12月24日(日)、11年ぶりのクリスマスイブ決戦となった第62回 有馬記念。1着賞金3億円をかけた熱い戦いは、武豊騎乗の1番人気キタサンブラックが終始先頭で優勝。1 1/2馬身差の2着にはC・ルメール騎乗のクイーンズリング、3着には道中不利を受けた2番人気のシュバルグランがハナ差で続いて入線した。レース終了後には「キタサンブラックお別れ会」が行われ、愛馬のために北島三郎が用意した新曲を披露。最後は“キタサン祭り”で締めくくった。
キタサンブラック最後の勇姿をひと目見ようと、およそ10万人が詰めかけた第62回 有馬記念。当日はキタサンブラック引退記念グッズが販売され、中山競馬場はキタサンブラック一色に染まった。
レースは好スタートを決めたキタサンブラックが先頭に立ち、マイペースの展開に持ち込むと、そのまま最後まで先頭を譲ることなく、危なげなく1着でフィニッシュ。千両役者・武豊の見事なエスコートで有終の美を飾った。
これでキタサンブラックは今年4つのGI勝利を積み重ね、JRA芝GI競走最多タイとなる通算7勝目。これまでの総獲得賞金は18億7684万3000円となり、テイエムオペラオーを抜き歴代1位となるなど、記録ずくめの1日となった。
レース後の表彰式ではプレゼンターに米国・大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャースで活躍する“マエケン”こと前田健太投手が登板。記念のトロフィーを関係者に授与し、見事にその大役を務め上げた。
最終12レースを挟んで、キタサンブラックのお別れセレモニーが執り行われ、北島をはじめとする関係者一同が登場。終始笑顔に包まれる中、キタサンブラックとの別れを惜しんだ。
「今日は泣くまいと思っていたのに、3コーナーあたりから涙が出てきました」とキタサンブラック最後のレースを振り返った北島。続けて「皆様、本当にありがとうございました。自分の子が走って3年間、愛していただきありがとうございます。これ以上の幸せを感じたことはありません。清水調教師や厩務員、武豊騎手、北村宏司騎手、ありがとうございました」と関係者に感謝を述べた後、「クリスマスイブなのにこんなに残っていただいて感謝申し上げます」とスタンドに残った多くのファンへメッセージを送った。
お別れ会では、北島がキタサンブラックのために制作した新曲「ありがとうキタサンブラック」を披露、同日18:00からの配信がスタートしている。そして、最後にはお待ちかねの「まつり」を熱唱。「僕は歌いません」と語っていた武豊も北島にうながされ、初めて共に歌うなど最後の“キタサンまつり”にスタンドが沸いた。
なお、キタサンブラックがレースを走るのは本レースが最後となるが、2018年1月7日(日)には、京都競馬場で引退式が予定されている。稀代のアイドルホース キタサンブラックに謝意を込めて、新たな年の幕開けを祝う京都・京都競馬場へ出掛けてみてはいかがだろうか。
安藤康之