脅威の新種恐竜、誕生。 大人気アドベンチャーは”陰謀”渦巻く新ステージへ!<連載/ウワサの映画 Vol.41>

東海ウォーカー

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2015年の大ヒット・アドベンチャーの続編「ジュラシック・ワールド/炎の王国」がいよいよ公開です! 1993年の「ジュラシック・パーク」から20年以上を経た前作「ジュラシック・ワールド」では、テクノロジーの進歩による破格のスケールアップに興奮しましたよねぇ。そんな新シリーズ(3部作予定)の第2弾となる本作は、”おうちの中×恐竜”という閉じたシチュエーションといいダークなストーリーといい、予想外の新展開! この「どこに向かうの?」という迷子的ザワザワ感…。あぁ、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の後味を思い出す…。

バリオニクスにカルノタウルスにスティギモロク…、もちろんT-レックスも! シリーズ最多の恐竜たちが暴れまくりますよー©Universal Pictures


大人気テーマパークだった”ジュラシック・ワールド”が、ハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-レックスの死闘により崩壊した惨事から3年後。放棄されたイスラ・ヌブラル島は、恐竜たちが生き抜く野生の島へと姿を変え、火山大噴火の予兆が観測されています。危機が迫り、「恐竜の生死を自然に委ねるのか、自らの命を懸けて救い出すのか」という究極の選択を迫られる人間たち。そんな中、恐竜行動学のエキスパートであるオーウェン(クリス・プラット)とテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は恐竜たちの救出を決意。彼らが島に向かった矢先、ついに火山が大噴火を起こします!

「なるようになるさー」と恐竜の救出を断るオーウェンでしたが、前作で心を通わせたヴェロキラプトルのブルーを救う使命感に負けて、島に帰還します©Universal Pictures


おなじみのハワイで撮影された、溶岩と噴煙を容赦なく吐き出す火山&その猛威にパニくる恐竜たちの迫力シーンが安定の楽しさ! 炎に包まれたプラキオサウルスのドラマチックな最期も印象的でした。人間の追っ手、溶岩&火砕流、恐竜の3者から逃げるハメになるクリス・プラットも見せ場満載。強さが尋常じゃなくて、なんだかスター・ロードに見えてきます。クリスの身体能力の高さにホレボレしつつも、マッチョすぎて顔が余計にデカく見える…、マジメ役だとおちゃめな魅力が半減する…、ってのがファンとしては残念。

身を守るためにジャイロスフィア(テーマパーク内を移動する乗り物)に乗り込んだクレア。が、崖から海へ真っ逆さま…! ウィル・スミスの息子、ジャスティス・スミスが同乗してます©Universal Pictures


お約束の”ジャングル×恐竜”は満喫したでしょ、ってことで、本作ならではの見どころに突入するわけですが….。 これがまた、意表を突く”ホーンテッド・マンション”風アトラクションの趣向。 夜中、古めかしいお屋敷で神出鬼没に暴れまくるのは幽霊ではなく恐竜っ! チビッ子がキャーキャー絶叫するし、もはやホラーです。暗闇にギラギラと黒光りする恐竜たちが、従来の「デッカくて強くてコワいよ~」と共に、「グロくてキモくてコワいよ~」っていう新たな恐怖を体感させてくれることでしょう(笑)。

夏の超大作だけあって、背筋が凍る級の凉をお届けすることも忘れません。このツメ…、フレディを意識してる?©Universal Pictures


さらなる恐怖は、飽くなき欲望にまみれた銭ゲバモンスター(=人間)と、彼らが世に放とうとする新種の恐竜モンスター! それが、遺伝子操作された「インドラプトル」で、前作でウー博士が生み出した「インドミナス・レックス」よりも強力なんです。破壊力、知性、スピードに加え、従順性をも併せ持つ”完璧な兵器”たる怪物が、ついに人間社会に影響を及ぼすことになるのか…。6500万年前の地球を生きた恐竜が主役なこの映画にこそ、歴史と生命の重みにまつわるネタはふさわしい。だから、だからこそ、この手のネタに手垢が付く前にやってほしかったなー。

舞台は、「ジュラシック・パーク」建設時にジョン・ハモンド博士のパートナーだった起業家・ロックウッド(ジェームズ・クロムウェル)の邸宅へ。ブルーも絡む怪しい企ての行方は…!?©Universal Pictures


科学で絶滅種を蘇らせ、再び滅びようとしている彼らの運命をもコントロールする。そんな身勝手な人間様には、「猿の惑星」ぶりにゲンナリです。かつての惨事に心を痛め恐竜保護団体の活動に励むクレアと、ラプトルを調教し”道具”となりえることを証明しちゃったオーウェン…。悔やむ主人公たちを、愚かさを込めて描いた点は奥が深い。25年前から「ジュラシック・パーク」の行方を憂いていた、ジェフ・ゴールドブラム扮するマルコム博士も再登場! 彼が放つ「人間は恐竜に取って代わられる」的な不気味な予言(!?)に向かって突っ走る、人類の本質がイタいわー。

監督はスペインのJ・A・バヨナ。私のお気に入り作品「永遠のこどもたち」と「怪物はささやく」のダーク感が本作にも息づいてる気がする!©Universal Pictures


慣れ親しんだ夢のある世界から、壮大なテーマを内包して新たな領域へ踏み出した本作。「社会派要素とは無縁の純粋な冒険エンタメのままであってほしかった…」っていう未練がやや残りました。が、もう少しストーリーを進展させてくれれば文句はなかったかも。まぁ、”つなぎ”のドラマは難しくて中だるみしがちですからねぇ。そんなこんなで、大きくドラマが動くであろう第3弾が待ち遠しいっ!!【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「2重螺旋の恋人」(8月4日公開)のジェレミー・レニエ!

おおまえ

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