「自分の気持ちを成仏させるため」。19万人の共感を呼ぶ育児マンガ、創作のきっかけとは
2歳の息子・よいたんの育児日記や、3人家族の日常にまつわるエピソードをキュート&ユニークな作風で描き出し、SNSへ投稿しているまぼさん(@yoitan_diary)。家事に育児に奮闘する一方、昼間はOLとしての一面も持ち、職場で起こった愉快なできごともマンガ化して紹介。子育てはもちろん、仕事からプライベートまで、さまざまな切り口で描かれたリアリティあふれる短編マンガには多くの共感が集まり、中にはTwitterで19万を超えるいいねを集めた作品も。今回は作者のまぼさんにインタビューし、マンガを描き始めたきっかけや、制作の裏側について話を聞いた。

――現在2歳の息子・よいたんとの毎日を中心に描いた、子育て中のママなら思わず「あるある」とうなづいてしまうようなエッセイマンガが人気を集めています。最近はどのようなことを意識して作品作りをされていましたか?
「外出自粛期間中、特に4月~5月あたりは世の中に少しピリピリした空気が流れていたため、みなさんのガス抜きになるように、日々の愚痴をコミカルに消化した投稿を心がけていました」

――確かに外出自粛期間中は、映像作品やマンガといった、自宅で楽しめるコンテンツに助けられた人も多かったと思います。ちなみに、この自粛期間や社会情勢が作品に与えた影響はありましたか?
「SNSへ投稿したものではありませんが、外部メディアで連載中のマンガでは『我が家のおうちあそび』などを題材にしました。一方でInstagramに投稿したマンガは、『とはいえ大変だよね…』と、おうちあそびに工夫するも結局消耗してしまう、私目線のマンガを投稿しました」

――最近育児や家族をテーマにしたSNSマンガが注目を集めているように感じます。このテーマで創作をしようと思ったきっかけを教えてください。
「恥ずかしながら自分でマンガを書き始めるまでは、コミックエッセイを載せている方がネット上にこんなにいらっしゃるとは知らず…(笑)。『Instagramに育児のマンガを載せるなんて!これは大発明!』と思っていざ投稿してみたら、エッセイを載せている方がたくさんいて、驚き&仲間がいっぱいでうれしかったですね」

――よいたんのユニークな言動に癒やされる方、まぼさんのリアルな育児ライフに共感する方が多くいるかと思います。マンガに使うネタを拾う・マンガ化する際に意識していることはありますか?
「そもそもSNSへの投稿を始めたのは、日々しんどく感じていた育児の悩みや愚痴といった、“あくまで自分自身の気持ちを成仏させるため”にマンガを描いたことがきっかけでした。このスタンスは今も変えておりませんが、息子とはいえ他人の私生活をネットに公開しているわけですから、『自分だったら載せて欲しくないこと』については、息子の話もマンガにしないように心がけています。大きなテーマについては、『あれも描きたい、これも描きたい…』といくつかストックはあるのですが、マンガの構成などはいつも描き始めてから考えています。なにぶん筆が遅いもので、マンガにしきれず消えていったネタもしばしばあります…」
――InstagramとTwitterで、投稿するエピソードやテイストを分けているような印象があります。SNSでマンガを発信することのメリットやこだわりはありますか?
「Instagramは、私のアカウントをフォローして見てくださっている方の割合のほうが多いですが、Twitterの場合は、リツイートで見てくれる場合も多く、フォロー外の方に見られるケースも多いです。なので、Twitterでは『あまり個人的な話に偏りすぎないほうがいいかな』と考え、比較的ライトに仕上げているつもりです」
我が子の成長や家族で過ごす時間を愛おしく感じる反面、予期せぬトラブルが次から次へと起こってしまうのが子育ての大変なところ。「休む暇もない!」というママたちも多いかもしれないが、疲れたときにはクスっと笑えるまぼさんの育児マンガを読んで、一息ついてみてはいかがだろう。
取材協力:まぼ(@yoitan_diary)