JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」(以下「瑞風」)が2017年のデビュー以来、大人気に!これまでの乗車申込では、いずれも抽選になるほどの高い人気を維持している。そんななか、運よく乗車する機会を得た鉄道ライター・伊原 薫が、その魅力をリアルにお届けする。<※情報は関西ローカル列車ひとり旅(2018年1月29日発売号)より>
車両も料理も観光も超一流!これが新たな寝台列車の旅だ
「瑞風」は、「美しい日本をホテルが走る」をコンセプトに、広々とした寝台個室に食堂車、ラウンジカー、展望車を連結した10両編成の列車。すべての個室にトイレやシャワーがあり、列車の中とは思えないほどの豪華さが自慢だ。
そんな「瑞風」の旅は、フルコース料理やラウンジでのお茶会、弦楽器の生演奏など、まさにホテル顔負け。1日1回、列車を降りての立ち寄り観光もあり、まさに“究極の列車旅”が味わえる。
「瑞風」のコースは、山陽コース(上り・下り)と山陰コース(上り・下り)、そして周遊コースの5つ。いずれも瀬戸内海や日本海をはじめ美しい車窓が楽しめる。
沿線でとれる旬の食材を食堂車のキッチンで調理。フードコラムニスト・門上武司氏を筆頭に、各ジャンルの匠が監修した料理は、見た目も味も極上だ。
「瑞風」の旅では、列車を降りての観光が1日1回、組み込まれている。普段は非公開の建物に入れたり、伝統芸能を観賞するなど、各地の文化を体験できる。
乗車してわかった!リアルな15の魅力
乗車してわかった「瑞風」の魅力。その設備やサービスのすごさをリアルな写真とともに一挙に紹介!
「瑞風」の両先頭車には展望デッキを設置。進行方向の後ろ側は大半の区間で開放されていて、沿線の風や匂いを直接感じることができる。
明るい雰囲気でまとめられた食堂車。中央に飾られた花が空間に彩りを添える。厳選された素材を使った極上の料理に舌鼓を打ちつつ眺める景色は最高だ。
JR京都駅に直結するホテルに専用のラウンジがあり、ここでクルーが乗客を出迎える。列車に乗る前からすでに「瑞風」の旅は始まっているのだ。
展望デッキの隣は、運転席をはさんで展望室。窓に向かってモダンな柄のソファが並ぶ。夜になると大きなガラス越しに夜空が眺められる
2人用個室「ロイヤルツイン」の内部。並んだ2つのソファーはツインベッドになる。全室にシャワーやトイレもあり、まさにホテルそのものだ。
食堂車の隣にあるラウンジカー。ソファー席とバーカウンターに分かれ、その間に「瑞風茶会」で使われる茶の卓を設置。木の温かみが感じられる。
1人用個室の「ロイヤルシングル」。2人で使用する場合は少し狭いが、2段ベッドが寝台列車の雰囲気をより感じられるという人も多いそう。
客室や廊下の窓は一部が開けられる。その地域を匂いや感覚でも味わえるほか、見送りの人たちと会話もでき、「瑞風」の旅がより思い出深いものとなる。
ラウンジカーでは夜間に弦楽器の演奏会を開催。お酒を片手に列車の揺れに身をまかせながら聴く音楽…まさに、列車旅ならではの至福のひと時だ。
写真は昼食の料理。この日は沿線で採れたマツタケなどが使われていた。流れ去る景色を見ながらの食事は、なんとも贅沢なひと時を楽しめる。
「山陽下りコース」では、各個室のランチも。バスケット風の箱に入れられた料理は、ピクニックに出かけた日曜日の昼をイメージしている。
車内ではお茶会が開かれる。景色や料理を楽しむだけでなく、日本の伝統文化にも触れられる、それが「瑞風」の旅の魅力。
車内のお茶会で使用される茶器にもこだわりが。「棗(なつめ)」と呼ばれる抹茶を入れる茶器は、「瑞風」の先頭部をイメージした模様が描かれている。
部屋のスイッチは彫金細工が施され、わきの壁には「瑞風」をイメージした組紐の装飾が。ほかにも随所にこだわりの装飾が見られる。
【各個室に設置されたタブレット端末】列車が今どこを走っているのかがわかるほか、沿線の観光情報や「瑞風」オリジナルBGM、運転席に設置されたカメラによる展望映像も楽しめる。
■TWILIGHT EXPRESS 瑞風<電話:0570-00-3250(TWILIGHT EXPRESS 瑞風 ツアーデスク) 時間:10:00~17:30 休み:水日祝 コース:1泊2日~2泊3日の全5コース。いずれも食事や観光がセットになったツアー形式で、現在は2018年7~9月乗車分の申込を受付中>【関西ウォーカー編集部】
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