赤ちゃんが覚えた言葉「ワンワン」「ニャンニャン」じゃあ、パパは？サラリーマンの苦労を覚えたシュールな状況が笑える！何度も読みたくなる短編漫画

犬はワンワン、猫はニャーニャー、牛はモーモー、豚はブーブー。言葉を覚え始めたばかりの赤ちゃんが帰ってきたパパを見て、なんと言ったのだろう？今回は、じわじわとこみあげる静かな笑いを提供するまんがのおじさん(@man_oji)の作品をお届けする！

セカンドバッグじゃなくてランドセル!?人は見かけじゃない！

髪をぴっちりセットして渋い服装で歩いている、中年のおじさん。そこに小学生が現れて、「なんかヨシオのランドセルの持ち方って、おっさんみたいだな」と、彼を囲んだ。よく見るとセカンドバッグだと思っていたのは、ランドセルだった!!見た目や服装、バッグの持ち方で中年の男性に見えていたのだが、彼は実は同級生だったのだ!!

サラリーマンの辛さを幼児期に覚えてしまった!?

言葉を覚え始めた赤ちゃん。幼児期の赤ちゃんが言葉を覚え始めるのは1歳前後だそう。犬をワンワン、猫をニャンニャンなどの単語で話す。そんな時にパパが帰宅。赤ちゃんはおもむろにパパを指差して「申し訳ございません！申し訳ございません！」と言った。いつも寝言で謝っているパパの言葉を覚えてしまったようだ。

読めば読むほどじわじわ笑いが広がっていくブラックユーモア

時にシュール、時にブラックなユーモアで静かな笑いを運ぶ、まんがのおじさん。今回はインタビューで、作品のこだわりや見どころについて話を伺った。

――漫画の投稿はコンスタントに決まっていますか？

基本的に毎日描いて公開することにしています。僕は美大の油絵学科出身で、学生時代はものを作る日常の中で暮らしていました。よくある話だとは思うのですが、卒業後は生活のために仕事をしなくてはならず、思うように制作ができなくなりました。それでも何かを作りたい欲求は残り、少しの作業スペースでもかたちにできる漫画を描いています。

1日1枚と決めているので、どんなに気分が乗らないときや時間がない状況でも何かを描かなくてはなりません。その結果、ひどくつまらないものを公開することも少なくないのですが、それも含めて「まんがのおじさん」という一つの作品だと思って見ていただけると嬉しいです。

――ネタはどのようにして作っているんですか？

毎日更新なので、思いつかない時はとにかく何か描き始めながら考えたりしています。逆に余裕がある時は、日常で惹かれる状況について考え、それを広げてテーマにしています。伝えたいことは直接描くのではなく、なるべく物語やシュール、ギャグなどにカムフラージュし説明的になりすぎないよう気をつけます。そうすることで、無意識のうちに読者の心の片隅に残るようなものができたら嬉しいです。

――気に入っている作品があれば教えてください。

1つ目は「手順」です。誰も悪くないのに、残念な状況になることがあります。そういった切ない空気をうまく切り取ることができたと思っています。

2つ目は、「クッソ」です。何かを知ることで、今まで信じていたことが変わってしまう瞬間について描いたものです。短い1ページ漫画の中でキャラクターが上書きされる感覚が好きです。

ラストは「月面開発」。僕なりのアート讃歌です。一見、無駄なことに見えても誰かの人生を変えることがあります。アートってこういうものだと思っています。

――その他、どのような漫画を描いていますか？

note にはその日に描いたものではないですが、ストックから選び毎日更新しています。

また、2018年10月から2022年8月までcakesで連載していた漫画をカテゴリ別に マガジン としてまとめています。こちらは気に入っているものを描き直したシリーズで、読みやすさを考慮しています。有料記事になりますが、もし気になったらよろしくお願いします。

インタビューで答えているようにまんがのおじさんの作品は、セリフで説明を加えすぎず、絵柄とストーリーで構成されていることが多い。視覚的にスコンとその状況が思い浮かび、笑える面白さがある。ぜひ、堪能してほしい。

取材協力：まんがのおじさん(@man_oji)