選手を支えるキラリと光る“最高のマネージャー”を発掘する連載。今回は「福岡教育大学準硬式野球部」です。準硬式野球部のマネージャーは現在4人。3年生の美若誉那美 (みわか・ほなみ)さんを中心に、練習の準備が進められていきます。
4人の結束を強めているのは...「マネージャー全員で『マネ会』をよくやってます!ずっとしたかったんです。月曜日の夜の練習のあとはみんなバイトを入れないので、家に集まって、この前はもつ鍋をして、その前はチーズダッカルビをして、今度はチーズフォンデュをします(笑)。…こんなので記事になりますか?(笑)」
場を明るくし周囲を和ませるような話ぶりと笑顔で取材に応じてくれた美若さんが、今回の主役です!
知識ゼロから野球を学んだ
「高校の頃は剣道部の選手でした。でもずっとマネージャーがしたくて。正直、運動部なら何でも良かったんです。準硬に見学に来た時に先輩から熱心に誘ってもらって入りました」
野球の知識は全くと言っていいほどなかった美若さん。しかし、マネージャーの先輩たちに一から丁寧に教えてもらったといいます。
「わからなすぎて、同じ事を何回も聞くんですよ私が(笑)。でも、怒ることも、呆れることもせずに、手とり足とり教えてくださって、基本的なことは身につけました。今は、プレーを追ってスコアも付けてます。今でも(野球が)わからないので『おる意味あるかな?』って本当に思うこともあります。『わからんけん、全然できんし』みたいに思うことも」
ツラくて辞めたくなった時
同級生で部のキャプテンをつとめる中島遼太郎さんは、美若さんの頑張りを近くで見てきました。「彼女は野球のことは素人なのに入部してくれて、元々もう1人同級生のマネージャーがいたんですけど、その子が1年の途中の8月くらいに辞めて、同学年では彼女1人になったんです。大丈夫かな?と思ったんですけど、責任感が強いんで、出来ることを一生懸命やって続けてくれました」
同期のマネージャーがいなくなった時には「私もやめたい...」と感じたという美若さん。その時救ってくれたのは選手たちの言葉でした。
「『絶対やめるなよ!』とか同期がみんな声をかけてくれて、先輩も『大丈夫か?』みたいに言ってくださって、今はもう『あん時辞めんで良かったやん!』みたいに言われます。私も今は本当に続けてきて良かった!って思います。いい仲間に出会えた...。ってなんかいい話ですね(笑)」
マネージャーとしての『極意』『ひみつ道具』
《マネージャーの極意》は“寄り添える安心感”
「そういう風になれてるかはわからないですけど、選手がツラいな、どうしよう...ってなってる時に、思い出してもらえる人、そういう存在になりたいです。別にずっと私のことを考えてなくていいんですけど(笑) 、部活のことでも部活以外のことでも、そういう時に『ほなみに相談しようかな?』と、同級生にとっても後輩にとっても、そういう私でいられるように。野球の面では助けられないから、それ以外の面でちゃんと助けられるようになりたいと思ってます」
《ひみつ道具》は“先輩としての存在感”
「後輩のマネージャーたちはみんな私よりも野球の知識も経験もある子たちなんですよ。野球の面では“お手本”になれないから、それ以外の面で“お手本”になりたいです。この前、1年生の知紗希ちゃんに『私は、ほなみさんみたいなマネージャーになりたい!』と言われて、涙が出そうになりました。全然(先輩として)良くはないんですけどね、何もできてないんですけどね。会計や運営の事務の部分などをしっかり伝えていきたいです」
美若誉那美さんの『ここが最高!』
美若さんが準硬式野球部にもたらしているものとは?再び、キャプテンの中島さんの言葉です。
「いい“支え”っていうか。気が利く子ですし、マネージャーとしての能力は高いと思います。本人に自覚はないと思うんですけど、選手からしたら、みんなが一つになる、つなぎ役って言ったら大げさかな(笑) 。でも、本当にそういう存在だと思います」
選手マネージャー先輩後輩の分け隔てのない一体感を感じさせる部の中で、部の雰囲気を明るく保つ、その確かな存在感が最高です!
結果を求め、みんなで一つに!
マネージャーにとって交通費の精算も日常業務のひとつ。この日は“いつもありがとう!”の思いをこめて美若さんが『感謝のきもち』と、したためたポチ袋で選手たちに渡されました。
先の秋季リーグ戦は4位で終えた福岡教育大学準硬式野球部。春は、もちろん優勝を目指します!
「みんな仲良くて、やる時はやる!って感じです。試合でも練習でも、結構みんな茶化したりいじったりするんですけど、一生懸命やる時はやるし、上を目指して頑張ってます!」
美若さんたちマネージャーと選手たちが、足並みを揃え、より高い結果を目指す福岡教育大学準硬式野球部に注目です!
山本真己