【もしも記憶が遺せたら】脳内記憶を映像にまとめる“ブレインメモリアル”、生前無口だった夫が妻に伝えたかったこととは

元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見た事あるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。

今回は、「もしも記憶が遺せたら」をお届け。亡くなった夫が、脳内記憶を映像にまとめてくれる“ブレインメモリアル”というサービスを契約していたことを娘から知らされるも、結婚生活では会話らしい会話をした記憶がなかった妻。夫の記憶映像のなかに自分はいるのか。不安を抱えたまま、夫の“ブレインメモリアル”の再生が始まった。

ところが、スクリーンに映し出されたのは若い頃から現在に至るまで、さまざまな年代の妻の姿ばかり。予想していなかった展開に困惑する妻へ、映像のなかから夫が語りかける。「君と一緒になれて良かった」「今までありがとう」「もし次生まれ変わっても、俺は必ずまた君に恋をする」「何度だって見つけるよ」。

映像が終わると、「これじゃあただのラブレターじゃない」と笑う娘。その隣で、妻は薬指のリングに語りかける。「そういうのは生きてるうちに言ってくださいよ」「ありがとう…。また、来世で」。

たった6ページで夫婦の深い愛を描いた、感動の短編作品。Twitterの投稿には「アカン、読んで一瞬で涙溢れた……」「すごく、すごく良い!」「人の想いが感じられてホロっときました」といったコメントが多数寄せられている。
画像提供:吉良いと(@kilightit)