わざわざ訪れたい名店ぞろい!福岡郊外エリアのコーヒーショップ4選
九州ウォーカー
”コーヒーの街・福岡”には素敵なコーヒーショップがたくさん。世界からも注目を浴びる名店から豆屋まで、バラエティに富んだ店をめぐってコーヒーライフを充実させよう。今回は、福岡の郊外にあるおすすめカフェ&豆屋をご紹介!
挽きたての香りにこだわる“純”豆屋「珈琲Chiba」
福岡の感じのいいお店でおいしいコーヒーを飲んだ時、「どこの豆ですか?」と尋ねると「二日市にある豆屋さんで…」と説明されることがよくある。それが2006年に開業した「珈琲チバ」だ。

いま、世のコーヒー店は豆の状態で買い、自宅で挽くことのおいしさを訴えている。とはいえ、客の利便性も考えて粉にした状態でも販売する店が大半だ。でも、チバはかたくなに豆のまま販売することにこだわっている。
「豆を粉にする時のいい香りをどうしてもお客さんに楽しんでほしくて、開店2年目には粉にして売ることをやめました。それと手で丁寧に選別した豆の美しさも眺めてほしいんですよね」と千葉孝範さん。その言葉どおり同店の豆は欠点豆を取り除いているだけでなく、大きさや形もそろえてあり、ぴかぴかと美しい玉のようだ。

通常、店にストックした生豆は約30種類。ブレンドのほか、月に2種類ほどシングルオリジンを選び店頭のラインナップに加えている。こまめに焼き新鮮な状態で渡すことがモットーで、予約さえしておけば200gから好きな豆を焼いてくれるのもうれしい。

店内を見回すと気になるのが風格のある古いミルたち。「プジョーやザッセンハウスのアンティークのミルも販売しています。なかには140年前のお宝も。好きな豆を選んで、趣のあるミルで挽く贅沢を家で楽しんでほしいですね」
「珈琲Chiba」福岡県筑紫野市二日市中央6-6-20 / 092-929-1333 / 10:00〜17:00 / 日曜休み / 席なし
時を忘れてもコーヒーのおいしさは変わらず「自家焙煎珈琲 萌香」
筑紫野ICへ向かう道から少し脇へ入った山と里の合間。「萌香」は、緑豊かな環境に建つ自家焙煎コーヒー店だ。

店主の帆足拓哉さんが喫茶を開いたのは2003年。最初は仕入れ豆を使っていたが、鮮度のいい豆を扱いたいと思い3年目に自家焙煎の道へ。焙煎機は当時、福岡で数台しかなかったプロバットを選んだ。「同機種を使っていると聞き、湯布院の『ボン・ボヤージュ』に飲みに行ったら見事に自分好みの味で。そのころは浅煎りできれいに焼けている豆は少なかったのですが、そこのはおいしかったんです」と帆足さんは語る。

わりと近くにある「豆香洞コーヒー」の後藤さんや「蘭館」の田原さんは年齢が近いこともあり、コーヒーグループ「コファック」でも刺激しあいながら学んだ仲。
現在は浅煎りから深煎りまで焼くが、焙煎方法は豆を投入してから出すまで火力を変えないというもの。「何かが突出した豆は味が落ちるのも早いんです。家飲みでも楽しめるようにしたいから、あえて派手なおいしさにしないようにしています」と帆足さんは説明する。また店の場所柄、わざわざ訪れる客が多いので、滞在時間も長い。今の焙煎方法だとコーヒーが冷めてしまってもいやな酸味が出ないというのも大きなメリットだという。

窓の外は一面の緑。野鳥もすぐ近くに姿を見せる。きれいな味わいのコーヒーを飲みながらゆっくりくつろぎたい。
「自家焙煎珈琲 萌香(モカ)」福岡県筑紫野市古賀906-1 / 092-929-3351 / 11:00〜19:00 / 火曜休み / 24席 / コーヒー1杯540円〜
世界唯一の焙煎機で喫茶の新境地を開く「珈琲蘭館」
良質な豆を見分ける時、焙煎で豆の個性をしっかりと引き出せているか確かめる時、その決め手となるのがカッピングの技術。そのカッピングの競技会で2度の日本一に輝くのが、「蘭館」の田原照淳さんだ。田原さんはカッピングのほかにもハンドドリップ大会で準優勝、コーヒーマイスター利き珈琲王で日本一と、その“戦績”は枚挙にいとまがない。

その田原さんが2018年の夏、大きな冒険に出た。それは店の心臓部ともいえる焙煎機を新しく導入すること。メーカーは以前、世界唯一のミルを特注で作ってくれた井上製作所。

「世にある焙煎機って、実は豆にどれだけの熱量をかけているか曖昧にしかわからないのです。普通はそれを勘で補うんですが、それがずっともどかしくて」。世界にここにしかないという新しい相棒は、豆にかける熱量もドラムの回転数もコントロールが自在。豆の表面だけ先に焦げることがなくなり、中まで均一に火が入るようになったという。
「釜の中で豆がふっくら膨らむから、その分、豆の中の成分も抽出されやすくなったと感じています。旨味をおおっていたヴェールがとれて、華やかなコーヒーになった印象ですね」と自信をのぞかせる。その一方で40年の歴史と共に愛された喫茶メニューも健在。特にエッグサンド(750円)がおすすめで、田原さんに聞くとぴったりの一杯をセレクトしてくれるだろう。

[珈琲蘭館(ランカン)]福岡県太宰府市五条1-15-10 / 092-925-7503 / 10:00〜18:00 / 無休 / 44席 / コーヒー1杯580円~
世界一のロースターで自分の好みを探す「豆香洞コーヒー」
2013年の世界大会で、“初代世界一の焙煎士”となった後藤直紀さん。世界一の称号を得たあともそれに満足することなく、抽出を競うジャパンブリュワーズカップやカッピングの大会に挑戦。手廻し焙煎機からもローストのヒントを得たりと進化を続けている。

「豆香洞」の焙煎は2台体制。店舗入口に置く「マイスター」はシングルオリジンが中心、そして工房で後藤さんが扱う「ギーセン」ではブレンドと使い分けている。
「最初にギーセンを導入したときは豆が華やかになりすぎて、“豆香洞の味”を出すのに苦労しました。うちはレストランのような感動する味わいよりも、毎日飲んでも飲み疲れない"味噌汁"のような存在のコーヒーが目標なので。でもようやくブレンドも味わいがきれいになり、飲み口も落ち着いてきたと思います」と後藤さん。


焙煎やカッピングの技術に加え、“コーヒー理論”も整然としているのだろう。“焙煎日本一”に輝いた「コーヒーマン」の江口さんを輩出し、現在の岡部店長は日本3位に入賞するなど、新しい才能を生み出す店としても知られている。
今店頭に立つコーヒーマイスターなどコーヒーの魅力を伝える有資格者は4人。その1人が、コーヒーは淹れる温度で味が変わること、そして本店とリバレイン店では抽出の温度を変えていることを教えてくれた。2店を飲み比べてみるのもおもしろそうだ。
[豆香洞(トウカドウ)コーヒー]福岡県大野城市白木原3-3-1 / 092-502-5033 / 11:00〜19:00、喫茶は〜18:00(LO17:30) / 水曜・木曜は豆の販売のみ / 13席 / コーヒー1杯420円
九州ウォーカー編集部
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