【漫画】「まだそのレベルじゃないんで」講師と漫画家志望の「あるある」なすれ違いに3.6万いいね
本業のかたわら、イラスト専門学校の講師をしていた漫画家。「漫画家になりたい」と語る学生との、悲しくも「あるある」なやり取りを振り返った漫画にTwitter上で多くの反響が集まっている。

『人見知り専門家庭教師 坂もっちゃん』や『専門学校JK』(※「ほっけ様」名義)などの商業作品で活躍しながら、Twitter上で投稿した絵日記漫画をまとめた無料配信の電子書籍『ぬこー様ちゃんとウコンの部屋 ぬこー様ちゃん絵日記集』でも反響を集める、漫画家のぬこー様ちゃん(
@nukosama
)さん。中でも話題を呼んでいるのは、5月20日に投稿された「止まらない漫画家志望と漫画家の話」というエピソードだ。

「何を言っても止まらない」と思いながらもアドバイス、「描かない」人との会話に涙
イラスト系の専門学校で講師を務めていたころ、時折漫画の指導もしていたというぬこー様ちゃんさん。ある時、漫画家を目指していると語る学生に「どんな漫画描いてるの?」と訊ねると、「まだそのレベルじゃないんで描いてないです」との答えが返ってきた。

「もっと画力上げてから描きたい」「俺完璧主義なんすよね!」「プロットは練ってあるんで」と饒舌に語る学生に、先輩漫画家の経験から「この手のタイプは何を言っても止まらない」と、黙って聞いていたぬこー様ちゃんさん。
だが結局、親切心が抑えきれずに「でもいきなり大作を描こうとするのはおすすめできないな!似たようなこと言ってる子たくさん見てきたけどみんな結局1作品も完成させずに消えてったよ?」と、まずは短い作品でもいいから完成させるようアドバイスする。

その言葉に「貴重なお話ありがとうございます」と礼を言って立ち去る学生。ぬこー様ちゃんさんは後ろ姿を眺めながら「俺はそいつらみたいにはならないけどな!っていう顔みんなするんだよなあ」と、やはりお決まりの反応を返されたことに涙するのだった。
同様の経験をしたユーザーからのコメント多数、夢を語る人の「完璧主義」

せっかくのアドバイスが届かないすれ違いのせつなさにくすっとしてしまう一方、漫画に限らず大きな夢を持つ人には心当たりが少なからずありそうな同エピソード。
Twitter上では3万6000件を超えるいいねが集まるとともに、ユーザーからは「初プレーからホームラン打とうとしますよね」「まず短くても描き上げる、のがなにより大事なんだよなぁ」という反響や、漫画家志望の学生のようなスタンスでいた、また作者同様にアドバイスが届かなかったと同様の体験を語る人のコメントが多く寄せられた。
このエピソードに、「失敗をおそれる気持ちはよくわかりますが、それを避けて創作活動することは不可能です!」と補足していたぬこー様ちゃんさん。同様のやり取りは講師時代に何度となくあったそうで、「こじらせ具合がゆるい子はちゃんと話を聞いてくれましたが、漫画で描いたような目がキラキラしたタイプは一度も止められませんでした。無念です」と、当時の歯がゆい心境を教えてくれた。
取材協力:ぬこー様ちゃん(@nukosama)