うつ病&自殺未遂乗り越えた"メンヘラマッスル女装作家"に聞く自分らしく強く生きるヒント、誹謗中傷・偏見との闘いの日々を明かす
関西ウォーカー
僕自身が「うつ病になるのは弱いやつ」という考えだったんです


――周りの人に言われるまで病院には行かなかったのですね。最初は診断を受け入れられなかったのではないでしょうか?
「受け入れられませんでしたね。当時の僕は『うつ病になるのは弱いやつ』という考えでしたから、うつ病を認める=自分を弱いやつとランク付けする事になるので、ただただ屈辱でいっぱいでした。同時に『病気という事は、今自分に起きている異変は治るんだな』と、安心もしましたね」
――出版社の編集者や、まる先生の師匠や漫画家仲間はどんな反応でしたか。
「どうせバカにされるとビクビクしていましたが、全員から『ゆっくり休め』と言われました。そして何年も付き合いのあった人たちから『実は俺も昔うつ病だった』『公表してないけど私も通院中です』『友達にもいっぱいいるよ』と明かされ、『漫画業界にはそんな弱いヤツはいない』と思っていたぶん本気でビックリしました」


働けず、親から仕送りをもらい、ライバルに差をつけられ、耐えられず自殺に踏み切ってしまう
――そこから治療を1年半も続けて、その間にまる先生は自伝的なうつ病漫画をネットで発表されていますよね。
「『何でただの病気なのに明かすのに勇気がいるの?』って疑問に思って、少しでも理解が広まって同じように苦しむ人の救いになればと、リハビリも兼ねて体験談をアップしていきました。ただそれは回復しているって事ではないんです。働き盛りに何もレベルアップせずにただ毎日寝て過ごし、家族から『お前なんかより同居人の方がよっぽど大変だ』と言われても仕送りをもらうしかない生活がとにかく屈辱的で、早くリハビリして仕事に復帰したかったからというのもありました」

――順調に回復に向かっているかと思いきや、26歳の時に自殺を図ってしまうのですよね。お聞きするのも心苦しいのですが、何がきっかけだったのでしょうか。
「僕はずっと『うつ病になる前の自分』に戻る事を目標に治療をしていました。また毎日15〜16時間漫画を描いて休憩1時間の生活をする事を。そんな生活をしていたからうつ病になったのに、また同じ生活をしたら繰り返し。だったらこんな治療に何の意味も無いのでは?と、気づいたというか。『じゃあ早く死ななきゃ。頑張る意味が無いんだから』と思い、荷物をまとめる用のヒモを束ねて縄を作り、家にある薬を全部飲んでから首を吊りました」
――奇跡的に助かったのですね。
「ただただ運が良かった。ヒモが切れたんですよ。『何でだよ!』ってもう一度ヒモを用意しようと考えたところで気絶して、気づいたら救急車の中でした。同居人が仕事から帰ってきたら部屋で倒れている僕を見つけ、薬やヒモを見て状況を理解して救急車と警察を呼んだらしいです。医者が驚くぐらい僕は頑丈らしくて肉体的ダメージが無く、すぐに家に帰されたそうです。ただ、いつ同じ事をするか分かりませんから、家族も同居人も僕を精神科病院に入院させる事にしました。医療保護入院という形で閉鎖病棟への入院が決まりました」
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※2025年04月27日12時 時点の情報です
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