【漫画】コロナで結婚式が延期。申し訳なさを楽しみに変えた美容師のサプライズ

人生でも最大級のイベントである結婚式。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で、やむをえず挙式が延期や中止になったカップルも多いと聞く。

テレビ東京で働きながら漫画家としても活動している真船佳奈さん(@mafune_kana)も、そんな経験をした一人。結婚式を2回延期するなかで自覚した本心や、長期間髪をケアしてくれた美容師さんとのエピソードを描いた漫画に、共感の声が寄せられている。今回は真船さんに自身の体験を漫画にしようと思ったきっかけや、創作活動について詳しく聞いてみた。

コロナ禍で結婚式を2回延期した、自身の経験を漫画に


Twitterでの拡散をきっかけに、兼業漫画家へ

真船さんはテレビ局で働く傍ら、エッセイ漫画を描く兼業漫画家だ。2017年10月に実録コミックエッセイ「オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます」でデビュー以来、現在も2足のわらじを履く生活を送っている。

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そもそもテレビマンがなぜ漫画を描こうと思ったのか、きっかけについて聞いてみた。

「もともと絵を描くのは好きだったのですが、テレビ局のADとして働くなかで『変だな』、『面白いな』と思った出来事を絵日記のように描いていたのが始まりです。その絵日記のような漫画のようなものを会社の先輩がTwitterで拡散してくれたのをきっかけに出版社さんからお声がかかり、2017年に漫画家デビューしました」

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さらに今年の初めからはほぼ毎日SNSに漫画をアップするようになり、想像以上に多くの人に読まれるようになったそう。毎日アップしていると、ネタには困らないのだろうか。

「日記感覚で漫画のネタをメモして、描きたい順にどんどん描いています。テーマを決めてから描くという意識はあまりなくて、『友達に面白いことを話す』くらいの感覚です」

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また、漫画を描くにあたってのルールやこだわりについても教えてくれた。

「気軽に読んでもらえるものであってほしいし、私もいきみすぎると続かないので、ネットにあげる漫画は簡易的に描けることを重視。なのでネームや下書きは一切せず、一気に完成させています。私がめんどくさがりなのもありますが、たまに『勢いがあるね!』と言われるのは、あんまり下準備しないが故のスピード感かもしれません笑」

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結婚式を延期したエピソードに、同じ境遇の花嫁から共感の声多数

日常に潜む面白さを切り取った真船さんの漫画には、思わず吹き出してしまうほどのパワーがあり、何も考えずに楽しくなれるところも魅力の一つ。しかしコロナ禍で結婚式をやむなく延期した話は、これまでの漫画と少しだけテイストが異なる。このエピソードを描こうと思ったきっかけについて、聞いてみた。

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「当時多くのカップルが延期や中止を余儀なくされたと思うのですが、あの頃はまだ『コロナ』という未知の恐怖に皆が怯えていて、基準が全て『不要不急かどうか』だった時期でもありました。そんな状況で『結婚式を延期して悲しい』思いすら、呟くのもはばかられて。『亡くなっている人もいるのに、自分たちは結婚式で悩んでるなんて言えない…』みたいな気持ちの人、当時はたくさんいたのかなと思います。この思いを漫画にして発信したら、同じ境遇の人に何か感じてもらえることもあるのかな?と思い、描きました」

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結婚式を2回延期し同じ準備を繰り返すうちに、列席者や関係者への申し訳なさが膨らんできたという真船さん。しかし当日のために髪の手入れをお願いしていた美容師さんからのサプライズを受けて、ようやく「結婚式を楽しんでいいんだ」という気持ちになれたそう。

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真船さんの思いが込められた漫画に読者からの反響も大く、同様の経験をした方からのメッセージも多く届いたという。

「最初は、『こんな時期に結婚式の話題なんて!』とお叱りの声をいただくかな…とビクビクしていたのですが、同じ境遇の花嫁さんから、たくさん共感のDMやコメントをいただきました。そしてそのほとんどが、『この気持ちを漫画にしてくれてありがとうございます』といった内容でした。また、娘さんが結婚式を中止されたという親御さんからも、メッセージをいただいたりしました。普通に式を挙げていたら、こんなに多くの花嫁さんたちと気持ちを通わせることもなかったかもしれません。勇気を出して発信してよかったなあと思いましたし、結婚式が挙げられなかった皆さんにも、何らかの形でおめでとうを伝えたいなと、心から思いました」

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最後に読者へのメッセージをお願いすると、「これからも気楽にフフフと笑っていただけたり、ちょっと共感していただけるような漫画を発信していきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします」と答えてくれた。

真船さん独自の感性で、何気ない日々のなかの面白さや発見を切り取った漫画の数々。これからも更新を楽しみにしたい。

取材・文=石川知京(ウォーカープラス編集部)

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