世界中の共感を呼び全米で3週連続1位! アジアパワー全開の絶品ロマコメ!<連載/ウワサの映画 Vol.52>

東海ウォーカー

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全員アジア系キャストの映画がまさかの3週連続1位を記録し大ヒット!っていうんで、アメリカではもはや”事件”扱いの「クレイジー・リッチ!」 。”バカみたいに金持ち”なセレブ界に放り込まれたフツー女子の、”愛”と”アイデンティティ”をかけたバトルが超爽快でした! 王道ロマコメとしての完成度の高さに加え、”ルーツ”を巡る普遍のテーマに世界が共感したわけですが、アジアン目線で観てみると感慨もひとしお。本能で誇りと幸せを感じ、原題の「Crazy Rich Asians」から取っ払われてしまった”Asians”が余計に愛しくなっちゃった(笑)。

シンガポール、マレーシア、中国、日本、韓国、アメリカ、イギリスなどルーツも多彩なアジア系俳優が集結。監督のジョン・M・チュウ(「G.I.ジョー バック2リベンジ」など)もアジア系!©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


主人公は、恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)の親友の結婚式に出席するため、一緒にニックの故郷・シンガポールへ行くことになった生粋のニューヨーカー・レイチェル(コンスタンス・ウー)。彼女は、初アジア旅行に胸を躍らせながらも、ニックが話を避けている気がする彼の家族に会うことに緊張していました。そして出発当日、空港でファーストクラスに案内され、なんとニックがアジア屈指の不動産王の御曹司だと発覚! 突然セレブの世界に足を踏み入れたレイチェルでしたが、 ニックの母・エレノア(ミシェル・ヨー)らには”金目当て”と思われ、元カノや社交界のセレブ女子からも嫉妬の嵐…。果たしてレイチェルは、“セレブ一族の壁”を乗り越え、本当の幸せをつかめるのでしょうか!?

世界の富裕層が暮らすシンガポールに、レイチェル(左から2番目)も大興奮! マリーナ・ベイ・サンズのインフィニティ・プールから人気のホーカー(屋台村)まで名所が続々登場!©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


初対面となるニックのママ(中央)に対し”いかにもアメリカ的”なハグをかますレイチェルに、即刻「嫁失格」の烙印が…。ママ役のミシェルは元ボンドガールでカンフーも操る…。怖っ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


月下美人が咲くからパーティ、男子は貨物船で、女子は身内所有の海外リゾートで、バチェラー&バチェロレッテ・パーティ。もちろん足は自家用ジェット...! 自分には無縁のゴージャスライフだけでも観る価値アリだわぁ。アジアン・マネー、恐るべし~。そして、NYに潜む社交界女子のスパイ(?)によって「彼女連れ帰省速報」が発信されるほどモテモテなニックがステキ~。圧倒的な財力を「食うには困らないよ」って説明する世間ズレも、”重大な決断”を前にやや気弱な感じも、イケメンで富豪だから許すしかない! …それにしても、速報がSNSによって瞬時に拡散される様子の可視化は斬新だったな。笑えないリアルさで(汗)。

金持ち同士の張り合いのカギは”オリジナリティ”。ってことで花嫁が水の中を歩いて登場…。”4000万ドル挙式”の主役は、「ラ・ラ・ランド」で注目された日本生まれのソノヤ・ミズノ!©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


ファーストクラス→ラッフルズ・ホテルという夢の旅程に浮かれる暇もなく、デカい魚の死骸をベッドに置かれたりと予期せぬ困難に立ち向かうハメになるレイチェル。彼女だって立派なニューヨーク大学教授なのに、あっち側の住民は途方もなく格上…。加えて、人種はどうあれ”アメリカ人である”というアウェイ感…。やがて切実になる「 ”自分のまま”で受け入れてほしい」という根源的な願いが、最愛の王子が待つ豪奢すぎる城に乗り込んだシンデレラを強く成長させていくのです。

自身の経験に基づいたケビン・クワンによるベストセラー小説が原作。「ヒロインは白人で!」というお決まりの要請(+高額ギャラ)を頑なに蹴ったケビンがアッパレです©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


そんなヒロインに立ちはだかるニックの高飛車なママ役は、大女優ミシェル・ヨー。威圧感の塊の憎まれ役ながらも、家族や従業員を守る覚悟がかっこよくて、見事に作品を引き締めてましたねぇ。”アメリカ娘=自分のことしか考えてない”はずのレイチェルが「あなたが幸せになれたら、私のおかげ!」とタンカを切る。そこに、「大切な人のために生きる」という自身が貫く伝統的価値観との共通点を見出すママ…。未来の嫁・姑となるのか…、終盤で顕著になる双方の賢さが胸を打ちますよー。

一族の”女帝”であるアー・マー(=中国語で祖母の意)は、孫のニックがお気に入りで、30年以上たっても嫁のエレノアを完全には認めてません。ニックのママも苦労してきたのね…©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


ほんとにね、ハリウッドのメジャースタジオが、監督もキャストもアジア系で固めるなんて奇蹟的なんですよね。この成功で「ホワイトウォッシング(=非白人の役柄に白人を配役すること)に歯止めがかかるかも...、人種による不当な賃金格差なんかも改善されるかも…」と業界はザワザワです。近年重視される多様性の意義を、万人が楽しめるエンタメとして軽快に描ききった本作。単なる”ロマコメの秀作”を超えて、ハリウッドの歴史を変えちゃうかも!?【東海ウォーカー】

主人公の友人役に扮する「オーシャンズ8」のオークワフィナ(左)、そのパパ役の「ハングオーバー!」のケン・チョンら、ヒロインのオアシスとなる成金一家の面々が笑わせます! ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT


【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「ハナレイ・ベイ」(10月19日公開)の村上虹郎!

おおまえ

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