名古屋のビジネス街、丸の内にある小さなビル。初見では見落としそうな建物の2階に、隠れ家的な和食店「森丹」(もりあか)(名古屋市中区)がある。引き戸を開けると、カウンター6席とテーブル2卓のみ。こぢんまりとした温かい印象の店内で、京懐石の流れをくんだ本格的な和食を味わうことができる。
各地の海、川、山の幸を京都や名古屋の市場から仕入れ。冬なら山陰地で生け捕りした鹿肉の暖炉裏焼き、トラフグの岩塩焼きなどがコースに登場する。
なかでも人気は、肉厚な身のサバ寿司だ。断面の美しさにほれぼれしながら豪快にほおばれば、脂ののりに感動。一般的なサバは回遊魚だが、一定の場所にとどまって育つ根付きサバを使うので、この味わいが生まれる。とは言っても、これは看板メニューにあらず。「和食は扱う食材が多い。一品を突出させるのではなく、すべての皿を高いレベルに押し上げることが大切」と店主の竹田剛さんは言う。
平均点の高い料理の数々を、酒と会話と共にゆったりと。3組だけが堪能できる、プレミアムなひと時を過ごしてみては。
「森丹」(もりあか)住所:愛知県名古屋市中区丸の内3-16-34 ウィズワイビル2F / 電話:052-265-5455 / 時間11:30~14:00(LO13:30)、17:30~22:00(LO21:00) / 休み:水曜 / 予算:昼6000円~、夜1万5000円~※完全予約制(2日前まで)
東海ウォーカー編集部