運動不足に不規則な食生活…。コロナ禍で在宅勤務が増えて、ポッコリしたお腹が気になっている方も多いはず。特に40〜50代の方はメタボリックシンドローム(※メタボ、内臓脂肪症候群)に気をつけたいところ。
そこで、YouTubeのチャンネル登録者数50万人超(2022年3月時点)を誇る現役内科医、橋本将吉先生ことドクターハッシーに、「内臓脂肪の基礎知識と、楽に内臓脂肪を落とせる食べ物」について聞いてきた。ユーモアを交えた分かりやすい医療系トークで大人気のドクターハッシー。ズルいくらいに楽して痩せたい方は必読!
お相撲さんはメタボなの!?ポッコリお腹の正体
「年齢と共にお腹の周りが気になっている方も多いと思います。内臓脂肪の説明をするときに、よく聞かれるのがお相撲さんです。お相撲さんの立派なお腹に比べれば『私はまだまだ大丈夫!』と思う方がいるかもしれません。
残念ながらちょっと違います。お相撲さんは、ほとんどが筋肉と皮下脂肪なので、メタボではありません。一般人のポッコリお腹とは仕組みが違います。これは論文でも発表されています(もちろん個人差はあります)。
脂肪は大きく分けると、皮下脂肪と内臓脂肪の2つに分けることができます。皮下脂肪は皮膚のすぐ下についている脂肪で、ダルンダルンと揺れるもの。指でつまむことができる脂肪です。一方、内臓脂肪は内臓のまわりについている脂肪です。よく耳にする〝脂肪肝〟も肝臓のまわりについた内臓脂肪の一種です。
内臓脂肪は腹囲をCTスキャンで撮影すると一目瞭然です。友人の医師が『妻が夫のお腹をハグできなくなったらメタボ』と言っていました。ぜひ参考にしてください(笑)」
厚生労働省の基準によると、ウエスト周囲径が男性なら85cm以上、女性なら90cm以上で、血圧、血糖、血清脂質について以下の3項目のうち2つ以上当てはまるとメタボと診断される。
1)血液中の高トリグリセライド血症/150mg/dL以上
かつ/または 低HDLコレステロール血症/40mg/dL未満
2)収縮期(最大)血圧/130mmHg 以上
かつ/または 拡張期(最小)血圧/85mg/Hg以上
3)空腹時高血糖/110mg/dL以上
動脈硬化のリスクも!内臓脂肪の増加は危険なサイン
「過剰に栄養を摂取すれば血中の糖分は、皮下脂肪か内臓脂肪、どちらかに変わります。太る仕組みは後ほど説明しますが、脂肪は体に蓄えておくエネルギーでもあるので、ある程度は必要です」
皮下脂肪か内臓脂肪、どちらに変わるかは「詳しく解明されていません。遺伝も関係しているでしょう」とドクターハッシー。では、どうしてメタボは不健康とされるのか。
「理由は血液です。メタボ対策が大切なのは、血液が不健康になっているサインだからです。内臓に脂肪がつくのは、血液中に大量の脂が流れている証拠です。
血液中に脂が多いと血管にベタベタとくっつき、炎症が起きて血管は硬くなります。こうして動脈硬化が引き起こされます。動脈硬化で血管が詰まると大変!脳の血管が詰まれば脳梗塞ですし、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞に。どちらも命に直結する疾病です。ほかにもメタボは、肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症などにもつながるリスクがあります」
ちなみにお腹や腰に脂肪がつきやすいのは女性で、「赤ちゃんを温めるために脂肪が必要で、女性が洋梨のような体型になりやすいのはそのためです。一方、男性でお腹が出ているのは…食べ過ぎですね!」とのこと。