クロシジミはチョウだけど幼虫時代はアリに育ててもらう(第27回)

東京ウォーカー(全国版)

#27_クロシジミはチョウだけど幼虫時代はアリに育ててもらう『昆虫ハンター・牧田 習のオドロキ!!昆虫雑学99』(著:牧田習)

初夏、ヒメジョオンの花に一匹の小さなチョウがとまっています。大きさは2cmほどで、灰色の地味なチョウです。このチョウは クロシジミ という種類で、驚きの育ち方をします。

クロシジミの幼虫は卵から生まれると、 まずアブラムシの出す甘い蜜を食べて成長します。 イモムシなのに、葉っぱより甘い液体のほうが好きなのです(笑)。ある程度の大きさまで成長すると、なんとアリたちによって、 アリの巣に運ばれていきます。

「アリに食べられちゃうんじゃないの?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。体からアリに似たニオイを出すことで、仲間だと思ってもらいます。そして、幼虫はアリが好きな甘い蜜をおしりから出す代わりに、アリたちにエサをもらいます。しかも口移しで!

こうして幼虫はアリに育ててもらうのです。

このようにクロシジミはアリのおかげで成長し、サナギを経て成虫になるとアリの巣の外に出ます。チョウであるクロシジミの育ての親は、アリたちなのです!

■データ
名前 ◎クロシジミ
開長(成虫) ◎4cmほど
生息地 ◎日本、朝鮮半島、中国
活動時期(成虫) ◎6〜8月
特徴 ◎灰色の羽を持つ
採取難易度 ★★★★

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