女子美術大学とSCPが連携「バズるヒットキャラクター」を考えた。学生に「マーケテイング賞」など3賞授与【PR】
東京ウォーカー(全国版)
女子美術大学と株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)が2023年9月29日、東京・六本木のSCP本社で「女子美術大学キャラクター制作演習授業2023 三賞授与式」を開催。本取り組みは女子美術大学とSCPの産学連携企画の一環で、女子美術大学の生徒6人が出席し、授業の感想や受賞の喜びを語った。
本取り組みは女子美術大学とSCPの産学連携企画。SCPが女子美術大学の「キャラクター制作演習授業」内で課題を設定し、学生たちが制作したキャラクターのプレゼンを受け、プロとしての視点から講評やアドバイスを行ったもの。この日は、最終審査の発表および各賞の授与式が実施された。
グッズやコラボカフェも。ビジネス化案まで考え制作
「キャラクター制作演習」は、企業などから与えられた具体的なテーマに沿って、学生がオリジナルキャラクターを制作する、芸術学部アート・デザイン表現学科の実技授業。これまで病院や特別支援学校と連携して授業を行った。2023年度は、6月下旬から7月下旬にかけて、キャラクターの玩具や雑貨の製造販売など、IP(知的財産)ビジネスを展開するSCPと共同で授業を実施した。
SCPが出したテーマは「Z世代をターゲットにしたSNSでバズるヒットキャラクターの開発」。22人の学生がそれぞれキャラクターを考えてプレゼンを行った。コンセプトやプロフィールのほか、SNSの活用方法、グッズやコラボカフェなどのライセンスビジネス化案も提案。それに対して、SCP担当者が優れている点や改善点などをコメントした。
女子美術大学・非常勤講師の戸川恵子さんは「プロの目で厳しいご指摘をいただき、なるほど、という学びがありました。ここにいたるまで細かいアドバイスをいただき、励みになったと思います。生徒みんなが目を輝かせて、授業に臨んでいました」と振り返った。
“やわらか脳”で個性を発揮
プレゼンと最終提案を経て、ビジネス化を想定した視点や総合的なクオリティを評価する「マーケテイング賞」、キャラクターデザインやストーリー性を評価する「クリエイティブ賞」、次世代のヒットキャラクターになる期待感のある作品に贈る「ネクストブレイク賞」の3部門の受賞者計6人が決定。授与式では、制作したキャラクターが刻印された盾が手渡された。
SCPのIPマーケティング本部マーケティング部次長の伊藤弘康さんは「一番感度が高く、一番おもしろいものを見出せるのが、みなさんのようなリアルな世代だと思っています。そういう意味で、僕らにとっても刺激になったし、いろいろな可能性を感じました」とコメント。各キャラクターに対しては「すぐにでも商品化できそうなデザイン性の高さ」「今の世の中の状況を的確に捉えている」などと称賛した。
SCPのIPマーケティング本部クリエイティブマネジメント部次長の横関悦⼦さんは、選考のポイントについて「何日経っても忘れない、『おもしろかったな』と振り返ってすぐに思い浮かぶかどうかを大事にした」と話し、「好きで作っただけではなく、人からどう見えるか、どう展開すればいいのかという分析も含めて生み出された、非常に秀逸なキャラクターたちだと思います」とコメント。
SCP執行役員の河森澄子さんは「大人になると頭が固くなってきますが、みなさん“やわらか脳”をお持ちで、とにかく発想が新鮮。それぞれが持つ個性を存分に発揮していただき、私たちにとっても非常によい刺激になりました。その“やわらか脳”をこれからもキープして、ご自身が楽しみながらいろいろなものを生み出し、世の中を笑顔にするようなお仕事をしていただければと思います」とエールを送った。
質疑応答では「長く愛されるキャラクター」「ヒットするキャラクター」について問われ、学生らが考えを巡らせる場面もあった。
