかけとなりました。『irohaはやっぱりニーズがある!』と実感できた瞬間でしたね!その2年後の2020年ごろからコロナが流行し、家で過ごす時間が多くなりました。その際に『ボディ・ポジティブ』という言葉が広がったり、自分の心身を見つめ直して向き合うというのが当たり前な風潮になったのです。そのひとつとしてセルフプレジャーが認知されるようになってきました」

iroha STORE 大丸梅田店【提供=iroha】


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