健康志向の人たちの間で話題!!菌ケアで人からペットまで健康に!“菌の専門家”が率いるKINSの挑戦とは?

東京ウォーカー(全国版)

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腸内フローラが注目され、今では世間に菌のチカラが浸透してきたが、5、6年ほど前は一般的に菌といえば“バイ菌”というイメージがまだまだ根強かった。そんななか、「菌と生きる」というライフスタイルを提案するブランド『KINS』を起業。“菌の状態を適切に保つこと”をテーマに、マイクロバイオームと呼ばれる菌の力に着目した製品やサービスを展開する『KINS』。熱心に菌の研究に情熱を傾けた結果、“菌の変態”と呼ばれた『KINS』代表の下川穣さんに、菌ケアの重要性や、常に挑戦し続けるリーダーとしての仕事観と未来への展望などについて話を聞いた。

株式会社KINS代表の下川穣さん【撮影=阿部昌也】


マイクロバイオームを活用した菌ケアで、人からペットまで健康にするKINSの魅力

ーーまずは下川さんのキャリアについて教えてください。
【下川穣】まず、歯科医が私のキャリアのスタートでした。そして、30歳のときに医療法人の理事長に就任したことで、分子生物学の最高峰の研究所の方々と共同研究する機会に恵まれました。マイクロバイオームについては、もともとそこまで深くは知らなかったんです。ただ、たまたま勤務していた医療法人のクリニックに皮膚科や婦人科、消化器科などがあり、慢性疾患の患者さんが診察に訪れる環境で、そこはマイクロバイオームと非常に相性がいい環境でしたし、ほかの科の先生たちにいろいろ教えていただけたので、次第にマイクロバイオームの可能性にハマっていきました。知れば知るほど、マイクロバイオームが患者さんの慢性疾患を改善する様を目にし、とても感銘を受けたんです。

【下川穣】理事長としての4年間の経験で医療経営についても学ぶことができ、結果も出せたタイミングだったので、クリニックをこのまま大きくするよりも、マイクロバイオームの可能性に懸けてみることにしたんです。マイクロバイオームがもたらす価値をみなさんに届けたい、そう考え、後任の理事長が着任したタイミングで起業しました。

ーーマイクロバイオームとは具体的にはどのようなものなのでしょうか?
【下川穣】マイクロバイオームとは、人の体に共生する約1000種類、約100兆個から1000兆個と言われる微生物(細菌・真菌・ウイルスなど)の総体のことなんです。菌って目に見えないので、これまで菌ケアの力を知らないうちに妨げていたこともあったのですが、2010年代からテクノロジーの進化によって、次々とそのチカラが解明されてきました。

【下川穣】みなさんに意識しておいていただきたいのは、1000兆個もの菌という仲間と常に一緒にいて、共に生きているということです。菌のことをきちんと思いやってあげることで、それが自分に返ってくる、そう考えておいてください。そのためには、菌を擬人化して捉えていただくのが一番いいと思います。例えば社会生活で、チームを束ねるときに誰かが自分勝手なことをやっていたら組織はまとまらないですよね。それと一緒で、この無数の菌を蔑ろにしてしまうと、残念ながら、自分が思い描いている健康状態、美容状態にはなれないんです。目に見えないパートナーのような存在ですね。

ーー続いてKINSについても教えてください。
【下川穣】KINSの“KIN”は、常在菌の“菌”のことです。先ほどお話ししたように、人の身体には、約1000兆個の菌がいまして、人の肌にもいるんです。頭皮にも口の中にもいますし、犬や猫にだっているんです。一番最近では、乳酸菌飲料が流行しましたが、そういう観点の腸内フローラだけではなく、KINSでは全身の“常在菌”をケアしていきます。常在菌は、慢性症状や慢性疾患に関係しているということがわかっているので、これをケアするということがコンセプトとなっています。

【写真】「人の身体にいる1000兆個の常在菌を上手にコントロールできれば、人間が本来持ち合わせている素晴らしい力を整えられます」という下川さん【撮影=阿部昌也】


ーーKINSを立ち上げるにいたった背景についても教えていただけますか?
【下川穣】マイクロバイオームに懸けようと考えたとき、「わざわざクリニックを辞めてまで…」という思いもありました。収入は安定していたので葛藤はありました。ただ、とにかく常在菌が関与できるすべてのことをやりたいと考えていたので、腸内フローラだけでなく、肌などあらゆる部位をやりたい。薬もやりたいしクリニックもやりたい、健康食品、化粧品も…すべてをやっていきたいという想いで立ち上げました。

