EXILE 橘ケンチが三重の美食と地酒を語る!「みえガストロノミーツーリズム 商談会」をレポート

東京ウォーカー(全国版)

2025年2月、三重県・多気町の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」内にあるAT CHEF MUSEUMで、「みえガストロノミーツーリズム 商談会」が開催された。“ガストロノミーツーリズム”とは、その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、食文化に触れることを目的とした旅のスタイルのこと。三重県には、伊勢海老や松阪牛といった魅力的な食材をはじめ、それらを味わえる飲食店や宿泊施設なども充実していて、“食べること”自体が、三重県を訪れる旅行者の大きな目的のひとつとなっている。

「みえガストロノミーツーリズム 商談会」では、三重でガストロノミーツーリズムを体験したEXILE 橘ケンチさんを特別ゲストに迎え、「三重の食と日本酒について」のトークディスカッションを企画。シェフや生産者たちと繰り広げた熱いトークの様子をレポートする。

「みえガストロノミーツーリズム 商談会」特別ゲストのEXILE 橘ケンチさん


三重県を代表する美食&地酒が「VISON」に集結!

VISON内にある「AT CHEF MUSEUM」がイベント会場

会場となった「VISON」は、飲食店やショップ、マルシェなど約70店が集まる日本最大級の複合施設で、食の発信基地としても注目のスポット。広大な敷地内を巡るだけでも、ガストロノミーツーリズムが体験できる。

本イベントでは、さまざまな分野の食のプロフェッショナルをゲストに迎え、トークセッションを実施。はじめに、雑誌「料理王国」の柴田 泉編集長と、伊勢志摩地域の食文化の発展を目指して活動する料理人グループ「エバーグリーン」を牽引する、フレンチレストラン「ボンヴィヴァン」(三重県伊勢市)の河瀬 毅オーナーシェフが登壇し、三重県の豊かな食文化の魅力をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。

雑誌「料理王国」の柴田編集長(写真左)と「ボンヴィヴァン」の河瀬オーナーシェフ(写真右)

会場には、三重県の食文化に関わるコンテンツやモデルルートの開発などに取り組んできた事業者がブースを出展。県内産の食材を使った試食メニューや地酒が振る舞われた。

出展者のなかでひときわ注目を集めていたのが、1日1組限定の炭火割烹「稲米舎(とうべや)」(三重県北牟婁郡紀北町・きたむろぐんきほくちょう)。築140年の古民家で地元産の紀州備長炭を使った炭火焼きコースが楽しめる人気店で、この日も紀州備長炭の炭火で焼く・炙る・当てる・温めると、さまざまな調理法を披露。絶品の炭火料理を振る舞い、参加者を魅了した。

炭火割烹「稲米舎」の出展ブース

稲米舎店主による、紀州備長炭の炭火を使った調理パフォーマンス


このほか、「VISON」をはじめ、「グリーンクリエイティブいなべ」(三重県いなべ市)、「モアレリゾート 汀渚 ばさら邸」(三重県志摩市)、「海童工房 魚寅」(三重県鳥羽市)が出展し、さまざまな試食メニューを通じて、三重の食文化の魅力を発信した。

昔ながらの手火山(てびやま)製法で、燻しがつお「波切節」を作っている「かつおの天ぱく」(三重県志摩市)

伝統野菜「虎の尾」を栽培する「おわせむかい農園」(三重県尾鷲市)。虎の尾を使ったすっきりとした辛味の「虎の尾醤油」が人気

「四日市観光協会」(三重県四日市市)は、地元のイチゴを使ったスイーツを萬古焼の器に盛り付け、地酒とのペアリングを楽しむ食体験を提案


EXILE 橘ケンチが語る「みえガストロミーツーリズム」の魅力

メインイベントでは、特別ゲストにEXILE 橘ケンチさんを迎え、「三重の食と日本酒」についてトークディスカッションを行った。橘さんは、ライフワークとして日本酒の魅力を発信し、食のフィールドや地域共生、社会貢献に対する知見を深めていることから、今年1月、三重県を訪れた際にガストロノミーツーリズムを体験したという。

橘さんがステージに登壇すると、会場は大きな拍手に包まれた


会場には、橘さんが「みえガストロノミーツーリズム」で訪れた事業者も多く出展していて、トークディスカッションに飛び入りで参加。そのうちのひとり、「元坂(げんさか)酒造」(三重県多気郡大台町)七代目の元坂新平さんが壇上に招かれると、自社栽培した酒米「伊勢錦」を醸した日本酒「KINO / 帰農」を橘さんに振る舞い、日本酒談議に花を咲かせた。

「元坂酒造」の元坂さん(写真左)をはじめ、三重県の生産者たちと交流を深める橘さん

「元坂酒造」の代表銘柄。(写真左から)「酒屋八兵衛」、「KINO / 帰農」、「KATARU HOTARU(語蛍)」


続いて登壇したのは、橘さんが宿泊した「モアレリゾート 汀渚 ばさら邸」の原 竜之介料理長と「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」の今村将人料理長。それぞれの施設での特別な食体験を振り返るなか、橘さんが「『THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島』で味わった生ワカメのしゃぶしゃぶが忘れられない」と語ると、それを受けて今村料理長が「伊勢海老やアワビといった高級食材以外にも、三重にはおいしい食材がたくさんあります。生ワカメのしゃぶしゃぶもそうですし、現地に来ないと食べられない食材こそ、ぜひ味わってほしいですね」と熱く語る場面も。

「モアレリゾート 汀渚 ばさら邸」と「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」の料理人たちと、食体験を振り返る橘さん


最後は、VISON内で「海女小屋なか川」を営む海女の中川早苗さんが登壇。ガストロノミーツーリズムの一環として、2024年8⽉にオープンしたホテル「HACIENDA VISON(ハシェンダ ヴィソン)」に橘さんが宿泊した際、「海女小屋なか川」を訪れ、伊勢海老やアワビを堪能したそう。

祖母の代から海女漁を行い、海女文化を発信している「海女小屋なか川」の中川さん(写真左)

「中川さんから海女漁のお話を聞いて、海に潜って漁をすることは命にも関わる危険な仕事だと痛感しましたし、その過程を知ったうえでいただく伊勢海老やアワビは心に残る食体験になりました」と橘さん。対する中川さんも、「海女文化を評価してもらえることが本当にうれしい」と話す一方、海女の後継者不足についても語り、「海女文化を多くの人に知ってもらうためにも、次回はぜひケンチさんにも海女体験をしてほしい」と笑顔で呼びかけた。

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