2024年に会員数120万人を突破!日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita」がエンジニアに愛され、成長し続ける理由とは?

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エンジニアなら一度は目にしたことはあるであろう、日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita」。2011年9月にサービスが開始されて右肩上がりの成長を続け、2023年7月に会員数100万人を達成。2024年3月時点では120万人を超える会員数を誇っている。
 
Qiitaは、エンジニアに関する知識を記録・共有するためのサービス。Qiita上で発信や評価などの活動をすればするほど自分に合った記事が届き、ほかのエンジニアや企業とつながれるのが、日本中のエンジニアに愛されている理由だ。
 
今回は「エンジニアを最高に幸せにする。」を掲げてサービスを運営するQiita株式会社(株式会社エイチームのグループ会社)代表取締役社長の柴田健介さんに、Qiitaの誕生秘話やエンジニアたちに支持される理由、会員数120万人を突破するほどに大きなサービスとなったワケなどについてインタビューを行った。

Qiita株式会社 代表取締役社長の柴田健介さんと、マスコットキャラクターのQiitan(きーたん)【撮影=福井求】

 

日本中のエンジニアが集う「Qiita」とは?

――はじめに、Qiitaの概要について教えてください。
【柴田健介】Qiitaとは、エンジニアの方々が学んだ知見や勉強したスキルなどを記事として投稿していくという、いわゆるCGM(Consumer Generated Media)と呼ばれる一般ユーザーが参加してコンテンツができていくメディアのひとつです。ほかのメディアと大きく異なるのは、ユーザーがほぼ100%エンジニアという点ですね。
 
【柴田健介】エンジニアの世界って、オープンソース文化が根づいているんです。自分たちの知見や学習した知識などをオープンにして、みんなでよくしていこうという風潮があるのですが、それに近い形をメディアとして実現できているのが大きな特徴になりますね。たとえば、記事にコメントしたり「いいね」したり、記事に間違いがある場合には、編集リクエストを通じて訂正を求めることができるといった感じですね。
 
――次に、Qiitaをローンチすることとなった経緯についてお聞かせください。
【柴田健介】私自身はQiita株式会社の2代目の代表取締役社長で、前任の海野弘成が創業者で、彼が大学生だった2010年~2011年ごろ、プログラミングを勉強しているときにわからないことがたくさんあり、その疑問を誰に聞けばいいのかわからないという状況がありました。当時はインターネットも今ほど発展しておらず、調べても欲しい情報がいろいろなサイトに散らばっていて困っていたそうです。
 
【柴田健介】そんな折、海野は「日本全国のプログラマーたちの知見や知識が集まっている場所があれば、すごく有益なのでは?」と思いつき、2011年の秋ごろにサービスを立ち上げたのが始まりですね。現在のQiitaは記事投稿がメインですが、創業当初はYahoo!知恵袋のようなQ&A形式だったんです。サービス名も「Q&AだからQから始まってAで終わる名前にしよう」となって「Qiita」と名づけられたと聞いています。

Qiitaロゴ。緑を基調にしたカラーが印象的だ【提供=Qiita】

 
――だから「Qiita」という名前なんですね。
【柴田健介】そうなんです。ですが、サービスを開始した当初はあまりうまくいかなかったそうです。思ったよりユーザーが集まらなかったのが原因ですね。そこでいろいろと考えて、Q&A形式ではなく記事を投稿するサービスに切り替えてユーザーを集めることに成功しました。そこから5~6年をかけて順調に利用者数を増やしていきました。2017年12月には、M&Aによりエイチームグループ入りをしました。
 
【柴田健介】M&Aという判断に至った理由としては、ビジネスとしてスケールさせていくのが難しかったからでした。Qiitaはエンジニアに特化したサービスなので組織的にエンジニアはたくさん集まってくるのですが、営業やマーケティングなど、ビジネスサイドのメンバーが集まりにくかったという問題もありました。そのため、ビジネスに向けた動きがしづらいという課題を抱えていました。
 
【柴田健介】そこで、「さまざまなビジネスを展開している会社と一緒になったほうがQiitaにとって有益なのでは?」という考えにいたり、将来的なキャッシュフローの安定化やビジネスの幅の拡大、事業の多様化による社員の選択肢の増加などを狙い、M&Aを検討することになりました。そして、2017年12月に、スマホゲームや、比較サイト・ECサイトなどを手がける株式会社エイチーム(以下、エイチーム)にジョインしました。

Qiitaホームページ。トレンドにはエンジニアが執筆した最新記事が並ぶ【提供=Qiita】

 