【下川穣】KINSを立ち上げる際、デザインファーム『Takram』さんにデザインやコンセプトの整理をお手伝いいただいたのですが、彼らから、ブランドの魅力をユーザーさんへダイレクトに届ける手法を教えてもらったんです。海外も含めたさまざまなブランドの事例を参考にして、KINSで「ユーザーさんを巻き込みながら検査&研究ができたら、やりたかったことが全部できる」とピンときたんです。ユーザーさんに製品を提供しつつ、検査データというフィードバックをもらいながら、互いに質を上げていくという手法を取りました。検体をいただきながらソリューションを提供する感じです。5年、10年、15年と、しっかり継続的に研究できるプランを想い描いて起業しました。

ーー“菌の変態”とプロフィールにありますが、なぜそう呼ばれるようになったのですか?
【下川穣】最初から“菌の変態”になろうとしていたわけじゃないんですよ(笑)。コロナでリアルの場がなくなって、SNSのライブを活用するようになり、質問を受けてすぐ答えられるようにした結果ですね。SNSでライブ配信する際などは、質問を受けてから調べる時間はないじゃないですか。だから、常に想定される範囲の倍くらいの知識を頭に入れるようにしていました。すると、あるライブ配信中にユーザーの方から「本当に変態ですね」と言われることがあって…そこで“菌の変態”と名づけられたんです。めちゃくちゃ反応がよくて、これはおもしろいと思ったので、次のライブから“菌の変態”になりました(笑)。真摯にちゃんとやろうとした結果、“菌の変態”にならざるを得なかったという感じですね。

ーーKINS BOXは、「サプリ」「検査」「コンシェルジュ」という組み合わせですが、なぜ、この3点がセットになったのですか?
【下川穣】腸内フローラが注目されて、今では菌のチカラが浸透してきましたが、5、6年ほど前は一般的に菌といえば“バイ菌”というイメージがまだまだ強かったんですよね。そこで、そのイメージを払拭しようと思い、皮膚細菌の検査キットを手がけているチームに協力をお願いしました。彼らのソリューションにブランドを掛け合わせればデータがとれるだけでなく、美肌菌などいい菌が“見える化”でき、すごくおもしろいと思ったんです。ただ商品を販売するというよりも、定期的にユーザーさんに寄り添うことが大切だと考えていました。買って終わりだと広がりがない。

スキンテストおよびコンシェルジュサポートに加え、1カ月分のサプリメントが届く『KINS BOX(6578円/1カ月)』【画像提供=KINS】

ーー菌と健康との関係は腸活からイメージしやすいですが、美と菌の関係性は意外でした。その観点での効果について少し教えてください。
【下川穣】美という観点で一番わかりやすいのは、やはり抗酸化力です。腸内環境を整えることによる、一番大きなメリットはアンチエイジングなので、抗酸化力が関係します。ひとえに「美」といっても、シミやシワなど美を捉えるポイントはさまざまですが、潤いや若々しさという観点の美については、腸内環境がダイレクトに関係してきます。

ーーなるほど。
【下川穣】化粧品って冷静に考えると、動物学的には必要ないんですよ。もともと肌は、化粧品を塗らなくても保てるようにつくられているので。神様って天才ですよね(笑)。つまり、美を維持していく設計ができているんです。肌って、汗をかくと、その汗を食べた菌が大切なものを代謝して、その代謝物が肌に影響して酸化していくことを抑えているんです。それをさまざまな外的要因が邪魔しているので、どう本来の状態に戻すか?というのが私たちの観点ですし、満足いく状態を菌のチカラで維持するのが菌ケアだと思うんです。

ーーKINSのブランドサービスとして、特に大事にしてる点、こだわりについて教えてください。
【下川穣】直接ユーザーさんとコミュニケーションをとることでしょうか。先日も発表会の会場にユーザーの方を招待して、直接、商品の説明をさせていただいたり、オフ会としてユーザーさん同士やKINSのメンバーとコミュニケーションをとれる場を設けました。ユーザーさんとコミュニケーションをとる理由は、直接触れ合うことでユーザーさんが抱える課題を知り、検体を集めることに協力してもらい研究を進め、わからないことを明らかにして商品開発に反映させるためです。こうしたコミュニケーションを繰り返すことで、より優れた商品をユーザーの方に提供できるようになるんです。

