大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2023年には結成13年目を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。
そんなメンバーの個性を彩ってきたのが、オリジナルの衣装たち。この記事では、その多種多様な形や色、制作の裏話をご紹介!NMB48の衣装デザインからスタイリングまでを担当する松永麻里さんにたっぷりとこだわりを語ってもらう。
月替わりで登場する案内人は、TikTokで「NMB48衣装図鑑」と称して衣装の細部や着脱方法を紹介しているれいこちゃん(前田令子)、将来は“自分のブランドを持つ”という夢を持ち、メンバーの衣装作りも経験したことがあるかれんたん(原かれん)の2人。一体どんな制作エピソードが飛び出すのか?第6回はれいこちゃんが案内人を担当する。
“行進”に合う『欲望者』の衣装と節目で作られた黒コート
まずは、松永さんによる衣装紹介!1着目は、18thシングル『欲望者』のMV衣装。荒廃したような雰囲気のなか、センターのさや姉(山本彩)を筆頭にメンバーが行進する姿がインパクト抜群だ。
「MVで行進をすると聞いたので、衣装は“個”でなく“集合体”をイメージしました。前作の『ワロタピーポー』が今までのシングルのなかでもトップレベルでカラフルな、個性を強調した衣装だったのに対し、こちらはビシッと統一感を出して全員揃いの衣装にしました。そのなかでメンバーの“個”を抽象的で不規則な線で表現し、真っ白のコートの上に黒の幾何学模様を施しました」
続いて、2018年のベストヒット歌謡祭で披露した『絶滅黒髪少女』のために作られた衣装。みるるん(白間美瑠)の卒業コンサートでは『欲望者』を歌った際にバックダンサーを務めたメンバーが着用したりと、さまざまな場面で活躍している。
「さやかちゃんの卒業後、間もないタイミングで急遽制作することになった衣装で、これまでいろいろと衣装を作らせていただいたなかでも、とても思い入れが強い衣装です。今後もたくさん着てもらえるように、一瞬で見た目を変えることができるコートタイプの衣装にしました。打ち合わせ部分はすべてマジックテープ仕様にしています。スカート部分の生地は上からチュール、エナメル、白サテン、黒レースを重ね、丈はすべて長さを変えて少しだけ見えるようにレイヤードしています。踊るとダイナミックに広がり、それぞれの生地が主張して躍動感が出るのがポイントです。また、エナメル素材の上にチュール生地を重ねているので、ライトを浴びると絶妙な具合で透けて表情が出るのもポイント。“黒髪衣装”として制作したので黒メインなんですが、デコルテ周りには白生地を使用したデザインで、顔周りは明るく。スカートにも白生地を重ねています」