【漫画】「介護は、親を自分の子供だと思って接する?」子供のようなワガママを言う認知症の父親を描いた漫画に共感の声

親の介護は、ときとして“親と子供の立場”が逆転する。ケアマネージャーからのアドバイスで、「父親を子供だと思って接すること」に不安を覚えながらも、認知症の父親と懸命に向き合おうとする実録漫画が話題となっている。
この漫画を描いたのは、「発達障害グレーゾーン」の特性を持つ
クロミツさん(@kuromitsu1510)
。「甘え」「怠慢」と世間から疎まれる“生きづらさ”を描いた作品
『灰低 生きづらい+グレーゾーン』
や、脳腫瘍に苦しむ父親の介護生活を描いた『電子書籍と親父の介護』を発表している漫画家だ。
今回紹介するのは、介護を通して家族に向き合うシリーズ
『令和介護録270日』
の19話と20話。父親がデイサービスに通うようになり介護の負担が軽減されたクロミツさんだったが、ケアマネージャーから「お父様を自分の子供だと思って接してください」とアドバイスを受け、ちょっぴり困惑。


「子供だと思って接する」と聞き、咄嗟に浮かんだのがレトルト品の炊き込みご飯。いざ試してみると父親はまるで子供のように「これすごく美味しいいよォ~」と大喜び。一方で、薬を飲ませようとすると「薬は飲みたくないよ!」と頑なに抵抗し、ポイッと薬を庭に投げ捨ててしまう。


薬を投げ捨てるというワガママな行為に、「どういうつもりだ!?」と思わず声を荒げてしまうクロミツさん。そのケンカは、たまたま通りかかったご近所さんたちの仲裁で事なきを得たが、クロミツさんはご近所さんに迷惑をかけたことを恥じて憂鬱な気分に。


ちょうどそのとき、母親の1周忌が近づく。1周忌の話をすると泣き出す父親。母親が亡くなった悲しみを引きずっているようだった。


1周忌では弟や親戚が集まったが、父親は参加を拒否。法事も無事に終わり帰宅している最中、先に帰宅した弟から「父親が家にいない」と連絡が入る。急いで探しに出かけると、父親は家の近所を徘徊していた。すぐに見つかり大きな事件にはならなかったが、母親の1周忌すら無事に終えたと言えず、肩を落とすクロミツさんだった…。
漫画を読んだユーザーからは「子供だと思って接する。それだけ忍耐を持って接する事が必要なのでしょうね」「親父さん、留守番出来ませんでしたか…」と思い通りに行かない介護の難しさに共感が集まった。
忍耐が必要となる家族の介護。クロミツさんが描く介護漫画は、近い将来介護を行う人たちにとって参考になるはずだ。
画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)