筑紫野ICへ向かう道から少し脇へ入った山と里の合間。「萌香」は、緑豊かな環境に建つ自家焙煎コーヒー店だ。店主の帆足拓哉さんが喫茶を開いたのは2003年。最初は仕入れ豆を使っていたが、鮮度のいい豆を扱いたいと思い3年目に自家焙煎の道へ。
焙煎機は当時、福岡で数台しかなかったプロバットを選んだ。「同機種を使っていると聞き、湯布院の『ボン・ボヤージュ』に飲みに行ったら見事に自分好みの味で。そのころは浅煎りできれいに焼けている豆は少なかったのですが、そこのはおいしかったんです」と帆足さんは語る。
わりと近くにある「豆香洞コーヒー」の後藤さんや「蘭館」の田原さんは年齢が近いこともあり、コーヒーグループ「コファック」でも刺激しあいながら学んだ仲。現在は浅煎りから深煎りまで焼くが、焙煎方法は豆を投入してから出すまで火力を変えないというもの。「何かが突出した豆は味が落ちるのも早いんです。家飲みでも楽しめるようにしたいから、あえて派手なおいしさにしないようにしています」と帆足さんは説明する。
また店の場所柄、わざわざ訪れる客が多いので、滞在時間も長い。今の焙煎方法だとコーヒーが冷めてしまってもいやな酸味が出ないというのも大きなメリットだという。窓の外は一面の緑。野鳥もすぐ近くに姿を見せる。きれいな味わいのコーヒーを飲みながらゆっくりくつろぎたい。
[自家焙煎珈琲 萌香(モカ)]福岡県筑紫野市古賀906-1 / 092-929-3351 / 11:00〜19:00 / 火曜休み / 24席 / 禁煙 / コーヒー1杯 540円~
九州ウォーカー編集部