【漫画】運動会の練習でパニックに。先生は一言、その場から「出して」/「息子が学校に行けなくなった理由」
突然、学校に行けなくなった息子さんに関する体験を描いた漫画「息子が学校に行けなくなった理由」。花森はなさん(
@hanamori_h
)がSNSにアップしているこの作品が、同じような経験を持つ親などから共感の声を集めている。ウォーカープラスでは、同シリーズを花森さんのインタビューを交えて連載形式で紹介する。
夏休み直前のお楽しみ会の日に、登校再開以来初めて6時間目まで学校で過ごせた息子さん。夏休みが明けた4年生の2学期には、登校班に参加し、日常的に朝から6時間目まで過ごせるようになった様子が描かれる。「始業式の日は学校が午前中で終わるので、それなら朝から行こうかと。自然な流れで行って以来、朝から登校できるようになりました。また、本人がなるべく教室にいたがったこともあり、そこも自然な流れで6時間目まで過ごせるようになりました」

このころ、家に息子さんの友達が遊びに来ることが多かったそう。「子供同士が遊ぶ時はおうちの人の了承を得ることになっているので、私が付き添いで学校にいることも誘いやすい要因の一つだったようです。息子より先に、私のところに直接聞きに来る子もいました」。友達が遊びに来ることを息子さんも楽しみにしていたという。

支援学級担当の先生が入院してしまい、行き場がなくなる
一方、学校では、9月の運動会に向けて練習が始まる。お楽しみ会は張り切っていた息子さんだが、運動会には乗り気でなかったという。「成績でオールAを狙っていた時も体育がネックだったくらい、運動がもともと得意ではない子でした。それに、お楽しみ会と違って、運動会の練習ってずっと先生が怒っていたんですよね。さらに、順番に競技をやっていったりと、普通の子でも辛いぐらい待ちの時間がすごく長くて、息子にとっても大きなストレスになっていました。このころはよくひっかかれて、私の腕が傷だらけでした」

同じころ、支援学級の担当であるY田先生が入院することに。花森さん親子は、支援主任の先生に「Y田先生のような支援は一切期待しないでください」と言われてしまう。「この時に初めて支援主任の先生と話したぐらいなので、組織的にかなり問題があったと思うし、先生の負担もすごかったんじゃないかと思います。明らかに業務が偏っているなと感じられたので、私もなるべくY田先生の負担にならないようにしようと思っていました」

Y田先生の入院を受け、頼る場所もなくなった花森さん。「心配で早く治ってほしいと思いつつも、それまでは息子がパニックになった場合、落ち着くまで支援教室で過ごさせてもらう時が多かったので、どうしようとも思いました」
それ以来、パニックになった息子さんには行く場所がなかったという。「給食も食べずに、一日中階段にいたこともあります。学校の階段って、夏は暑くて冬は寒いし、埃っぽいんですよね。本当に長くいたので、よく覚えています」と振り返る。


運動会の練習でパニックになった息子さん。先生の対応は「出して」
それでも必死に参加した運動会の練習では、息子さんが学校に行けなくなった理由でもあるM川先生が登場。「M川先生が前に立つと、息子は緊張した感じになりました。先生が怒鳴りだすとパニックになるので、その時は列を外れるしかありませんでした。入場から一連の動きを練習したり、かけっこは走者順に並んだりするので、一度離れると、途中から戻ることはできず、息子が落ち着くまで、運動場のすみにいることもありました」
37話では、練習に必要な持ち物を知らされていなかった息子さんが、パニックになってしまう。このころ、Y田先生以外に親身になってくれる先生はいなかったそうで、「親子2人でぽつんとしている感じでした。Y田先生がいないと間に入ってくれる人がいなくて、ほかの先生も誰かが言っているだろうと考えているので、学校のことがわからなくて。運動会前って学校全体がすごく忙しいので、支援の子一人に構っている余裕もなかったんだと思います。この時のように、必要な持ち物があっても連絡がこなかったり。息子はイレギュラーなことに弱いので、パニックが起きてしまいました」

息子さんも、Y田先生がいない間、頑張ろうと気を張っていたという。しかし、集団の中でパニックになっている息子さんを見たM川先生は別の先生に「出して!!」と言い放つ。「こちらも悪いんですが、完全にパニックを起こしている状態の人間を連れ出すのは難しく、それでもかなり一生懸命対応はしていましたが、無理でした。言われた時は、全身の血が引く気持ちでした。怒りに近いけど、頭が冷えていく感覚でしたね」と花森さん。

このあとも、M川先生とは一悶着が待ち受けている。学校に行けるようになっても、さまざまな困難に直面する様子を描く「息子が学校に行けなくなった理由」。ウォーカープラスでは毎月紹介していく予定なので、今後の展開を見守りたい。
取材・文=上田芽依(エフィール)