島根県出雲市の出雲弥生の森博物館で8月26日(月)まで、ギャラリー展「出雲の赤-縄文・弥生時代編-」が開催されている。
出雲の赤といえば、日本海に沈む夕日やたたら製鉄の炎を思い浮かべる人も多いことだろう。強い神秘的なエネルギーをもつ太陽や炎、それらが発する「赤」という色に、人びとは同じ効果を感じてきた。はるか昔から、出雲でも大切なモノに「赤」(赤色顔料)を塗り、儀礼を行ってきた。
今回の展示では、出雲市内の縄文・弥生時代の資料を中心に、当時の人たちが「赤」をどのように使ってきたのかを紹介する。
担当者は「弥生時代後期、出雲には王が登場しました。その根拠となるのが、巨大な墳丘をもつ西谷3号墓の存在です。規模の大きさだけでなく、多量の水銀朱を使った埋葬方法もそれを裏付けます。棺に敷き詰められた中国産の水銀朱はとても鮮やかです。330個体を超える土器や石杵にも水銀朱が塗られています。王墓ではこれらを使った埋葬儀礼が行なわれていました。この機会に当時の人たちが祈りを込めて使った『赤』をぜひご覧ください」と展示の見所を話す。
「赤」にこだわり、縄文・弥生時代の資料を読み解く同展。夏休みの子どもの自由研究にもオススメなので、ぜひ訪れよう。
ウォーカープラス編集部