福岡の地で50年、100年と親しまれてきた、本格中華料理店。時代の変遷に合わせ、スタイルやメニューを幾度となく見直し、信頼を獲得してきた。長い歴史に裏打ちされた安定の味わいを堪能しよう。
創業115年目を迎える、“博多中華”の元祖「福新樓」
福岡最古の中華料理店「福新樓」。福建省生まれの創業者・張 加枝(ちょう かし)氏が福岡を永住の地と決めたのは、福岡と故郷の地形や気候が似ていたから。山海の食材が豊富に手に入ったことで、さまざまな料理が生まれた。なかでも名物は、「博多皿うどん」(1134円)や北京ダックから着想を得た「博多ショウケイ」(8枚盛り 1674円)。「燕の巣のスープ」(3078円)、「ふかひれの煮込み」(4590円)など、高級食材を使うメニューもおすすめだ。
[福新樓(ふくしんろう)]福岡市中央区今泉1-17-8 / 0120-2946-01 / 11:30~22:00(LO21:00) / 火曜休み
ボリューム満点メニューでおなかを満たして70余年「中国料理 平和樓 天神本店」
天神のシンボルである新天町横で親しまれ、半世紀以上の「中国料理 平和樓 天神本店」。創業したのは、かつて天神地区にあった因幡町で、それが1947(昭和22)年のこと。以来、福岡を代表する中華料理店として名を馳せる。昭和期に同店で披露宴を開き、今でも毎年、結婚記念日に必ず来店する常連がいるというエピソードからも、その愛されようがわかるというもの。創業者の名を冠した「趙之家」など系列店も人気だ。
[中国料理 平和樓 天神本店]福岡市中央区天神2-6-42 / 092-771-4141 / 11:15~22:00(LO21:20)、日曜・祝日11:00~21:30(LO20:50) / 無休
小さな大衆食堂から、巨大中華料理店へ「八仙閣 本店」
1967(昭和42)年、店屋町にて創業した「八仙閣 本店」。最初は小さな食堂だったが、北京料理をベースとしたメニューが評判を呼び、2年後に博多駅東へ移転。手ごろなランチと団体向けの宴会メニューを併売したことで、大バコのレストランへと急成長を遂げた。メニュー数が増えた現在でも、創業当初から変わらないのがエビの北京風チリソース。総支配人の難波二朗さんは「お客様にずっと愛される逸品です」と胸を張る。
[八仙閣 本店]福岡市博多区博多駅東2-7-27 / 92-411-8000 / 11:00~22:00(LO21:00) / 不定休
百貨店内の特別なレストランから、日常の中華へ「頤和園 博多駅前店」
呉服町で創業した百貨店「博多大丸」内のレストランとして歴史を歩み始めた「頤和園 博多駅前店」。発祥は大阪で、大丸の東京進出に際して出店依頼され、事業を拡大。今は東京と福岡で5店舗が営業中だ。博多駅前店は45年前に現在の場所へと移転。ビル12階という展望のよさも手伝い、特別な日に行く中華料理店の地位を確立した。一方で現在は、ビジネスパーソン向けの手ごろなランチや宴会の場として親しまれている。
[頤和園(いわえん) 博多駅前店]福岡市博多区博多駅前2-20-1 大博多ビル12F / 092-471-1021 / 11:30~15:00(LO14:30)、17:00~22:00(LO21:00)、土曜・日曜・祝日の昼は~14:30(LO14:00)、日曜・祝日の夜は~21:30(LO21:00) / 無休
3世代で来店多数!西区のファミリー中華「中華菜館 五福」
都市高速外環状線が開通するずっと前の1982(昭和57)年。初代が「これからは、中華が家族連れに重宝される」と将来を見据え、開業した「中華菜館 五福」。当時、田んぼしかなかった福重でレストランは珍しく、連日多くの人でにぎわった。それから37年、現在厨房を仕切るのは熊本ホテルキャッスルで本格四川料理を学んだ、2代目の柴田眞利さん。伝統の味に確かな技術を加え、さらなる評判店として歴史を刻み続ける。
[中華菜館(さいかん) 五福(ごふく)]福岡市西区福重3-37-5 / 092-891-5555 / 11:00~22:00(LO21:30)、ランチ~16:00、土曜~15:00(各LO) / 不定休(週1日)
【料金の表記について】当記事に掲載している価格は、2019年9月時点の消費税8%込みのものです。消費税率の改定なや店舗などの都合により、各種料金が変更されている場合があります。
九州ウォーカー編集部