【漫画】がん病棟での入院生活も慣れてきた。ある日、手術した患者に鼻腔がんの傷跡を見せてもらったら…
幸せに暮らしていた一家の母親が突然がんに。これからどうする?その時家族は?「がんサバイバー」という言葉もあるように、がんと闘病・共存しながら日常を送る生き方が注目されている。そんな中、自らのがんとの闘病や家族との触れ合いを漫画「鼻腔ガンになった話」にし、Instagramにアップして反響を呼んだのが、やよいかめさん(
@yayoi_kame
)。そのリメイク版を連載として描いていく。
やよいかめさんはご主人とお子さん2人の4人家族。鼻詰まりの精密検査を受けたところ、思いがけず鼻腔がんと告げられた。抗がん剤治療や手術によって寛解を目指すことになり、まもなく入院。今回は第8話で、患者さんやお見舞いに来た家族との触れ合いを描く。
週末になり家族がお見舞いにやって来た。さっそく、転校して間もない子供たちの近況報告が始まる。











楽しい時間はあっという間で、また1人の入院生活に戻る。寂しさも感じるが、ずっと自分を大切に思ってくれる家族や親戚に改めて感謝。








鼻腔がんの“先輩”に、手術の跡を見せてもらった。思ったより小さくてホッとするやよいかめさん。同じ境遇の人達と接していると、不安が少し和らぐ。








仲良くなった患者のむーさんと話し込む。お互い手術の不安は尽きないが、母親としてなんとしても家族のために生きるという決意を打ち明けた。
手術の傷跡が思ったより小さくてホッとした
ご家族の方は、できる限り毎週末お見舞いに来てくれていたそう。「売店の前のテーブルでみんなでアイスクリームを食べるのが定番でした。ほかには、毎晩10分程度、公衆電話から家に電話をかけていました。家の固定電話にかけた方が、夫の手を煩わせずに子供たちと直接コミニケーションが取れると思ったからです。『おやすみ』が言えただけの日もありましたが、今思い返すと良かったなぁと思います」
患者さんに鼻の手術の跡を見せてもらい、不安が和らいだ。「手術は鼻の横を切ると伺っていたので、顔の中心付近に大きな傷跡が残るものだと思っていました。想像よりもだいぶ小さく、コンシーラーなどを使用すれば化粧でごまかせる程度の傷口だったので、ものすごく安心しました。顔が変わっても仕方がないと思って入院していましたが、傷が残らないに越したことはないので、ホッとしました」
患者さん同士の交流は一線を踏み越えない
同じ病棟の患者の方との交流が描かれている。「入院患者の皆さんですが、仲良くなってもそれぞれ互いに踏み込んではいけないラインっていうのを気をつけてお話ししているなぁと感じることが多かったです。調子が悪そうな時は、あえて声をかけないようにしてくれたりとか。大人だなと思いました」
患者はそれぞれ治療しても、具合が悪くなったり退院したりするタイミングも違う。それだけに「自分以外の患者さんをうらやましく思う時もあると思うんです。私は正直言って、他の患者さんがうらやましいと思う時が何回かありました。だからこそみんな、仲良くなってもなりすぎないようにしてる部分があるんじゃないかなぁと感じました。人をうらやんでも仕方がないので、自分を守るためにも患者同士の距離感をうまいこと取る必要があると思います」
この後いよいよ最初の抗がん剤投与を体験。そこで思わぬ勘違いが…。
取材・文=折笠隆