【漫画】破らざるをえなかった「見るなのタブー」。恐ろしくも切ない短編ホラーが話題に
見てはいけない、呼びかけに答えてはいけない、心霊や都市伝説で破ると惨劇を招く「タブー」。けれど、禁忌と知っていても止められない一線を越えてしまったら――。恐ろしくも切ない短編ホラー漫画がTwitterで反響を呼んでいる。

人間だからこそ「知らぬフリ」ができない、人ならざるものがもたらす悲劇
話題となったのは、漫画家の的野アンジ(
@matonotoma
)さんが4月、自身のTwitterに“「それ」が見えても、とにかく知らぬふりをしろ。”というコメントともに投稿した作品。

小さい頃から、他人には見えない異形の存在が見えた男の子「秀一」。異形を恐ろしく思う秀一にとって唯一の理解者は、同じくそうした存在が見える祖母だった。

祖母は「あんまり構うと連れていかれる」「だから全部知らないふりをしなさい」と秀一に説く。祖母の言葉通り、無視しているうちに異形は彼の視界からいなくなり、平穏な日々を送れるようになった秀一。異形は時に避けられないような形で秀一に自身を見させようとするが、罠にはまってしまった時にも穏やかな祖母のそばにいれば、そのうちに見えなくなるのだった。

だが数年後、祖母は不審な死を遂げる。「本物の人と間違えて無視ができなかったのかもしれない」と、祖母を亡くした悲しみと、逃げ場を失くした恐れに暮れる秀一。そんな時、彼の前に亡くなった祖母の顔そっくりの異形が現れる。最愛の祖母の姿で気を引こうとする異形を無視しようとする秀一だが、異形の行動はエスカレートし――、という物語。

本作は、的野アンジさんが「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載中のホラーオムニバス漫画『僕が死ぬだけの百物語』に収録されている一篇。その避けようのない物悲しい結末がユーザーから注目を集め、Twitterへの投稿には2900件以上のいいねが寄せられた。
画像提供:的野アンジ(@matonotoma)