【試し読み】「退屈な日常を破壊する都市伝説」瞑想で意識を拡大/灯野リュウ(ミルクティー飲みたい)
2021年12月より、動画サービス「niconico」にて、ニコニコチャンネル
「ミルクティーの裏側の世界」
を配信中の都市伝説系YouTuber・ミルクティー飲みたい氏(灯野リュウ)。ここでは、彼が上梓した書籍
「退屈な日常を破壊する都市伝説」
の一部を紹介するので、ぜひチェックしよう。

瞑想で意識を拡大
瞑想しているところを見られるのは恥ずかしい。
人々が社会の一員として日々労働している中、座禅を組んでいる光景というのはなかなかに滑稽だ。
外でやろうものなら通報されるか、小学生に仙人というあだ名をつけられるだろう。それぐらい現代では座って目を瞑っているだけの状態というのは異質だ。誰にも見られないように、部屋のすみっこでこっそりやるのがいい。
瞑想と宗教の切っても切れない関係
南青山にスピリチュアル専門の書店がある。そこには本以外にも、ちょっと怪しい雰囲気の外国のパッケージに入ったアロマキャンドルとかオイルが売っていたりする。
そういうのを見つけると試したくなるタチなので、それを買っては家に帰って部屋を暗くして、ロウソクの灯を眺める。すると意識が徐々にフワフワしてくる。何か精神に良い効果があるのかはわからないが、なんか楽しくてハマっていた。多分ヤバいやつは入っていないと思う。
瞑想と宗教は深い関わりにある。瞑想は仏教やヒンドゥー教、道教など、さまざまな宗教で用いられている修行法の一つとされている。
瞑想のやり方はいろいろあって、座ったり、横になったり、歩いたりしながら、リラックスできる状態で呼吸を整え、自分の精神を一カ所に集中させることで意識を拡大していく。
釈迦は、インドの菩提樹という有名な木の下で一週間の瞑想をすることで悟りを開いたといわれているらしい。
中には即身仏といって、箱に入り生きたまま土の下に埋められ、その中で念仏を唱えることで悟りの境地に達するという修行法もある。そのあと掘り起こされたミイラは仏として祀られるのだが、ただ埋まっていても状態のいいミイラにはならないので、虫除けの漆を飲むという。漆は人体には毒なわけだからとてつもなく苦しいだろう。
こんな話をしてみんなもぜひやってみてね!とは言えないわけだが、本気で命をかけて悟りを開こうっていう人に、あぶないからやめときなよって言うつもりもない。
しかし、自ら穴を掘って入るにしても、土をかぶせて掘り起こす人が必要だ。人が死ぬのを手助けしたり、墓を掘り起こすことはどうやら法的にアウトらしいということもあって、仏と法はどっちが上かという哲学的問題にぶつかる。ややこしい。

瞑想できない人は散歩をすればいい
歩くことは物理的な移動という目的の他に、心の風通しを良くするという目的があると思う。用がないからといって、一日中一カ所にい続けるのは精神衛生上良くないだろう。だから散歩をする。見える風景も温度も、風の強さも向きも、空の色合いも季節も、咲いている花も歩いている人の服装も、街の音も公園の匂いも、すべてが微妙に移り変わっていくので、同じ散歩はない。心もリフレッシュされる。
刻一刻と世界は変化していて、歩いている自分も風に揺れる葉っぱも犬の鳴き声も世界の一部として存在し、複雑に絡みあって世界ができている。この複雑さと比べれば世の大半の問題が、問題と認識されていることすらも不思議に思えてくる。そして逆に自分の心を映し出したものが世界だという認識も生まれる。
散歩というのは自分と世界を行き来して、自分が今どこを歩いているのか確認する作業でもあるのだ。
もし三分でも座っていられないという人は、歩いてみてほしい。目的地は、そういえば前にあの辺にホームセンターがあったなとか、行ったことないスーパーがあったはずだからついでに夕飯の惣菜でも見に行くか程度でいい。
綺麗なお姉さんを見かけたらそれだけで一日得をした気分にもなるだろう。

なお、ミルクティー飲みたい氏の
ニコニコチャンネル「ミルクティーの裏側の世界」
は月1回、生配信(月額550円)。チャンネル会員になると、会員限定パートを含む生放送全編を見ることができる。次回は3月25日(金)19:00〜を予定。
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