うつ病&自殺未遂乗り越えた"メンヘラマッスル女装作家"に聞く自分らしく強く生きるヒント、誹謗中傷・偏見との闘いの日々を明かす
関西ウォーカー
1日15~16時間は漫画を描く生活…「もっと頑張らなきゃダメだ」が、無意識に心を蝕んでいた


――精神科医もうつ病になるんですか! ミイラ取りみたいな話ですね。まる先生は漫画家になるのが子供の頃からの夢で、21歳でプロデビューを果たしたのに、24歳でうつ病を発症してしまうんですよね。責任感が強すぎる人はなりやすいと聞きましたが、まる先生も責任感の強い性格でしょうか。
「はい、主治医やカウンセラーからはそういう性格も発症に関係してるって言われましたね。僕は学生の頃から1日15~16時間は漫画を描いたり漫画の勉強をしたりする生活を、休み無しで6年続けました。仕事の締め切りを破った事なんか、もちろん1回も無いです。漫画家の世界は、多分普通の会社員とかと比べるといわゆる『実力主義』です。その世界で『僕は無名なんだから人気漫画家よりも頑張らなければ勝てない。休むヒマも遊ぶヒマもあるはずがない』と考えていました。発症した24歳の頃は、食事やお風呂やトイレみたいな日常生活も『漫画に関係ないムダな時間』と考えて、調理時間込みで1日1時間以内に抑えていましたね」

――壮絶な生活ですね…。漫画家になる前からそういう性格だったのでしょうか。
「でしたね。学生時代は勉強やスポーツで何度も表彰されていたのですが『僕は努力をしている。活躍できないヤツらは努力が足りない』と周りを見下していました。10代後半の頃は、休みも遊びも漫画家になるためにはムダなものとか考えてましたね」
――まる先生…イヤなやつだったのですね…
「カウンセラーさんも言っていたのですが、多分この極端な性格は家庭環境による影響が大きいんだと思います。僕の家族はみんな基本的に他人を見下すんですよ。僕もそれが当たり前だと思っていたので、他人も自分も減点方式で見るクセがあって、常に『もっと頑張らなきゃダメ。もっとムダを削らなきゃダメ』と自分にダメ出ししていました。セルフブラック企業化ですよね」
――生い立ちもうつ病に関係があるという事なのですね。24歳でうつ病を発症した時は、どのようにそれに気づき、病院に行く事になったのでしょうか?
「最初におかしいと思ったのは、5メートルくらい歩くたびに強い吐き気に襲われること。あと、なぜか外食が出来ない事でした。どんなにお腹が空こうが誰とお店に入ろうが、いざ食べ物が目の前に出てくると急に吐き気がして、お腹がガスが溜まったみたいにパンパンに膨れるんです。あとは睡眠薬をいくら飲んでも眠れないとか、仕事中に休憩しようと横になると体が固まって2時間くらい指一本動かせなくなるとか。それでも『サボるな!』って自分に言い聞かせ、自分で自分をボコボコ殴りながら無理やり漫画を描いていたんですけど、ずっとその様子を見ていた当時の同居人、今の妻が『休んだら? サボってるわけじゃないんだから』と言ってくれたとたんに涙が止まらなくなって。同居人の説得もあって病院に行きました。そして『重度の抑うつ状態の条件を満たしている』と診断されました」
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