会話後1人で反省会…“コミュ症”あるある漫画が笑えてせつない。「笑ってもらえるのが一番本望」

話したくても話題が見つからない、会話後1人で反省会、会話をする状況を避けるために帰る時間を見計らう、遊びに誘われうれしさと不安でいっぱいいっぱい……など、人付き合いが苦手な「コミュ症」のあるあるエピソードを描いた漫画が反響を集めている。作者のジョセフ鶴屋(@yukkurishitette)さんは、2019年から漫画「コミュ症人間」シリーズをTwitterに投稿。各エピソードには「あるあるすぎて泣く」「私もこうなる」と読者からの共感のコメントが寄せられている。今回はジョセフ鶴屋さんに、同シリーズを描き始めたきっかけや創作でのこだわりを聞いた。

会話の後一人で反省会……人付き合いが苦手な「コミュ症」のあるあるエピソード画像提供:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)


“避難所”で同僚とエンカウント…実体験から生まれた「コミュ症」あるある


――「コミュ症人間」シリーズを描き始めたきっかけを教えてください。

「シリーズ第1話の冒頭部分は完全に実体験なんです。コミュ症の自分はお昼は絶対『一人で食べる!』と決めていて、会社を出て人気の少ないところに避難するんです。何故ならそれが“心の休息”だから。しかし、お昼に行った定食屋で、たまたま他部署の人の真横に座ってしまったんですよ!最初全く気付かなくて、相手の方に声をかけられてめちゃくちゃ噛み噛みのリアクションをしてしまうところまで、完全にノンフィクションなんです」

「コミュ症どうしがエンカウントするとこうなる」(8/28)画像提供:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)


「そして、その後二人の会話はゼロ。もうこれでもかというくらいの沈黙。普通、『今日寒いですね』とか、『お魚好きなんですか?』とか、ちょっとくらい会話しそうなもんじゃないですか。でも、本当に無言。そして無言空間だからこそ際立つ頭の中のどよめき!その時にふと気づいたんです。『これ、自分だけじゃなくこの人もコミュ症だろ!』と。もし、相手も同じようにパニックになりながら沈黙しているとしたらこりゃめちゃくちゃ滑稽だな……、と思ったエピソードをそのまま漫画にしました」

――実体験がベースなのですね。先日投稿された「春と 新入社員と コミュ症と…」にも元ネタがあるのでしょうか。

「先日わが社に新入社員が入社してきましてですね。すこし緊張している様子でそれはそれは初々しい。『わしも昔はああじゃった…』なんて思いながら、上司に確認報告の為に席を立った瞬間……。自分の心臓の音がうるさい!『あれ、これ自分のほうが緊張してるんでは!?』と思い、その当日に描いた漫画でした」

「春と 新入社員と コミュ症と…」(1/2)画像提供:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)


それぞれの人が抱えている「何か」に引っかかってくれたら


――読んでいて「あるある」と感じる反面、せつない気持ちにもなってしまいます。漫画として描く上での心境は。

「基本的に何かしら実体験を元ネタにして描いていることが多いので、自然体で描いている感じかもしれません。自分の体験じゃない時もあるんですけど、その場合も知り合いの人間関係のいざこざ等々がベースになっていたりします。……知り合いといっても赤の他人ですけどね!」

――漫画を描く際に意識しているポイントやこだわりはどんなところですか?

「このシリーズはコミュ症の主人公が2人いるんですが、『コミュ症同士がエンカウントするとどうなる?』というテーマで描いています。ただ、普段描いている4コマ漫画のシリーズではあえてこの二人を『エンカウントさせない』ようにしています。その後、ページを多めにとるショート漫画のほうで満を持して2人をエンカウントさせることで、コミュ症同士だからこそのどうしようもない化学変化が起きる気がしていて『描くの楽しい~!』ってなります。そこがこだわりといえばこだわりです」

――これまでのシリーズで読者からの反響が多かったエピソードを教えてください。

「『コミュ症は会話した後にこうなる』は何気なく描いたエピソードだったんですけど、予想以上に反応を頂きました。いつもコミュニケーションがうまくいかなかったことをずーっと頭の中で繰り返し反省しちゃうんですよね……。たくさん反応を頂いて、『自分だけじゃなかったのか……』とむしろ励まされました」

コミュ症は会話した後にこうなる(1/2)画像提供:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)


――読者にはどんな風に読んでほしいですか?

「自分はコミュニケーションが苦手で、『生きづらい世の中だ……』と思っていたこともありましたが、今はそれを漫画の題材にできているので、むしろコミュ症でよかった!と思っています。そんな風に開き直って描いている漫画です。どんな反応だとしても、それぞれの人が抱えている『何か』に引っかかってくれたらうれしいです。でも笑ってもらえるのが一番本望ですね!」

シリーズは現在もジョセフ鶴屋さんのTwitterやブログで更新中なので、ぜひチェック!

取材協力:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)

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