女子美術大学3年の山下紫織さんは「TikTokでバズっているもののように、単発的に終わってしまってはダメだと思っていて、作っているなかで、その子がいろいろなメディアで登場するイメージができるものが、飽きられないキャラクターなのでは」とコメント。同じく女子美術大学3年の関口綾さんは「中毒性というか、一度見たときに忘れ去られるのではなく、頭の片隅に残るような意外性のあるキャラクターにしたいと考えています」と話す。
SCPのIPマーケティング本部クリエイティブマネジメント部マネージャーの朝倉精吾さんは「実際に何がヒットするのかは、わからないというのが正直なところ。意外なものが売れることもあり、それがおもしろい部分でもあります。みなさんの作品を見せていただき、魅力的でおもしろい作品がたくさんありました。これだけ世の中にキャラクターが溢れ、もう新しいアイデアは出てこないのではないかと思うこともあるが、今回の取り組みを通して、アイデアはこれからもまだまだ出てくるのだと感じられたのが、一番の財産でした」とコメント。
また、「生徒のみなさんに、クリエイティブで一番大事にしてほしいことは?」という質問に、女子美術大学・准教授の保高一仁さんは、「何かわからないけど自分を突き動かす衝動がそれぞれにあって、それを自分で認めていくという姿勢が大切だと思います。美術も大事ですが、美術を通じて、どう生きるか、どう人生を歩んでいくのかも大事」と話した。
“キャラクターのプロ”による真剣な評価と、真摯なメッセージ。前途有望な“若きクリエイター”にとっては、記念の盾だけでなく、記憶に残る貴重な取り組みになったはずだ。
各受賞者のコメント
各部門の受賞者と作品、コメントは次のとおり。
【マーケテイング賞】
太田佳菜子さん
「たこあし~ず」
自分が描きたいことと、Z世代の人たちに受け入れられるかということ、2つの折り合いをつけることが大変でした。プロの視点からいただいたアドバイスや、この授業で得た知識、経験を活かして、今後の制作活動も頑張っていきたいです。
呉婉綺(ご・えんき)さん
「Pika」
すばらしい賞をいただき、ありがとうございます。自分の国の言葉ではなく、日本語でストーリーを考える過程が大変でした。いろいろな商品案を考えて描くことは大変でしたが、よくできたと思います。
【クリエイティブ賞】
関口綾さん
「推し活頑張る!ももたさん」
Z世代に刺さるのは何だろう、どうすれば利益を生み出せるのだろうと考え、市場調査を重ねて、やっとこのキャラクターが生まれました。キャラクターが作りたくて大学に入り、実践的なことができて本当に貴重な経験でした。将来はキャラクター制作や、すでにあるキャラクターを発展させていくようなこと、また、絵画教室の先生をやっているので、子どもとアートに関わることを仕事にするのもいいかなと考えています。
山下紫織さん
「どこでもパンチョ」
普段からキャラクターを作っていますが、「自分が好きなもの」に主軸を置いているので、決められたテーマに即して作ることが難しかったです。また、Z世代といっても幅が広く、調べることも大変でした。キャラクターを作るうえでは、そのキャラクターを愛せることが大事だなと思っていて、「パンチョ」を作っていてすごく楽しかったです。キャラクターが大好きなので、将来はキャラクターデザイン、商品企画やデザイン室に入れたらいいなと思っています。
【ネクストブレイク賞】
紙野ゆうさん
「ポップコーン太郎」
ターゲットを決めてライセンスビジネス化案まで考えるというのは初めての経験でした。楽しい授業で、賞までいただくことができ、とてもいい経験になりました。頭をやわらかく、いろいろなことができる人になれたらいいなと思います。
椿結花さん
「いきをころせ」
Z世代のなかでもいろいろと区分があると思うので、どこを狙えばブレイクするのかを考えるのが難しかったです。目的を持ったキャラクターを生むということを、初めてイチからできたので、とてもいい経験になりました。
撮影=藤巻祐介
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