【漫画】我が子への鎮魂のはずが、子供の霊は苦しみ――。生者と死者のすれ違い描くホラーに反響
東京ウォーカー(全国版)
どうしても受け入れがたい、我が子を失う哀しみ。残された親は、せめてもの供養にと手を尽くすが、亡くなった子供がどう受け止めているのか知る術はない。そんな「亡くなった子供」の側のもしもを描いたホラー漫画に、「思いもしなかった」と反響が集まっている。
「安らかに逝けるように」両親が祈るほど、苦しんでしまう子供の霊
話題を呼んでいるのは、漫画家の的野アンジ(
@matonotoma
)さんが4月、自身のTwitterに「少年が成仏できない理由。」というタイトルで投稿した短編作品。
自分の遺影が飾られた仏壇と、泣き崩れる両親を目の当たりにする一人の少年「ひろと」。幽霊とおぼしきひろとは、母の涙をその手でそっと拭おうとするなど、生前と変わらぬ両親への愛を見せる。
だが、お線香が焚かれると様子は一変。「臭い!!」と線香の香りに悶え苦しみ、その手で火を握りつぶしてしまう。突然消えた線香に、ひろとがまだこの家にいると感じた母は、息子が死後もこの家に囚われていたらあまりにも可哀想だと涙する。
それを見たひろとの父は、妻の気をなだめようと、家の中で清めの塩を撒く。その塩がひろとの霊に振りかかると、たちまち肌が焼けただれ、激しい痛みに襲われてしまう。霊であるひろとの「やめて…」とつぶやきが聞こえるはずもなく、両親は神職を招き儀式を行うことを決める。
「ひろとを自由にしてやってください」「どうか、無事に逝って…」と心から祈る両親だが、ひろとにとってはそれは責め苦の儀式。「三人で一緒にいたい」という気持ちは届かず、ひろとはやがて焼き尽くされる。それを知らない両親は、これで安らかにあの世へ旅立ったと信じるばかりだった。
本作は、的野アンジさんが「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載中のホラーオムニバス漫画『僕が死ぬだけの百物語』に収録されている一篇。我が子への祈りがすれ違ってしまうこの哀しいエピソードには、Twitterユーザーから6400件以上のいいねとともに、「よくこんな事思いつくな」「その行為が本当にあちらの人が望んでるかどうかなんてわからんところが怖いですね」と、その発想や独自の視点に驚きの声が寄せられた。
画像提供:的野アンジ(@matonotoma)
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