団地×女の子のイラストがエモい!幻想的なタッチに海外からも絶賛の声多数

2021年4月28日 17:00更新

関西ウォーカー

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「普通の団地のなかで起きる少し不思議なできごと」をテーマに、日常の中に紛れ込んだファンタジーの世界を、明るくはっきりした色使いとシンプルな太い線で描く丸紅茜さん。柔らかいけど元気のあるタッチとポップな色彩感覚が多くの人々を惹きつけ、フォロワー数9万人を超えるInstagram(@malbeniakane)では「エモい」「素敵な世界観」など、国内だけではなく海外からもコメントが書き込まれるほどだ。今回は丸紅茜さんのお気に入りや反響の大きかった作品を交えながら、発想のルーツや今後の展開などを聞いてみた。

「少年漫画みたいに」 2万以上の「いいね!」が付き大きな反響があった作品

「夜の青より青いから」 女の子同士の友情を描いている


独特の表現と色彩感覚のルーツはゲーム

東京都を拠点に会社勤めのクリエイターとしてイラストや漫画を発表している丸紅茜さんは、2015年から自主制作作品の発表を開始。2019年にはそれまでのイラスト作品をまとめた初の画集『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅茜』(翔泳社)が刊行された。

イラストの発想のルーツは、自分の日常の出来事や、友人や知人の話、噂や都市伝説、最近はまったおもしろい映画やドラマ、小説、漫画など、身近にあるいろいろなもの。「色合いやモチーフの描き方などは小学生時代に大好きだった『星のカービィ』の影響が相当大きい気がします」と、その作風やセンスはゲームのポップなキャラクターに感化されたようだ。

「空想の海」 2019年に出版された画集の表紙に使用された


団地をテーマに描くようになったきっかけについては、「上京してから長く住んでいた下町情緒ある東東京には、団地が多く、町並みに混ざってひときわ目立つそのレトロな佇まいに惹かれました。古さと新しさが混在し、ファンタジーの舞台として魅力的で、描いてみたらどんどんアイデアが湧いてき、今に至ります」とのことだ。

「南の海から」 丸紅茜さんの故郷である沖縄を舞台にした旅行漫画の同人誌の表紙 

「お菓子も、いたずらも、あるんだよ」 ハロウィンがテーマ

「可能性の迷宮」 オランダの画家・エッシャーのだまし絵へのオマージュを感じる作品

「召喚魔法は門外不出」 召喚魔法を行う女の子たち 


会社員として仕事も軌道に乗り趣味の創作を再開

小学生の頃からマンガを描き友だちに読ませていたが、中学生になってからはぱったりと描かなくなり、再び描き出したのは受験勉強を終えて大学に入ってから。しかし就職などもあり、また絵を描くことから離れてしまう。

「2015年ごろからTwitterに趣味で描いたイラストを投稿。社会人になって忙しくなり、それまで3年弱ほどは完全に描くのを止めていたのですが、仕事も軌道に乗ってきたので、また趣味の創作を再開してみようかなと思いました」

「こおりおに」 テーマは節分

「春が光る」 桜が舞い散る春らしい作品


Twitterをやめたことをきっかけに、2020年からはInstagramで投稿を開始したそう。

「おもにTwitterで作品を公開していたのですが、続けていく中でネガティブな情報の多さや裏の人間関係など、いろいろな理由で精神的に抵抗を感じるようになっていきました。2020年初頭に、それ以外にも多忙や体調不良などいろいろなことが重なって自分で続けていくことに限界がきてしまい、もう潮時だと思ってTwitterから離れることにしました」

「筒井漫画瀆本ふたたび」 これまで丸紅茜さんが商業依頼で描いたものの中でも「とても光栄でした」と、特にお気に入りの作品。『筒井漫画瀆本ふたたび』カバーイラスト(実業之日本社)

「本の外へ」 2020年に『SFマガジン』(早川書房)の表紙を飾った。<SFマガジン>2020年6月号表紙(早川書房)

「空のあらゆる鳥を」 2020年に海外の長編SF小説の翻訳で使われたチャーリー・ジェーン・アンダーズ『空のあらゆる鳥を』(市田泉訳、創元海外SF叢書)


言葉を超えて世界の人たちに伝わるのがうれしい

Instagramでの反響を聞いてみると「最初は全然で、Instagramを始めることをTwitterでも何度か告知したのですがフォローしてくれる人はほとんどいませんでした。でも次第に海外のオーディエンスが付いてくれるようになり、今ではTwitterより反響もかなり良いです。本当にありがたいことだなと思っています」。

「新年快楽」 中国系のフォロワー向けに描いた旧正月を祝うイラスト

「砂漠の果てのブルー」 ウズベキスタン旅行を描いた同人誌の表紙。ウズベキスタン在住の人からコメントが多くあったそう


海外からも注目されていることについて「自分がイラストで表現している発想や雰囲気などは言葉を超えて伝わるものなのだとうれしくなりました。おもに英語でやり取りしていますが、毎回ひとひねりあるおもしろいコメントをくれる方がいたり、DMでロックバンド『ヨルシカ』をおすすめしたら気に入って聴いてくれる方がいたりと楽しく交流しています。昨年はコロナで旅行にも行けなかったですし、旅先で現地の方とお話する代わりみたいな感じで、よい気晴らしになりました」と話してくれた。

「つばさ」 渡り廊下で結んだ団地(集合住宅)の形式『ツインコリダー』という建築様式を描いている

「おちてた」 『2008年の男子高校生』というネタを投稿しているインスタグラマーが好きな丸紅茜さんは「この後ろの子はかなり2008年感あると思います(笑)」

「ハローCQこちらは地球」 大きな月が印象的

「むかしむかし、あるところに」 ブルーの色使いにノスタルジックな雰囲気が漂う


2021年は作品集や単行本を出す予定も

Instagramには、なるべく週に1回投稿。ただ、「自分の人生も世相もどんどん移り変わっていく中、考え方も感じ方も変化していくので、この作風で描けなくなる時はいずれ来るだろうと思っています」と制作をする上での葛藤もある。けれども「詳しいことはオフレコですが、今年は画集や単行本の刊行、映像作品の制作などにチャレンジしていく予定です」と今後の展開や目標を前向きな姿勢で語ってくれた。

「魔法陣」 海外のフォロワーからのコメントが多い神秘的な作品

「夜を待つ」 迫力ある天体望遠鏡がカッコいい

「大怪獣の夜に」 3人の表情にいろんな想像を駆り立てられる。初出:「CLIP STUDIO PAINT」プロモーション用イラスト©CELSYS,Inc.

「夜は二人を咎めない」 「どこへ行くんだろう?」とロマンチックな想像が膨らむ


ファンタジックで壮大さや情緒のある丸紅茜さんのイラストは、見る側のイマジネーションを高めてくれる。2021年は作品集などでも楽しめそうなので心待ちにしたい。

取材・文=下八重順子

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