祝・アカデミー賞受賞! 革新的映像に釘付けのアニメ版スパイダーマン!<連載/ウワサの映画 Vol.75>

東海ウォーカー

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見事、アカデミー賞・長編アニメーション賞を受賞しました! スパイダーマン初の劇場版アニメーション「スパイダーマン:スパイダーバース」。コミックへの原点回帰がアニメ界に新風を吹き込んだ意欲作です。クモに噛まれてスパイダーマンになっちゃった中坊と、次元を超えて集まった”スパイダーマン軍団”。彼らが住むコミックの中に入り込んだような映像体験が斬新! 導入のグラフィック&音楽にはじまり、クモの造形に至るまで全編がクールです。

ディズニー/ピクサー(過去6年連続受賞)以外の作品が、久々にアカデミー長編アニメーション賞を受賞! ほかにも、ゴールデン・グローブ賞など数々の賞を総ナメです


スパイダーマンことピーター・パーカーの突然の訃報により、悲しみに包まれるNY市民。その中の1人、13歳のマイルス・モラレスは、ピーターの後を継ぐ”新生スパイダーマン”です。時空を歪め、ピーターの死をもたらした闇社会の支配者・キングピン…。彼の野望を阻止するパワーもなく不安だらけのマイルスに前に現れたのは、死んだはずのピーターだった! 真のスパイダーマンになるため、ピーターを師とし、共に戦う決意をするマイルス。そんな2人の元に、時空が歪んだ際の衝撃により、異なる次元(=ユニバース)で活躍するスパイダーマンたちが集結します。スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、スパイダー・ハム、そしてペニー・パーカーと彼女が操るパワードスーツSP//dr。彼らは、キングピンの計画を阻止し、すべてのユニバースを元に戻すことができるのでしょうか!?

ブルックリンに住み、名門私立校に通う(ピーターみたいな優等生ではなさそう)マイルス。プエルトリコ人とアフリカ系アメリカ人のハーフという、多様性を象徴するキャラです


マーベル・コミックのマルチバースな世界観を元に、スパイダーマンたちの贅沢なクロスオーバーを描く本作。無限に連なってるのねぇ、”スパイダーバース”って。赤と黒のスーツ姿の主人公をはじめ、次世代のスーパーヒーローたちにワクワクです。通常のスパイダーパワーに加えて、マイルスがもつ「ヴェノム・ストライク」(触れるだけで電気のようなパワーを放つ)など、各キャラの独自パワーが炸裂するアクションは圧巻!

スパイダーマンっていったい何人いるんだろ...。今回は6人一気出しで、ちょっともったいない気も。個人的には主人公(左)とピーター(中央)だけでも満足できます


ヘイリー・スタインフェルドが声を務める、ドラマー少女なスパイダー・グウェン(写真)、ハードボイルド刑事風なスパイダーマン・ノワール(声:ニコラス・ケイジ)がお気に入りです


フレームの中をコマ割りしたり、吹き出しで文字を入れたり、コミックブックの魅力を押し出した映像世界はかなり革新的。CGアニメと手描きの手法を融合させ、3D映像級の最新鋭スタイルとレトロさを絶妙に同居させています。昨今の過剰にキレイなアニメにはない、大人こそが楽しめるザラついたダークな雰囲気がいい! 街並や雪の”光”が印象的な夜の描写と、スパイダーマンならではの浮遊感が特に素晴らしかったー。

本作では1フレームを完成させるために、通常のアニメ映画の4倍の時間がかけられています。丁寧さとラフさがごく自然にマッチした、新時代の映像表現に期待!


スーパーヒーロー映画では、個人的には「ダークナイト」に次ぐ第2位です、本作。ヒーローものはアニメの方がしっくりくる気さえしてきて、今後の実写鑑賞に支障が出そう(笑)


進むべき道に悩む少年の葛藤と成長、そして家族との関係を核としたストーリーも見応えアリ。スパイダーマン仲間との交流の中で、内なる英雄を目覚めさせていく主人公が等身大の共感を呼びます。ピーターとの師弟ドラマが激アツで、不精ヒゲ姿のテキトーなアラフォーのピーターが、マイルスを通じ、誰もが知るあの頃の初心を取り戻す過程は感無量~(同世代なんで)。

まったく別のユニバースから、マイルスの住む世界にやって来たピーター。私生活よりヒーロー活動を優先し、すっかりくたびれた中年に…。おなじみの赤×青のスーツで奮闘します!


昨年11月、マーベル・コミックの創設者、スタン・リーが95歳でこの世を去りましたね。実写作品では必ずカメオ出演してきたリーですが、本作でもアニメ版できっちり登場しますよ(「スパイダーマンに会ったことがある」ってセリフが泣ける)! エンディングを飾る彼の言葉に、マイルス同様に自分の中の”頼りないヒーロー”が勇気付けられ、感慨にふけるモードだったのに…。おまけシーンでスパイダーマン2099が笑わせてきたっ。【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「運び屋」(3月8日公開)のクリント・イーストウッド!

おおまえ

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