レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展

フィレンツェのシニョリーア宮殿(現ヴェッキオ宮殿)には、イタリアを代表する巨匠、ダ・ヴィンチとミケランジェロの描いた壁画が並んでいたかもしれない、という有名なエピソードがある。ダ・ヴィンチとミケランジェロに、宮殿の大広間の壁画作成が依頼され、ダ・ヴィンチは《アンギリアーリの戦い》、ミケランジェロは《カッシナの戦い》を制作したものの、ともに未完に終わったというものだ。それぞれ原作は失われ、その計画の全貌はいまだ明らかにされていない。本展では、ダ・ヴィンチの壁画の中心部分を描いた油彩画作品《タヴォラ・ドーリア》と、ミケランジェロの壁画の原寸大下絵を模写した板絵《カッシナの戦い》という、いずれも本邦初公開となる16世紀の貴重な作品を展示し、500年の時を超えた、二大巨匠の競演を再現している。他にも《アンギリアーリの戦い》に関する作品・資料を集めている。