太陽の塔は1970年に大阪で開催された日本万国博覧会(大阪万博)のテーマ館。大阪万博当時、高さ70メートルの塔は丹下健三設計のお祭り広場の大屋根から顔を出し、見る人の度肝を抜いた。内部は生命の樹や地底の太陽などが展示され、期間中は観覧者で大いににぎわった。しかし大阪万博終了後、建物は1975年に永久保存が決定したが内部はそのまま放置されていた。
それから48年ぶりに、ようやく太陽の塔が復活。2016年10月から約1年半の再生工事を経て、3月19日(月)から内部の一般公開がスタートする。
それに先駆け、報道陣に再生工事が完成した内部が公開された。
今回の再生工事では、耐震改修工事が行われたほか、入り口にスロープが設けられ、万博当時に使われていたエスカレーターを撤去。代わりに階段とエレベーターが整備された。
展示は大阪万博閉幕後行方不明になっていた地底の太陽と、生命の進化を表現した「生命の樹」を再現。スピーカーを一新し、大阪万博当時塔内で流されていたオリジナル曲「生命の讃歌」を再び流す。照明は蛍光灯からLEDに変更、多彩な色の光で内部空間を演出する。
生命の樹は生命のエネルギーが根源から未来に向かって吹きあげる様子を示したもので、今回183体の生物の模型が復元された。アメーバや三葉虫といった原初の生命から、クロマニヨン人まで一体一体細やかに再現され、迫力満点だ。重厚で宗教音楽のようにも聞こえる「生命の讃歌」と展示物、変化する光が一体になり、まるで塔内に飲み込まれるような感動を体験できる。
鳴川和代