2023年4月に開催された新製品発表会では、ラボの研究員やその他のメンバーとユーザーが交流できる貴重な機会となった【画像提供=KINS】


ーーユーザーさんとの関係、互いに協力することでよりよい効果が還元される。ユーザーさんとすごくいい関係性ができているわけですね。
【下川穣】そうです。残念ながら1カ月後とかではなく、年単位のスパンにはなりますが、参加いただいている方には、そこを理解していただいたうえでご協力いただいているという、この上なくありがたい状態です。

ーー菌への想いについて、言葉で表現していただくと?
【下川穣】20世紀の医療の革命は「抗生物質」だと思っています。抗生物質のおかげで、死んでいたはずの人が死ななくて済むようになったんです。耐性の問題は昨今の課題にもなっていますが、それを差し引いても、最大の革命だと私は確信しています。死ななくて済むことがイノベーションとなり、平均寿命がおのずと延びました。そして、21世紀では、“長生きすること”から“いかに健康で長生きするか”へ、フェーズが一歩先に進んだんです。菌のチカラで満足いく状態を維持することに関して、抗生物質の次の医療革命になるのがマイクロバイオームだと私は信じています。

ーーKINSが目指していく社会像、理想像はありますか?
【下川穣】我々のミッションは、菌ケアを歯磨きと同じくらい日常の行動にすることだと考えています。今、腸活はライフスタイルとして定着してきていると感じますが、あれって“わざわざ腸活している”気がするんですよね。菌ケアはそうではなく、するのが“普通”なんです。クリニックもそう。“菌で菌を制す”のが当たり前に、と考えています。美容の分野では、ビタミンCやレチノールがだいぶ浸透してきていますが、美肌菌と言われても「何それ?」って、まだ当たり前の感覚はないですよね。第一想起には程遠いので、将来的にそのレベルに達するようにしたいです。納豆を腸活と思って食べている人ばかりではないと思いますが、なんとなく「納豆=健康」って結びつくので、とても理想的な存在だと思うんです。そうやって、菌ケアがいいイメージで、自然と全身ケアに結びつくようなライフスタイルをつくるのが我々の目標ですね。

菌ケアが自然になるライフスタイルを作るのがKINSの目標【撮影=阿部昌也】


ーー目標に向けて、今後取り組んでいきたい課題や今後予定している取り組みはありますか?
【下川穣】大きく分けて2つあります。まず1つ目は、やっぱり創薬です。医療機関の患者さんをピラミッドで表現すると、一番下の層がクリニックに行かなくても治療できる人。もしくは行く必要があるけれど行けていない方々。真ん中の層はクリニックに行けばある程度、改善できる方々。そして最上段の層にクリニックでもなかなかうまくケアできない難病を抱えている方々という、3層に分けることができます。そのうちの上2つの層に注力して、今やっている創薬事業とクリニック事業につなげていきたいです。2023年8月にシンガポールでオープンさせた尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に特化したクリニックと2022年、東京・二子玉川にオープンさせた動物病院には、特に力を入れていきたいと考えています。

シンガポール尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に特化したクリニックをオープン【画像提供=KINS】

シンガポール尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に特化したクリニックをオープン【画像提供=KINS】

シンガポール尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に特化したクリニックをオープン【画像提供=KINS】

写真右から、Henry Loh 医師(皮膚科認定医/ メディカル・アドバイザー)とLINYI ZHANG 医師(メディカル・ダイレクター兼コンサルタント)【画像提供=KINS】


【下川穣】そして2つ目は、マイクロバイオームに関するプラットフォーム事業をやりたいと考えています。薬を開発するために、独自の菌株がすごく重要です。ただ、その菌株のなかには、さまざまな事情で薬にできないものも出てきます。その菌株は薬としては使えなかったけど、でも実は、さまざまな商品に形を変えることができるんです。それを自社だけで商品化するのではなく、多くの企業さんに我々の菌株の原料を使っていただき、BtoBtoC(※2)のマイクロバイオームプラットフォームのような形を構築していきたいと考えています。そうすることでKINSという名前は出ませんが、より多くの方々へマイクロバイオームを届けることができるようになります。

【下川穣】これが、大きな柱の2つになります。もちろん今までやってきたことも継続して伸ばし続けますよ。どちらかが伸びれば、一方も伸びるという相互関係が築けるはずなんです。今までやってきたことを積み重ねて、伸ばしていくのが今後の取り組みとなります。
(※2)Business to Business to Consumerの略。企業が消費者に製品やサービスを提供する間に、別の事業者を介するビジネスモデル

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