87歳のおばあが握る「顔おにぎり」がインパクト強すぎ!蓋を開けてびっくりのアツアツ鍋にツッコミの嵐

東京ウォーカー(全国版)

おにぎりの具材で目や鼻をつけた“顔おにぎり”をはじめ、みそ汁に蕎麦を入れた“みそ汁蕎麦”や、わざわざ「揚げずにからあげ」を使って作った“揚げてしまったからあげ”など、87歳の「おばあ」が作るユニークな料理が大人気の「おばあめし」。

その魅力をさらに伝えようと、2021年からウォーカープラスで連載がスタート。今回はオリンピック閉会式を意識した“スポーツ系おにぎり”(⁉)や、伝家の宝刀“顔おにぎり”をはじめ、スタミナがみなぎるパワフル鍋などが登場!おばあの孫である大迫知信さんに、8月のメニューを振り返ってもらった。

前回の「おばあめし」はこちら


体力が少し落ちてきてちょっと心配やで、おばあ!

まだまだ暑い日が続いていた8月。おばあは夏バテと自粛疲れなどが重なり、食材の買い物を大迫さんにお願いしたり、食欲がなく昼食を食べていない日があったりなど、体力の衰えが目立つ日が増えてきたという。

大迫さんは「心配なので体力的に無理をさせないようにいろいろと気を遣っていますね。ただ、甘いお菓子や果物などを持っていくと喜んでくれてペロリと食べてしまうんで、まだまだ元気です(笑)」と笑う。

甘いモノを食べた時のおばあは超ご機嫌。その日だけは、体力の衰えは微塵も感じさせないそう


大迫さんのサポートで元気を取り戻しつつあるおばあ。8月はどのようなメニューを作ってくれたのか。まずは思わず笑ってしまう、おにぎりからご紹介!

兄弟かな?2日連続の“顔おにぎり”に歓喜!

最近は登場回数が少なかった“顔おにぎり”が、なんと2日連続でお目見え!8月27日と28日に登場した「ナスの漬物の顔おにぎり」だ。

8月の「顔おにぎり」は彫り深め!ナスの漬物で顔をかたどったおにぎり。センター分け風の髪の毛がチャームポイント

さっきの顔おにぎりの弟なのか、少しあどけなさを感じる


大迫さんは、「『顔おにぎりを作ってほしい』とリクエストしていたので、『おっ、やっと作ってくれた!』とうれしくなりましたね。しかもその感謝の気持ちを伝えると、次の日も作ってくれました」と話す。このおにぎりは同じ食材を使用しながら、若干ナスの配置が1日目と2日目で違うというアレンジが加えられている。なんとも、おばあらしい!

続いて紹介するのが、世間の空気を存分に取り入れた“社会派”とも言える「ナスと浅漬と梅干しおにぎり」。大迫さんによるとおばあにその意図があったか否かは不明だが、見た目はまるっきりサッカーボール。

日の丸弁当ならぬ、日の丸おにぎり!細かく刻んだナスの浅漬けがサッカーボールを思わせる


「実はこの日、オリンピックの閉会式の日だったんですよ。だから、おばあなりにスポーツの祭典が終わる物悲しさをサッカーボールという形で表現したのではないでしょうか。でもそれは考えすぎで、たまたまこうなっただけなのかも(笑)」

大迫さんとおばあの優しさによって生まれたのが、8月に何度か登場したお弁当シリーズ。

サバ缶でおにぎりを作ろうとしたところ、水分量が多すぎて失敗。急遽、お弁当として再生!


「おにぎりを作るのは体力がいると思うので、『無理して作らなくてもいいからね』と伝えるんですが、ちゃんと作ってくれるんです。でもどこか本調子じゃないのか、具材の汁気が多くて形が崩れてしまうことも…。それが、お弁当という形になっています」。2人が互いを思いやる気持ちが表現された愛情いっぱいのお弁当だ。

そして連日雨の日が続いていたある日、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれるような、清々しい「梅ごはん花柄おにぎり」が登場。ゴマふりかけをこれでもか!と言わんばかりにご飯の表面にまぶしたもので、見た目は何とも美しい。

口の中でプチプチと弾けるゴマの食感が気持ちよく、まるで“春うらら”のような気分でランチタイムを過ごせたとか


「ジメジメとした時期で気持ちも沈みがちだったのですが、このおにぎりを見ると表面に小さな花が咲いているんですよ。気持ちがパッと明るくなりましたね」。不思議なことにこのおにぎりが登場してから、大阪では青々とした空が広がる快晴の日が続いたとか。

孫のこと高校生と思ってへんか、おばあ!肉食系鍋が登場

暑さは食欲を奪うため、そんな時は冷たくてツルッとした喉越しがいい料理を食べたくなるもの。大迫さんもこの日、そんな思いでおばあ宅の食卓についたところ、目の前にはアツアツの鍋が鎮座していたという。

牛肉とタコさんウインナーがどっさり。ご飯を何杯でもおかわりしたくなるメニュー


「ちょうど、オリンピックのマラソンの時期でした。あの灼熱の中を走るマラソン選手に比べれば、冷房が効いた部屋で鍋を食べるなんて天国ですし、夏バテで体力が落ちていたので、身体を温める料理はちょうどいい…ですよね」。そしておばあが鍋の蓋をあけると、目の前に登場したのは大量の牛肉とタコさんウインナーがひしめきあう、鍋なのか煮物なのかを判別できない独創的な料理。

「親は子供が何歳になっても、子供のままだと思うと言うじゃないですか。多分、おばあも僕のことをずっと高校生だと勘違いしている可能性があります。心なしか野菜も入っていましたが、牛肉とタコさんウインナーが存分に入ってるんですから…。『これは体力がつくぞ』って思いましたね」

大迫さんも今ではもう、パッとお皿に盛り付けるのもお手の物。どれほどインパクトが強い料理に出合っても動じることも少なくなったとか


大迫さんいわく「料理コンテンストでは1位になれないかもしれない。だけど、他と比べることのできない突き抜けた味」だったこの鍋は、オンリーワンのおいしさだったそう。

もう鍋の蓋を開けても驚かへんで!いや…やっぱりアカンわ!

少し体力が落ちてきたことと比例して、どんどんシンプルになっていったおばあの晩ごはん。心配する大迫さんの気持ちをよそに、おばあは徐々にではなく、突如として遊び心を爆発させる。その成果が発揮されたのがこの日の晩ごはんだ。

おばあの才能が注ぎ込まれた独創鍋。さすがの大迫さんもこの鍋を見た時は、「まいった!」と思ったそう


「『もう鍋の蓋を開けても並大抵のことでは驚かない』。そういう耐性があるはずだったんですが、この日のメニューには度肝を抜かれました。鍋の中で、手羽元とイワシが1つになっていたんです」

醤油ベースの純和風のダシで長時間イワシを煮込んだことで、魚特有の臭みが飛び、骨も柔らかく、頭からバクバク食べられる。しかも手羽元とイワシがそれぞれの味を高め合い、うまく調和する絶品料理だったそう。「インパクト抜群の見た目とは裏腹に、味は最高でした。ご飯が止まらなかったですよ」と大迫さん。

ちなみにこの日のサラダは、レタスの上に半分にカットした生ピーマンを並べたもの。個性的な名脇役だ


9月は、期待せずにはいられない「敬老の日」に大注目。大迫さんが用意した甘い贈り物を前に、どのようなドラマが生まれるのか?乞うご期待!

取材・文=橋本未来

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