M&A後、さらに強みを増したQiita

――M&Aを実施して、サービスにどのような変化が起こりましたか?
【柴田健介】当時のQiitaはエンジニアが大多数でビジネスサイドのメンバーが数名という状況だったのですが、エイチームはグループ全体でたくさんのメンバーがいてさまざまなビジネスをしていたので、収益モデルを改善したり新しいビジネスを立ち上げたりということができるようになりました。
 
【柴田健介】また、Qiitaは集客のための広告を出さずに拡大をすることに成功しているのですが、2011年にリリースしてから順調に伸びているのはやはり先行者メリットが大きかったと思います。当時の日本にはQiitaのようなサービスはなかったので、初めてエンジニアのみんなに認知され、いち早くユーザーを確保できたことが成長の要因だと思いますね。

2024年には会員数120万人、記事数92万件を突破。現在もその勢いを伸ばしている【提供=Qiita】

 
【柴田健介】現在、投稿記事が92万件ほどたまっています。自分たちがメディアを運営しているだけでは到底達成できないほどの記事がコミュニティにストックされているので、エンジニアが何かしらの困りごとがあって検索をかけたとき、ほぼ何かしらのQiitaの記事が引っかかるんですよ。ですので、検索を起点にQiitaを知ってもらって、使い始めてもらうというサイクルができていることも、ユーザー数を伸ばすことのできた要因のひとつですね。

ユーザー属性は20〜30代が一番のボリュームゾーンとなっている【提供=Qiita】

 
――ユーザーのみなさんの投稿した記事がユーザーを呼び込んでいるんですね。
【柴田健介】そういうことになりますね。最初は誰もが初心者からのスタートなので、検索して調べてほかの人の知見をインプットすることから始めると思うのですが、Qiitaの利用を通していつの日にかアウトプット側に回る人も多いですね。技術は毎日進化するのでエンジニアが勉強することってすごく多いのですが、知識の定着のために整理して文章化することはすごく役立つんです。
 
【柴田健介】知識をインプットしていた人がアウトプットする側に切り変わるのも、Qiitaのメリットだと思います。また、記事投稿がキャリアアップにつながることも大きいと思っていて。技術に詳しいエンジニアの記事を見て、ヘッドハンティングの声がかかったり書籍出版の話がきたり、イベントのゲスト講師として登壇したりなどにつながることも多いですね。

Webアプリケーションエンジニアが33%と最も多くなっている【提供=Qiita】


――エンジニア探しにはもってこいの場所になっているのはすごいことですね。
【柴田健介】そうなんです。また、ここ3年くらいエンジニアの需要が非常に高まっていて、転職市場でも職種の中で求人倍率が非常に高いんです。エンジニアが会社を選ぶ際、会社のネームバリューや給料、福利厚生を見るのはもちろんですが、それ以外に就職先の会社が技術をどういうふうに扱っているか、その会社ではどんなエンジニアが活躍しているかを確認することが決め手のひとつになります。
 
【柴田健介】求職者は、“その会社のエンジニアがどういう発信をしているか”をすごく大事にしているんです。だからこそ、会社側としては日頃からアウトプットをして、エンジニアが確認できる状態を作らないといけなくなっています。そのような際にQiitaをプラットフォームとして使用して効率的に情報発信をしていただき、エンジニアと接点を作れるのも、弊社サービスのできることのひとつですね。
 
――企業とエンジニアのマッチングができるのは非常に効率的ですね。
【柴田健介】さまざまな使い方がありますね。また、エンジニアの人気の就職先ではGoogleやYahooといったソフトウエアの会社が上位を占めているのですが、AIの技術の進歩によって、ハードウエアの企業からの需要が非常に高まっています。
 
【柴田健介】ソフトウエアエンジニアとかプログラマーは、基本的にものづくり系のハードウエアをメインにしている会社に就職するイメージがないと思いますが、例えば自動車の自動運転をはじめ、ハードウエアとソフトウエアの融合が今後の技術革新の課題になっています。だからこそ、日本のメーカー系の大企業がこぞってエンジニアを欲している状況ですので、弊社ではそのような企業さんの広告を出したり、イベントを開催して採用サイトへの流入を図ったりと、さまざまな取り組みを行っています。

およそ90%のユーザーが検索からの流入となっている【提供=Qiita】

 

Qiitaのマネタイズと、今後の展望とは?

