漫画「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」が共感呼ぶと話題に。自分の親と重なるという声も

2021年5月17日 17:30更新

東京ウォーカー(全国版)

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徘徊してしまう母を見つけた息子が、連れ立って知らないトンネルを通ると自分も母も若返っていた――。不思議なトンネルを舞台に親子の絆が描かれる漫画「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」がTwitterで話題だ。

【漫画】「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」本編を読む画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


電気こうたろう( @gurigurisun )さんがTwitterに投稿した同作品。年老いた母を連れ帰る途中で入ったトンネルの中で、手を繋いだ母があの頃の姿に戻っていることに気付く。手を引いていたはずの息子もいつしか母に叱られながら帰る子供になっていて、そのトンネルはかつて遠くの友達と遊んだ帰りに迷子になった時、探し出してくれた母と通った道であることを思い出す。

「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」(2/4)画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


トンネルを抜けたらあの頃に戻る魔法は解けてしまうことを察した息子は、老いた母を叱ってばかりの“今”を嘆き「おれ…帰りたくないよ」と泣きながら伝える。そんな息子に「母ちゃんはそんなことであんたをきらいになんかならんよ」と優しく諭し、「さぁさぁ帰ろうね」とトンネルの出口に向かって歩いていく――。

「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」(3/4)画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


4ページという短いページ数にもかかわらず、不思議な情景とともに描かれる家族の関係を描いた同漫画は、1万件を超えるいいねがつくなど反響を呼んだ。読者からは「心がギュッてなる作品でした」「亡くなった母を思い出します」と、自分の親とも重なることもあって共感のコメントが多く寄せられている。

読者からの反響に「薪がくべられたような気持ち」

作者の電気こうたろうさんに本作を描いたきっかけを聞いたところ、「作品を描く一週間ほど前から“時間”というものが気になっていて、時間に関係したものを描こうと決めたのがひとつと、昔自分で作った歌の中に『母の手を引いてどこまでいく いつか忘れても奥の方でひかるなにか』という歌詞があってとても気に入っていたので、この雰囲気を使いたいなと思ったのがきっかけです」と話す。

「トンネルの中で昔の母さんに会えた話」(4/4)画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


今回の反響には「ご自身の体験を話してくださる方も多くて、それがとてもありがたかったです。苦しい時のお話や人の営みのうつくしさを感じるお話だったり、そういう本人しか知らないエネルギーが強いお話を聞くと、心の中の炉に薪がくべられたような気持ちになり、次の漫画に向かう勇気が湧いてきます。なので本当に大事なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!」と、読者の言葉やそれぞれのエピソードに勇気をもらえたという。

寂しさや悲しみの中にある美しさを求めて

漫画を描きはじめる以前はバンド活動をしていたという電気こうたろうさん。「ステージに立って生で演奏するという行為が向いてないなと気づいてバンド活動はやめました。時間をかけて取り組めて、完成までに何度でも修正できて、ひとりでできることがいいなと」という思いから漫画を描き始め、現在ではTwitterやnoteで多くの漫画を発表している。

「1年に1度記憶が戻る人たち」(1/4)画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


電気こうたろうさんがTwitterで発表する作品の多くは4ページで完結している。決して長くはないページ数でありながら、独特の雰囲気とメッセージが伝わってくる作品ばかりだ。こうした作風については「4ページなのはツイッターで読んでもらうにはちょうどいいページ数かなと思ったのと、一週間に一度ネットにアップするにはそのページ数が自分の限界だから」という理由からだという。

テーマについては「もともと不思議な話が好きでそれだけで描いていた時期もあったのですが、寂しさや悲しみの中にこそ“うつくしさ”があると気づいて、それからは不思議な設定の中でいかに感動できるかを模索してやっているところです」と話し、「嘘っぽい表現にならないように気をつけていることと、どんなキャラクターに対しても愛を持って描こうと決めています」と創作上のこだわりを教えてくれた。

まんが「なにもいらない」(1/32)画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


電気こうたろうさんの新作は自身のTwitterで随時発表されている。noteには4ページ以上の漫画も含め、作者おすすめの作品がまとめられている。不思議で悲しく、でもどこかあたたかい漫画を探している人はぜひ一度読んでみてほしい。

取材協力:電気こうたろう(@gurigurisun)

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