うつ病&自殺未遂乗り越えた"メンヘラマッスル女装作家"に聞く自分らしく強く生きるヒント、誹謗中傷・偏見との闘いの日々を明かす

関西ウォーカー

書籍「マンガでわかるうつ病のリアル」著者の、"メンヘラマッスル女装作家"こと錦山まる先生。漫画家として活動中に重度のうつ病を発症し、5年半にわたり闘病。その途中で絶望し自殺を図った過去を持つ。そこから奇跡の復活を果たし、同じ病気で苦しむ人々のため、ネットで誹謗中傷を受けても負けずに「うつ病への偏見」を無くすために日夜闘う“うつ病の伝道者”に変身した。経歴だけでなく独特のルックスと言動でも注目を集めるまる先生に、この時代に自分と向き合って、自分らしく、強く生きていくためのヒントをたっぷり聞いた。

右は漫画家・錦山まるの素顔。シュッとしたイケメンだ。左は女装した姿"まる姉さん"

女装を解除した錦山まるの怒髪天モード! 筋トレと格闘技で鍛え上げた肉体を持ち、うつ病への偏見や誤解と断固闘う!

ネットで連日、誹謗中傷と罵詈雑言の嵐。でもそれはリングに立った証拠だ!


――初めまして、まる先生。メンタルヘルス界に「赤い髪で筋肉ムキムキのインフルエンサーがいる」と聞いてきたのですが…現在は全然違うお姿なのですね。

「2019年までは赤髪でムキムキの『メンヘラマッスル作家』として活動していたのですが、堀江貴文さんの著書『時間革命』を読んだ事がきっかけで女装にハマり、『メンヘラマッスル"女装"作家』にバージョンアップしました。今は週2回ぐらい女装を楽しみ、女装をしてツイキャスをやったり月1で六本木で1日バー店長をやったり、あと女装サロンというメイクサロンでビフォーアフターモデルをやったりと、だんだん自分の職業が何なのか分からなくなってきています(笑)。あ、それと女装のために最近、永久脱毛やプチ整形も始めたんですよー」

――じょ、情報量が多すぎます…。女装に加え、プチ整形もですか…。

「ゲームでも、最初はただプレイしているだけで満足かもしれませんけど、ハマるうちに自分なりのこだわりが生まれたり、スコアを狙ったりするようになるじゃないですか。それと一緒で、女装にハマるほど自分なりの美を追求したくなりました」

【写真】金髪美女に変身!奇跡の女装カット

女装の変遷9 これが現在。妖艶な美しさで、とてもフライパンを腕力でぐしゃぐしゃに曲げられるムキムキ男だとは思えない!

女装の変遷3 すっかりハマって、初回と同じ女装サロン「RAAR」(新宿三丁目)で今度は黒髪に

女装の変遷4 首から下が写ると、まるで筋肉アイドルのよう

女装の変遷5 このバックショットとお尻の美しさは女装界で屈指!

――まる先生は「うつ病」というデリケートな問題を扱っていますし、うつ病への偏見を無くすために敢えて過激な言葉を使っていて、アンチも多いですよね。

「女装を始めてからアンチは増えてフォロワー数は減りました(笑)。バッシングは当然あります。『本物のLGBTQをバカにしている!』みたいなことも、みなさんが『誹謗中傷』と聞いて想像されるような暴言もだいたいツイッターで言われていると思いますよ。ただ、"リングに立つからヤジが飛ぶ"。表現者として最も屈辱的なのは反応が無い事です。だから叩かれるほど、リングに立っている実感が湧いて、それが快感です」

女装に永久脱毛にプチ整形…うつ病を経て、今は自分がやりたい事・幸せだと感じる事をどんどん採り入れる生き方に

スポーツ選手だって、精神科医だってうつ病になるんです。「弱い人間がうつ病になる」は間違い


――リングに立つからヤジが飛ぶ、名言ですね! そしてメンタルが強いですね…。「うつ病になる人はメンタルが弱い」というイメージがあるので意外です。

「うつ病でよくある誤解のひとつですね。『弱いやつがなる。だから自分はならない』みたいな。僕はある時期からツイッターでうつ病の発信とかをするようになっていたのでホントにあらゆる業界の人から『実は私もうつ病です』って明かされました。プロ格闘家、オリンピック選手、消防士、警察、自衛官、ボディビルダー、政治家、教師、漫画家、小説家、俳優、芸人、YouTuber、医者、カウンセラー、営業、美容部員、雑誌編集者など、ホントにあらゆる業界の人が悩んでいます」

――なんだか一般的にはメンタルが強そうなイメージの職業、うつ病にはならなそうな職業が多いですね。

「そうですよね。でもいるんですよ普通にたくさん。メンタルが強い弱いなんて関係ないです。そもそもうつ病治療のプロである精神科医だってうつ病になるんですから、素人が考える『こういう人はうつ病になる・ならない』みたいな謎理論なんかあてになるわけないですよ」

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