影山貴彦のテレビのホンネ。「ドラマ」×「バラエティ」、「第1話」の挑戦に拍手

関西ウォーカー

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『第1話』に大注目!


意外に保守的な関西のテレビ界において遊び心溢れる企画に挑んでいる!


日曜の深夜、ABCテレビが面白い企画に挑んでいる。「第1話」というタイトルを聞いただけで、思わず見たくなった。

さまざまなジャンルのドラマの「第1話」だけを制作し、それをあれこれと語り合う「ドラマ」×「トーク」バラエティ番組だ。メイン出演者は、今人気の芸人チョコレートプラネット(長田庄平・松尾 駿)。長田は和泉元彌の、松尾はIKKOのモノマネで大きくブレイクしたが、この番組での彼らの立ち位置は一味違う。長田は、いつか連続ドラマを作りたいと思っている地方局の編成局長、松尾は地方局の社員ながら、お天気キャスターも務める役柄を演じている。

ご存じの方も多いだろうが、少しテレビ業界話を。「編成」というセクションには、社内外から番組の企画が集まってくる。新番組の立ち上げや、番組の終了に関して決定権を持つ、いわばテレビ局の中枢部だ。特別番組を急きょ放送したり、各番組の予算を決めるのも編成の業務となる。

「第1話」でドラマパートの制作を担当しているのが、ヨーロッパ企画だ。番組でも、その名のまま登場する。京都を拠点に活躍する人気の劇団で1998年に結成された。映画化もされた「サマータイムマシン・ブルース」は代表作のひとつで、私自身大好きな劇団だ。

ヨーロッパ企画の諏訪 雅は、制作会社の発起人で豊富な監督作品を持つ役柄、石田剛太は、恋愛もののラジオドラマを200本書いている人間としてキャスティングされている。2人は、今話題のドラマ「チャンネルはそのまま!」(北海道テレビ)にも出演している。そして、NMB48の村瀬紗英や白間美瑠が、実名でスタジオに登場し、他のメンバーたちも含め、ドラマで多彩な役柄に挑戦している。

今、関西のテレビ界は、意外に?保守的な流れが主だ。遊び心溢れる番組をもっと見たい。

元毎日放送プロデューサーの影山教授


【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

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