華やかな街より地元。等々力「コシュカ」のシェフが目指すもの

東京ウォーカー

世田谷・等々力にある人気のパン店「Koshuka」(コシュカ)。シェフの秋元英樹さんは、桜新町「ベッカライ ブロートハイム」の明石克彦シェフをはじめ、さまざまな巨匠の元や国内外の名店で修業を積んだ実力派のパン職人である。

秋元英樹シェフ。営業中は、ほぼつきっきりで厨房内にいる


街に根づいたパン店でありたい。


華々しい経歴がありながらも、一流レストランが軒を連ねる都心の一等地より、地元に溶け込む“街のパン屋さん”でありたいと、2007年に等々力でコシュカをオープン。なお、この独特な店名は秋元さんの3人の子どもの名前から頭文字をとったものだ。

【写真を見る】等々力駅から徒歩で約15分。商店街の一角にある、いわゆる街のパン屋さんだ


店内にはさりげなく恩師・明石シェフの著作も。秋元さんが、街に根づいたパン店がいいと思ったのも「ベッカライ ブロートハイム」の影響とか


ただ、パンのおいしさや商品群を見れば超一流の腕前はすぐにわかる。陳列棚には日本でおなじみの定番から、海外のトラディショナルなものまで多種多彩。パンを食べはじめた子どもでも、マニアックなパン通でも笑顔になれる珠玉の逸品がここにはある。

世界中のパンがズラリ。毎日80種以上も並ぶそう


今年のXmasには「パネトーネ」を焼きたい!


そんな秋元さん、職人魂はますます燃え上がるばかり。実は6月にイタリアへ勉強に行った。それは、以前食べて感動したイタリアのとあるパン、その味を再現したいと強く思ったからである。

出身は等々力のすぐ近く。17歳からパンの道一本で、コシュカも創業10年を超えた。地元への恩返しという想いも強い


それは「パネトーネ」という、ミラノの伝統的な銘菓。現地ではXmasによく食べられている。日本でXmasの菓子パンといえば、ドイツの「シュトーレン」のほうが有名だが、秋元さんはパネトーネのおいしさも広めたいと意気込む。普段使いできる街のパン店でありたいと思い、同時に「知られざる世界のパンのおいしさをお客様に!」という職人気質も強い。今年のXmasはぜひコシュカでパネトーネの予約を。赤ではなく白い服を着たシェフサンタが、自信作をたずさえて待っている。

東京ウォーカー編集部

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