“漫画が嫌いになりそう”と専門学校を中退。恩師からの忘れられない言葉に「ほろっと涙が」と感動
叶えたい夢を持った時、誰もが最初は夢への道を一直線に突き進もうとするもの。けれど、さまざまな理由からその道から逸れることを選ぶ人もまた多い。単行本の出版という一つの夢を叶えた漫画家の、専門学校時代の恩師との思い出を描いた漫画にTwitter上で「なんていい話…!」「素敵な先生ですね」と感動の声が集まっている。

“漫画が嫌いになりそう”…そんな心をやわらかくした、恩師の「自分のためにね」の一言
「マンガよもんが」での連載や、SNS上にて発表している息子と夫婦の日常のコミックエッセイなどで人気を集める、るしこ(
@39baby_com
)さん。そんなるしこさんだが、10代の頃、通っていた漫画の専門学校を中退しているのだという。
漫画の技術を教える専門学校である以上、指導する上で生まれてしまう“正しい漫画”と“そうでない漫画”の線引き。当時のるしこさんは、学校で求められる「正解のある漫画」にどうしてもなじめず、漫画を描くことが嫌いになってしまいそうだという危機感を抱えていた。

家庭の事情や漫画のほかにやってみたい仕事を見つけたりとさまざまな理由も重なり、退学を決意したるしこさん。そんなある日、専門学校の担任教師から呼び出され面談を行うこととなった。

「学校辞めたいんだって?」と問う担任に、引き留められると思ったるしこさんは説得の材料をひねり出そうとしかめっ面。けれど担任は「まっ、一応来年までは休学扱いにしとくから」と、笑顔で予想外の一言をかけた。
仕事がうまく行かなかったら学校に戻ってきなさいと話す先生に、「…止めないんですか?」と拍子抜けするるしこさん。そんなるしこさんの人となりを理解していた担任教師は、「投稿して連載をできるマンガが全てとは思ってないのヨ」と語りかける。

るしこさんと、るしこさんの描く漫画に「良い方向に人に変化を与えるチカラがある」と評する先生。「自分のためにね 絵を描くことを続けてってくれたら先生は嬉しいなあ」と、たとえ学校を辞めたとしても、るしこさんの好きな漫画を描き続けてほしいと、願いとも励ましとも取れる言葉を送るのだった。
そして現在。自身の単行本の刊行を間近に控え、るしこさんは「あれから色んなことがあったけど おかげでわたし今もマンガが大好きだよ」と、今の自分に続く、あの日の担任との会話に思いを馳せていた。
