店主は東京の名店出身。地元野菜を使った“横須賀らぁ麺”を披露!

横浜ウォーカー

【写真を見る】「鶏白湯ラーメン スペシャル(並)」(1,080円)。通常、チャーシューは鶏ムネ2枚だが、スペシャルにすると鶏ムネ3枚と豚バラ2枚、さらに味玉などが付く(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


醬油豚骨ラーメンの“横浜家系”が主流の神奈川で、今じわじわと店が増えているのが“鶏白湯(パイタン)”。2018年3月26日に横須賀市安浦にオープンした「横須賀らぁ麺 しろ」もその一つ。鶏の旨味を前面に出した鶏白湯ラーメンをウリにしている。

地元・三浦半島の野菜を使ったオリジナル鶏白湯は見た目も華やか


逗子出身の店主・長田輝人さん。和食の料理人からラーメン界に転身。「銀座 篝」の川崎店や大手町店で修業を積み、地元に近い横須賀で店を立ち上げた(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


京急線県立大学駅からほど近い場所にある「横須賀らぁ麺 しろ」。カウンター5席のみの小さな店だが、“噂”を聞きつけて、わざわざ遠方から足を運ぶラーメンフリークも多い。

その“噂”とは店主・長田輝人さんの経歴。長田さんは「ミシュランガイド東京」にも掲載されたことがある名店「銀座 篝」(ぎんざ かがり)の大手町店で店長を務めていたのだ。

修業先と同様、「鶏白湯ラーメン」(並780円)が自慢だが「『篝』とはまったく異なる鶏白湯ラーメンです」と長田さん。

一番の違いはスープ。丸鶏とモミジ(鶏の足)がベースなのは同じだが、「篝」は乳製品を加えて、濃厚クリーミーに仕上げている。それに対し、こちらは鶏100%スープで鶏の旨味をしっかり出しつつも、誰でも食べやすいよう、後味あっさりに。

また、屋号に「横須賀らぁ麺」を掲げ、地元の食材にもこだわる。麺は鎌倉の製麺所に特注している極細縮れ麺。低加水でスープを吸いやすく、モッチリとした食感が楽しめる。さらに、丼に彩りを添えるトッピングの野菜もアスパラやキャベツなど、横須賀を中心に三浦半島で栽培されたものを積極的に取り入れている。

卓上には“味変”アイテムを各種用意。黒七味や焦がしネギなど5種で、フライドガーリックやフライドオニオンを入れるとこってりに、逆におろし生姜を入れるとさっぱりに変わり、自分好みの味にカスタマイズできる。

国産の丸鶏とモミジのみを強火で6時間炊き上げた白湯スープ。鶏の旨味がたっぷりだが、後味はあっさりで食べやすい(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


低加水で歯切れのよい極細縮れ麺。当初は横須賀市内の製麺所を探したそうだが、納得のいく麺がなく「できるだけ地元に近い」鎌倉市の邦栄堂製麺に特注(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


卓上には5種の調味料が用意され、好みの味に調整できる。手前右から時計回りに、おろし生姜、焦がしネギ、黒七味、フライドガーリック、フライドオニオン(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


あっさり醬油スープの「鶏清湯ラーメン」もおすすめ!


「鶏清湯ラーメン(並)」(730円)。あっさりだが、飲むほどに鶏の旨味がじんわりと広がっていく。タケノコ、アスパラ、ラディッシュが彩りを添える(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


「鶏白湯ラーメン」と並ぶ、もう一つの看板メニューが「鶏清湯(チンタン)ラーメン」(並730円)。

こちらは丸鶏に豚骨や香味野菜などを加えて、弱火で10時間かけてじっくりと煮込んでいる。スープ自体はあっさりだが、濃口醬油を使った醬油ダレがキレ、鶏油(チーユ)がコクをプラス。どこか懐かしく、それでいて旨味もしっかりと伝わる滋味い味わいだ。

具のチャーシューは「鶏白湯」が鶏ムネであるのに対し、豚バラを使用。醬油ダレでトロトロになるまでに煮込んでいて、舌の上でとろけていく。

「鶏白湯ラーメン」と「鶏清湯ラーメン」ともトッピングの野菜は日替わり。撮影に訪れた日はタケノコ、アスパラ、ラディッシュで彩りも美しい。

東京の名店で修業した店主による、見た目も鮮やかな鶏白湯&鶏清湯。地元愛にあふれた名店仕込みの一杯を堪能しよう。

店内はカウンター5席のみ。店主が厨房から出るにはカウンターの下をくぐらないといけない“激セマ繁盛店”(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


県立大学駅から徒歩2分ほど。入口も狭く、小さなのれんと看板が可愛らしい。18年5月からは新作の「魚介つけ麺」(830円)と「魚介辛つけ麺」(880円)も登場(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也


取材・文=河合哲治郎/撮影=神保達也

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