――現在、Qiitaはどのような形でマネタイズをされているのでしょうか?
【柴田健介】現在は、「Qiita」、「Qiita Team」の2つのサービスを展開しています。中心となっているQiitaのマネタイズは広告事業がメインでして、会員数120万人、月間UU数(ユニークユーザー数)が650万人、月間PV数が4500万という規模になっています。エンジニアがユーザーのほぼ100%というメディアなので、エンジニア向けの広告を出すには非常に効率的です。
 
【柴田健介】基本的には、Qiitaは広告収益と、企業さんとのタイアップイベントを共催してコミュニティから集客するという形がマネタイズの基盤になります。また、Qiita Teamというプロダクトでは、企業さんに導入をしていただいて月額が1アカウントいくらといったサブスクリプション形式で運営していますので、そこでの定額の収益が得られるようになっています。

「Qiita Team」は議事録や日報などを記事化することができ、社内で共有できる【提供=Qiita】

 
――Qiita Teamとはどのようなサービスなのでしょうか?
【柴田健介】Qiita Teamとは、誰でも「かんたん」に読みやすい記事が書ける社内向け情報共有サービスです。グループごとに記事を紐づけて、記事をまとめて管理でき、新着順に並ぶ記事で最新情報をキャッチアップできます。共有リンク機能で社外にも共有可能なのも特徴ですね。いわば、Qiitaの社内版というイメージです。
 
【柴田健介】近年ではChatworkやSlackなど、さまざまな社内SNSが使用されていますが、これらのサービスはフロー型であるのに対し、Qiita Teamは「情報を記事化してストックできる」点が強みになります。たとえば、会議の議事録を記事にして、それを社内で共有するという使い方もできます。いろいろな記事を書き溜めることで、社内での情報の共有化を目指すことができるんです。
 
【柴田健介】現在、エイチームグループ全体で社員が1000人弱くらいいますが、Qiita Teamで全社員の業務日報を確認できたり、Qiitaと同じようにスタンプ機能や編集リクエスト機能などもありますので、記事の内容を評価したり間違った情報が入っていたら訂正したりもできます。情報の蓄積だけでなく、社内コミュニケーションも図れるのが大きな特徴です。
 
――会社の知見や知識を蓄積できるのはすごく便利ですね。
【柴田健介】そうですね。登録実績8500チーム以上のサービスで、さまざまな企業さんにご好評いただいています。社内情報やノウハウのストックにお困りの方は、ぜひご検討ください!
 
――今後、Qiitaを運営していくうえでの目標や取り組みたいことなどを教えてください。
【柴田健介】現在、Qiitaは約120万人もの会員がいます。これほど多くのエンジニアが集まっているプラットフォームは日本ではQiitaだけなので、世の中にとって非常に価値があると感じています。ですので、これからもこの状態を維持していくことはもちろん、今後は記事を投稿したりコミュニティに参加したりしているエンジニアの方が、キャリアをはじめとしてよりよい人生を送れるようなきっかけを作っていくことを目標にしています。
 
【柴田健介】また、ITエンジニアやソフトウエアエンジニアをはじめとしたエンジニアの業界って意外とクローズだと感じています。特に、先ほど話していたハードウエア系の日系企業との隔たりが大きく、それが非常にもったいないなと思っていて。IT以外の企業でもエンジニアの需要は非常に上がってきているので、日本一エンジニアの集まる場所というメリットを有効活用していくようにより取り組んでいきたいです。同時に企業さんの魅力を伝えていき、企業とエンジニアがつながれる機会をもっと増やし、「エンジニアを最高に幸せにする。」を叶えていきたいです。

「これからもQiitaをお願いします!」と柴田さん【撮影=福井求】

 
――最後になりますが、Qiitaの今後の野望をお聞かせいただけますでしょうか。
【柴田健介】私自身が「こうしていきたい!」という野望はあまりなくて。というのも、Qiitaというコミュニティ自体が私たちの会社や自分たちのものだという感覚ではなく、もはやコミュニティ全体の共有資産というか、パブリックなものだという意識を持っているんですね。ですので、今後もエンジニアのみなさまにとって価値あるものであり続けられるよう、その時代に応じて何をしていけばいいかを考え続けていくことが私の責任であり、野望になります。
 
【柴田健介】エンジニアのみなさまが快適にサービスやプロダクトを作ることができるような状態を作り、下支えをしていくこと。これこそがサービスの本質だと考えています。ですので、これからもQiitaの価値を守り続け、エンジニアの仕事やキャリア、そして人生に貢献していきたいですね!
 
この記事のひときわ #やくにたつ
・コミュニティ創生は業界の価値を底上げする
・知識をためることで業界活性化の土台となる
・需要と供給のバランスを作るサービスが成功の秘訣     

取材・文=福井求(にげば企画)

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