年間販売本数4億本以上、“日本一売れているアイス”「ガリガリ君」。新商品の「コーヒーオレ味」発売を機に、ガリガリ君史上初となる“本人”インタビューを敢行。
誕生時の話題では、「初期のガリガリ君は、絵がうまいだけの普通の社員が描いたもの。“ゴリラ”みたいで女性からメチャクチャ嫌われていた」と、苦難の歴史を告白した。
――本日はガリガリ君本人へのインタビューなんですが…そもそも実在したんですね…。
あったり前だよ!何言ってんの?ほら、ちゃんと体もあるでしょ?ちなみに年齢は特に決まってないけど、小学校低学年だよ!
――ですが…顔が大きすぎるし、口は開きっぱなしだし…。
もう、細かいことは気にしないで!さ、早くインタビューしちゃってよ!
――は、はあ…では改めて。そもそもガリガリ君はどうやって誕生したんですか?
第2次オイルショック(1979年)ってあったでしょ?あれがきっかけなんだ。
――小学生にしては、古い話をご存知ですね…(笑)。
まあね(笑)。あの時、いろんな商品が値上がりしたんだけど、ウチ(赤城乳業)は他のアイスメーカーよりも先に値上げしちゃって。そしたら、まったく売れなくなって…。「なんとかしなきゃヤバイ!」ってことから、新商品の開発が始まったんだ。
――なるほど、それが後の「ガリガリ君」。
「赤城しぐれ」ってカップかき氷知ってる?元々あれがウチの代表的な商品で。その「赤城しぐれ」を、「子どもが遊びながらでも食べられる片手用に」っていうことから「ガリガリ君」が生まれたんだよ。
――だから子ども向けのイメージキャラ「ガリガリ君」がいるんですね。ご本人を目の前にしてなんですが、すごくいいキャラですよね(笑)。
あ、でも実は2000年に大きくイメチェンしてるんだよ。最初のイラストはプロじゃなくて、絵がうまい社員が描いた“ゴリラ”みたいなキャラだったんだ。
――ご自分でゴリラとは(笑)。でもそういえば、今みたいにかわいくなかったかもしれません。
でしょ。あのキャラが女性からメチャクチャ評判悪くて。1999年に消費者アンケートをとったら、「歯茎が汚い」「田舎臭い」「キャラがイヤだから絶対買わない」って人がたくさんいて…。
――ボロクソですね(笑)。
そうなんだ。アイス自体は、その頃もけっこう売れてたんだけど「キャラがイヤで買わない人がいるならイラストを替えよう」ってことで、プロの人にお願いして、“今の僕”ができたんだよ。
――人気は出ました?
それが…全然(笑)!売り上げ本数は、イメチェンをした2000年からどんどん伸びてたから「うまくいったんだな」って、偉い人たちも考えてたんだけど。2004年に某雑誌で行われた「好きなキャラ嫌いなキャラ」のアンケートで“嫌いなキャラクター第4位”に入っちゃって…。しかも今度は女性だけじゃなくて、20代、30代の男女両方で!
――ダメじゃないですか(笑)。イメージキャラを卒業した方が良かったのでは?
甘いな~おじさん。“ビジネス”を分かってないね(笑)。せっかく20年もかけて作り上げてきたキャラ…あ、僕ね。そんなキャラを簡単に捨てるなんてとんでもない!
――その後、具体的な対策は考えたんですか?
逆転のために赤城乳業は、「ガリプロ」っていう“キャラとしてのガリガリ君”専門のプロモーション会社を、関連会社として作ったんだ。そして、そんなに大きな会社じゃないから、「どうすればお金をかけずに話題が作れるか」ということを一生懸命考えて。ガリガリ君をゲームや漫画のキャラとして使ってもらうようにしたんだ。いわゆる“コラボ”だね。
――それはうまくいったんですか?
広告費はかからないけど、たくさんの人が目にするようになる、いいアイデアでしょ?そういった取り組みが成功して、どんどんキャラもアイスも認知度アップで、売り上げもアップしたのさ!
【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】
■ガリガリ君
埼玉県深谷市在住の小学生。現在、缶コーヒー「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド」の味をイメージした「コーヒーオレ味」が発売中。
※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです