起業を考えている人必読。自分だけの経験で稼ぐ「エクマネ」の重要ポイント3点

東京ウォーカー(全国版)

個人での起業を成功に導くには、どんなことが重要になるだろうか。お話を聞いたのは、Web集客をメインとしたコンサルタントとして活躍している前田伊織さん。自分の経験をサービスにすることを提唱する前田さんが、3つのポイントを教えてくれた。

Web集客をメインとしたコンサルタントとして活躍している前田伊織さんにインタビュー【撮影=樋口涼】


「お金が欲しい」とは別の「究極のゴール」の設定する

起業を考えている人に対して、自分自身のエクスペリエンス(経験)をマネタイズ(収益化)する、「エクマネ」というものを私は推奨しています。経験を売るのは、自分だけの経験はオンリーワンであり、周囲に対して大きなアドバンテージを持っているからです。

「自分の経験にお金を払ってくれる人などいない」と思う人も多いのですが、それはただの思い込みに過ぎません。まわりから見れば、「おもしろい経験をしてきている」「あの特技を活かして稼げばいいのに」とあなたに対して思っているものです。あなたにとってはただの趣味でも、そのことについて「困っていることがある」「教えてほしい」と思っている人は、世の中にたくさんいるかもしれません。

では、自分の経験を収益化するにはどんなことが必要になるでしょうか。そのポイントはいくつもありますが、なかでも重要なものは以下の3点です。

【経験で稼ぐための3つのポイント】<br />①「究極のゴール」の設定<br />②リサーチ<br />③フォロー

ひとつ目が、「『究極のゴール』の設定」です。あなたは、起業することでどんなことをしたいですか?なんのために起業するのでしょうか?その答えが、あなたにとっての究極のゴールです。

登山をするのなら、目指すのが富士山なのかエベレストなのか、それとも裏山を散歩するだけなのか、ゴールによってルートも違えば必要な装備も変わってきます。あたりまえのことなのに、ビジネスとなるとゴールを見据えないままに走りはじめてしまうことがよくあるのです。

もちろん、そのゴールはお金だって構いません。でも、お金はものと交換できるだけのただのツールです。できれば、仕事を通じて誰かの役に立つことにわくわくすることといった、お金から離れたゴールを設定することをおすすめします。

なぜなら、そうすることでモチベーションが高い状態がデフォルトになるからです。生活のために好きでもない仕事をするのなら、モチベーションを保つのは難しくなります。モチベーションのアップダウンも起きるでしょう。でも、好きで楽しい仕事そのものにわくわくするのであれば、わざわざ「モチベーションを高めよう」などと考えることもなく、つねにモチベーションが高い状態でいられるのです。

そのような状態で仕事に打ち込むことができれば、結果的にお金もついてくるでしょう。だからこそ、「お金が欲しい」という思いを持っていたとしても、お金のことはいったん置いておいて、他のゴールを考えてみましょう。

もちろん、多くの人は、「お金が欲しい」という思いがあるからこそ起業を志すでしょう。そうであるなら、お金を得た「その先」に目を向けてみてください。お金を得ることをゴールにするのではなく、「お金があればなにをしたいのか」というところにフォーカスすれば、仕事そのものにわくわくできる究極のゴールを設定できます。

【写真】経験で稼ぐための3つのポイントを語る前田伊織さん【撮影=樋口涼】

必ず売れる商品をつくる、「後出しじゃんけん」

ふたつ目のポイントは「リサーチ」で、これは商品づくりのプロセスにおいて絶対に欠かせないポイントです。なぜなら、やり方次第で、自分から売り込まなくても売れる商品をつくることもできるからです。

商品やサービスの市場に対するアプローチには、ふたつの種類があります。ひとつが、商品ありきで販売していく「プロダクトアウト」。このアプローチの場合、市場で求められるかどうかは販売してみないとわかりません。いわば、「先出しじゃんけん」です。

もうひとつのアプローチが、市場の声を聞いて求められているものを商品化する「マーケットイン」。欲しがる人がいることをわかったうえで販売するので、売れないはずがありません。こちらはいわば、「後出しじゃんけん」です。先出しじゃんけんと後出しじゃんけん、強いのはどちらでしょう?答えはいうまでもないですね。

リサーチは、まず家族や友人、知人からはじめていいでしょう。困っていること、こういうことをしてもらえるとうれしいといったことを聞き出しながら、自分の経験によって解決できることはないかと探っていきます。そうして、「自分の経験で役に立てそうな人」といういわゆる「見込み客」を、家族や友人から紹介してもらうのです。その見込み客に対して、それまでのリサーチのなかで考えた、自分の経験を活かしたサービスについてヒアリングを行います。

必ず確認すべきは、自分がいくら払ってもらいたくて、相手はいくら払ってくれるかということ。「こんなサービスがあったらどうですか?」と聞くと、多くの人が「それいいね」といってくれます。でも、「○円で考えている」といって「それだと払えない」といわれたなら、ビジネスとして成り立ちません。

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