不良が目指すのは人気YouTuber!?80年代ツッパリ×現代の異色マンガが笑えると話題に
短ランとボンタンの改造制服、ビシっと決めたポンパドール、そんなまさに80年代スタイルの不良少年がYouTuberを目指す漫画が笑えるとTwitter上で人気を集めている。
話題となったのは、漫画家の齊藤万丈(
@BAAANG_joe
)さんが自身のTwitterに「YouTuberになろうとする不良の漫画」として投稿した作品。別冊ヤングチャンピオン2021年6月号に掲載された『バズってやろーじゃねーか!』を再掲したものだ。
自身の育ての親で憧れの存在だった“オヤジ”が姿をくらませて以来、ずっとその所在を追い求めていた主人公。ある日、“オヤジ”が10万人の登録者数を集める人気YouTuberとして活動していることを知る。YouTubeを通してコンタクトを取ろうにも、メッセージを送ろうにも、手段がなく途方に暮れる主人公。そんな時、自分もYouTuberとしてバズり話題になれば、“オヤジ”からコラボ動画の誘いがかかるのではと閃いて――。本作は、80年代の不良漫画の絵柄やノリと、YouTuberという現代のトレンドを組み合わせたギャグ漫画だ。

作品には3.1万件以上のいいねがつき、読者からは「朝から爆笑しました」「突っ込む隙もないくらい畳み掛けてくる」とギャグを評価する声や、「昔の不良漫画感がある絵で好き」といった反響も多く寄せられている。
「80s・ツッパリを描きたい」と語り、本作以外にも昔ながらのツッパリが登場する作品を数多く描いている齊藤万丈さん。本作執筆のきっかけやツッパリへのこだわりについて話を聞いた。
80年代のツッパリ×現代トレンド、“大真面目にふざけてる感”を意識

――『バズってやろーじゃねーか!』を描かれたきっかけを教えてください。
「元々不良と何かを組み合わせて話を作るのが好きなので、日頃見ているYouTubeと組み合わせてみたくなったのがきっかけです」
――Twitterの再掲で3.1万以上のいいねがありました。反響についての感想を聞かせてください。
「やっぱりギャグ漫画なので、面白いとか笑ったというコメントがシンプルにとても嬉しかったです。ガッツポーズしました」
――80年代の不良漫画をリスペクトしていながら、現代風のカルチャーを落とし込んでいるのが印象的です。
「絵柄と内容のギャップというか、大真面目にふざけてる感を出せるように意識しました」
漫画家としての出発点は「少女漫画」、ツッパリに惹かれた理由とは?

――Twitterの自己紹介欄にも「80s・ツッパリを描きたい」と書かれていますが、漫画を描き始めたころからこの思いはあったのでしょうか?
「漫画家を志したキッカケは少女漫画だったので、今の作風になったのは本当に最近です。最初の頃はひたすらキラキラな女の子とかを描けるよう頑張ってました」
――ご自身で「こういうところが好き」という点があれば教えてください。
「昔のツッパリがやってる髪型とか制服の着こなしが単純に好きというのもあるんですが、あんなイカつくて渋い見た目なのに、中身は何だかんだ言って年相応なんだなあと思うところが好きになった理由です」
――今後、「こんな作品を作ってみたい」などの目標はありますか?
「『不良漫画は苦手で読みにくい……』という方でも読みやすい不良漫画が描きたいという気持ちが常にあります。硬派とは言いにくいかもしれないけど、愛嬌のある不良漫画を目指していきたいです」
商業誌のほか、Twitterでもオリジナル作品を発表している齊藤さん。現代ならではのアレンジがユニークな不良漫画から今後も目が離せない。
取材協力:齊藤万丈(@BAAANG_joe)さん