【漫画】仕事を辞める=必要とされていない、ということ?「必要」の気持ちが支える毎日について考えた
看護師でありシングルマザーであるまゆんさん(@mayun4311)。自閉症スペクトラムがあり特別支援学級に在籍する小学6年生の息子・太郎くんとの暮らしを漫画にし、Instagramで配信。さまざまな出来事を、まゆんさんと太郎くんが一緒に乗り越えていく姿に共感の声が多く届いている。ウォーカープラスでは「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」と題し、まゆんさん一家の何気ない日常を、描き下ろしの新作漫画と共に隔週でお届けする。
第12回となる今回のテーマは「お母さん 必要ないって言われたの?」。まゆんさんに当時の思いなどを聞きつつ紹介する。
看護師を辞めたまゆんさんに、太郎君が思わぬ言葉を


看護師のまゆんさんは、長く勤めた職場を退職した。久々にゆとりのある生活になったが、そんなある日…。











太郎君のストレートな一言で、まゆんさんは自分の存在を「必要」という視点で考えるようになる。



家族は自分にとって「必要」の一つ。ばあばや太郎君の気遣いに感謝しながら、まゆんさんはそう考えた。
「必要とされるために、もっと人の気持ちを大切にしたい」
まゆんさんは、看護師を辞めた頃についてこう話す。「業務量は多いいもののそこまでの負担ではなく、むしろきつかったのは職場内の環境。もっと一緒に働き続けたいと思えるような頼もしい仲間たちからも『辞めないで欲しいけど、このまゆんさんの状況をみたら”辞めないで”なんて言えないです』という言葉や手紙を頂くような状況でした。笑顔も減って、職場でも後輩の前でボロボロ泣きました。終わりの合図でした」
そんな思いで退職してしばらく経った頃、太郎君から「必要とされてないの?」という発言が飛び出す。核心をつかれた、とまゆんさんは言う。「イラストにもあるように、ダイレクトに的を得たことを言われたと思い、心が痛みました。『必要とされているか、いないか』という考えを潜在的に持ってはいても、表には出しませんでした。だから、太郎の『視点』は鋭く的を得てると思いました」
ばあばや太郎君も、まゆんさんの体を気遣っていた。「ばあばは私の頑張ってる姿、苦しむ姿を何も言わずに見守るタイプ。『答えは本人次第』的な所が昔からあります。今回も私の出す答えをずっと見守ってくれてました。太郎はばあばの気遣いを見て学んでるのか、本人の感性なのか、包容力があるように思います。そう思うのも、私が2人を『必要としてる』からなのかも」
太郎君の言葉をきっかけに「看護師として必要とされたいと思った」とある。まゆんさんの考え方に変化が生まれた。「必要とされるためには、もっと人の気持ちを大切にしようと思いましたし、必要として下さってる方々の気持ちを、もっと大切にしていきたいと思うようになりました」
”自分が必要とされているかどうか””必要としてくれる人に何ができるか”という角度で考えると、周囲の人たちとの関係はまた違ったものに見えてくる。読者のみなさんにも心当たりはないだろうか?
取材・文=折笠隆