人気漫画の主人公役など、数多くの舞台やドラマ・映画に出演する俳優の小林亮太が都内近郊のグルメバーガー店をナビゲートする連載企画。隔週(第2第4水曜)掲載で、食レポはもちろん、ハンバーガー好きの目線で取材したおいしさの秘密をお届けする。
今回は、東京・港区にある「MUNCH'S BURGER SHACK(マンチズバーガー シャック)」で、「コルビージャックチーズバーガー」(1660円 ※自家製フライドポテト付き)に自家製ベーコン(180円)、グリルオニオン(120円)をトッピングしてカスタムしたバーガーを紹介!
トランプ前大統領も来店したグルメバーガーの名店
2017年に米・トランプ前大統領が来日した際に立ち寄った店としても話題を集めた「マンチズバーガー シャック」。柳澤裕さん・裕美子さん夫妻が営む同店は、移動販売車でのスタートから15年続く老舗バーガー店だ。こちらで修行したスタッフが独立して開業したグルメバーガー店も数多く、グルメバーガーを語るうえでは外すことのできない名店のひとつといえる。また、おいしさの追求だけに留まらず、グルメバーガー業界を盛り上げるべくYouTubeでの情報発信も積極的に行っている。
同店にもちろん何度も足を運んでいるという小林が初めて食べたのは、当時提供されていた「PRESIDENT TRUMP SET(プレジデント トランプセット)」(コルビージャックチーズバーガーとポテト、コールスロー)だったそう。そこで今回は、その時に食べた「コルビージャックチーズバーガー」をカスタムして、自家製ベーコンとグリルオニオンをトッピングしてオーダーすることにした。
焼く前から食欲をそそるこだわりのパティ
生のパティはピンクみがかった色合いの赤身に白い脂がきれいに混ざりあっていて、焼く前の段階にもかかわらず、小林が「おいしそう…」とつぶやいたのも納得のビジュアルだ。
それもそのはず、同店のパティはアメリカ産アンガス牛の肩ロースにあたる塊肉を丁寧にトリミング(余計な脂や筋などを取り除く作業)したのち、細かく手切りし、成形されている。
「メキシコからオージーまでいろいろなお肉、部位を試しましたが、アメリカが圧倒的においしいなって。赤身と脂のバランスがよく、味も濃い。ランクが上のものを使いたいので、25%ほどしかないCAB認定された上質なものを仕入れています。また、食感がよくなるように、カットの仕方はいまだに研究しています。趣味ですね(笑)」(柳澤さん)
「グルメバーガーはファストフードではなく肉料理」と語る柳澤さんだけあって、パティへの情熱は尽きないようだ。「本当にハンバーガーが好きじゃなきゃ、こんなに丁寧な仕込みはできないだろうから、すごいなって思います」と、手早く肉をトリミングしていく柳澤さんの手さばきに小林も見惚れていた。
考え尽くされた具材やビルド
さらに今回トッピングした自家製ベーコンは、US産三元豚のバラ肉にスパイスやハーブを独自の割合でブレンドした塩を振って寝かせて乾燥、その後ヒッコリーとサクラのウッドチャンクで燻製し、完成まで約10日ほどかけて完成。開業当初から試行錯誤を重ねたレシピで、手間暇かけて作っているという。
これらの具材をサンドするベースとなっているのは、グルメバーガー店ではおなじみの峰屋の全粒粉バンズだ。
ハニーマスタードと自家製BBQソースを塗ったヒール(下のバンズ)に鉄板からパティを移して、グリルオニオン、トマト、レタスをのせ、マヨネーズとクラッシュオニオン&レリッシュを塗ったクラウン(上のバンズ)を重ねていく。
レタスを畳むのは裕美子さんの担当で、形やビルドした時の安定感を意識しながら、ふんわりと折る繊細な作業によって、見栄えはもちろん層になったレタスの食感を楽しむことができる。ちなみに、レタスが一番上にあるのは、フタ付きのボックスに入れてもシャキシャキ感がなくならないようにという理由。これは移動販売車時代の名残だが、テイクアウトが一般的になった今の時代でもうれしい。