イタリア人義父が教えてくれたパスタの作り方。おいしくて簡単だとイラストレシピに10万超えのいいね!

東京ウォーカー(全国版)

パスタといえばイタリア料理の大定番。日本でもすっかり馴染みのある食べ物になり、明太子や納豆といった日本食材と合わせたパスタが好きだという人も多いだろう。しかし、本場イタリアの家庭ではどのように食べられているのだろうか?その様子がうかがえるイラストレシピがTwitterで大きな話題を呼んでいる。

ワダさんの義父・ジャンニさんは料理上手!ジャンニさんはお昼にパスタやリゾットを振る舞ってくれたが、具材はいつも旬の野菜1種類を使ったシンプルなものだったという画像提供=ワダシノブ


描いたのは、イラストレーター、漫画家として活躍するワダシノブさん(@shinoburun)。ワダさんはイタリア人の夫を持ち、現在イタリア北部の都市・トリノに住んでいる。イタリア生活についてイラストと文章で綴ったエッセイ「いいかげんなイタリア生活」を7月に刊行し、話題のイラストレシピも収録されている。ワダさんに、義父の作るパスタやイタリア生活について話を聞いた。

麺量以外はいいかげん。旬の野菜で気軽に試してみて

イタリア人夫と結婚し、イタリアに住むことになったワダさん。移住して数カ月、義実家で暮らしていたそうで、その時に義父のジャンニさんの手料理を楽しんでいたそう。「義父は料理が好きで、義母は掃除が好き。逆に義父は掃除が嫌いで、義母は料理が嫌いという見事な組み合わせの夫婦」とのことで、食事はジャンニさんが用意していた。

「私はパスタにあらゆる野菜を入れて作る癖があって、言うなればチャーハンのお米をパスタに置き換えた状態だったのですが、義父のパスタは、野菜は1種類だけ。それも旬のものを使っていました」

「ジャンニのパスタ」01画像提供=ワダシノブ

「ジャンニのパスタ」02画像提供=ワダシノブ

イラストレシピでは生トマトのパスタを紹介しているのだが、出てくる材料はトマト、1人当たり80グラムのパスタ、粗塩、オリーブオイルの4品と実にシンプル。トマトを多めのオリーブオイルで炒めて、放置。パスタを多めの塩で茹でて、トマトを炒めたフライパンに移して和えたらできあがりだ。

「よく、パスタのレシピで茹で汁を具材に混ぜてソースにするというものがありますが、義父はしていませんでした。義父は基本的にとても雑なんです。パスタをザルにあげたりせず、鍋からそのままフライパンに移すので、自然と茹で汁が入っていたんだと思います。麺が80グラムというのが唯一のルール。トマトを炒めて放置する時もクロスワードをしていますが、それも適当さの表れです。火は本当に弱火、なんだったら止めちゃってもいい、それくらいゆるく作っていました。でも本当においしかったですね」

「ジャンニのパスタ」03画像提供=ワダシノブ

「ジャンニのパスタ」04画像提供=ワダシノブ

麺の量が80グラムというくだりには、「少ない!」という反応がTwitterで多く見られた。しかし、これは「イタリアでは、基本的にパスタのあとにメインとなる肉か魚を食べるので80グラムがちょうどいい量なんです」とのことで、イタリアの食文化がうかがえる。

現在、義実家は別の都市にあるが、もともとはイタリア南部のナポリの出身。

「イタリア南部は特にそうなんですが、亭主関白みたいな、家事は全部奥さん任せ、みたいな男性も多いんです。バカンスで遠出する時も妻がアイロンを持参して、夫のワイシャツのアイロンがけをするみたいな話も聞いたことがあります。その点、義父は珍しいタイプでしたね。その影響を受けてか夫も自分で料理をするのでありがたいです」

これがワダさんの義父・ジャンニさんが作ったトマトだけのパスタ。おいしそう!画像提供=ワダシノブ

“ジャンニのパスタ”はTwitterで10.7万いいね(2022年9月現在)を記録。その感想をワダさんに尋ねると「こんなにバズったことがなくって、自分の作品を知ってもらえるうれしさはありましたが、反応の数も膨大で正直追いきれていないです。でも、義父のレシピで作ってみましたと写真付きで報告してくださる方もいて、うれしく思っています」と率直に語ってくれた。

残念ながらジャンニさんは今年の5月に亡くなってしまった。しかし、ジャンニさんのパスタレシピがこうして海を渡って日本で知られ、レシピが残っていくというのが何よりの手向けになるのかもしれない。

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